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県内企業の「働きがい」創出を支援
生産性や業績向上の実現へ
広島県 働き方改革推進・働く女性応援課
兼田 みゆき 課長
「働きがい」に注目した新たな働き方改革の取り組みを本年度から始めました。2017年度から行った働き方改革推進の事業は、16年に35%だった働き方改革に取り組む企業の割合が1 9年に75%まで上昇するなどの成果につながりました。一方で、残業削減や有給休暇の取得促進など、社員の「働きやすさ」に関する制度づくりに焦点が当たり、最終的に目指すべき生産性や業績の向上を実現した企業は一部にとどまりました。
そこで、従来の取り組みをさらにステップアップし、社員が仕事にやりがいを持って主体的に行動できる「働きがい」創出をテーマに掲げ、各種支援策に取り組んでいます。県が20年に行った調査で、働きがい創出に取り組み、経営メリットまで得ている企業の割合は約3割しかありませんでした。これを5年後までに5割まで引き上げることを目標にしています。
働きがいのある組織づくりが使命世界各国で企業の働きがいに関する調査・分析を手掛けるグレート・プレイス・トゥ・ワーク(GPTW)を活用した事業を進めています。GPTWの「働きがいのある会社」調査に参加する企業約30社に費用の一部を補助。応募開始から問い合わせが相次ぎ、関心の高さを感じました。この調査は従業員に約60項目のアンケートを行います。経営者にとって耳の痛い回答が並ぶこともありますが、「社員がやりがいを持って働ける環境をつくることが経営者の使命です」と語る経営者もおり、心強く感じました。
この調査で一定水準を超えた企業は「働きがい認定企業」としてGPTWより認定されます。県内第1号のマエダハウジング(中区)を皮切りに、マイクロンメモリジャパン(東広島市)が続き、前述の補助事業の参加企業からミクセル(中区)、ニシキプリント(西区)、広島県リースタオル(南区)、エイジ(安佐南区)、八紘(同)が認定されました。今後も県内の「働きがい認定企業」が増えるよう取り組みを推進していきたいと思います。
並行して、県内3社をモデル企業としてコンサルタントを派遣する事業も展開しています。廃棄物処理業の共栄美装(西区)、食品製造業のサンヨーフーズ(廿日市市)、自動車部品製造業のハマダ(安芸郡府中町)が働きがい向上を目指して取り組んでいます。
働きがいと言っても、その考え方は企業によってさまざま。福利厚生制度の新設などと異なり、風土を変えることは時間がかかるため、経営者の覚悟と現場のマネジメント体制が求められます。
来年2月15日にはシンポジウムを開き、書籍「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者で経営学者の坂本光司氏をお招きし、現場視点で人を大切にする経営の重要性をお話いただきます。自分たちの仕事が社会の役に立ち、ワクワクして楽しいと実感できる職場づくりに一緒に取り組みましょう。
関連サイト : 広島県 働き方改革推進・働く女性応援課