広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    広島などで新規出店拡大へ / 塩路 和平 氏
    NEWSなひと
    マーケティング支援に注力 強み生かし集客・販促へ / グッドフォルム 松田 伸宏 社長
    自作木おけで醸した酒 感覚研ぎ澄ます伝統手法に挑戦 / 賀茂鶴酒造 中須賀 玄治 杜氏
ニュース一覧
+ 続きを読む +

グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
響膳 米壽 / 河野 麻由子 代表

飲食やアパレル店長を経験した代表が、昨年11月に開いた創作和食店。午後9時までは彩り豊かな日替わりのおまかせコース(8800円)だけで、以降は一品メニューも扱う。
「北広島町の契約農家の野菜や垰下牛など県産を中心に、和食店に20年以上勤めた磯部正之大将が目利きした旬の新鮮な食材を使用。刺し身、焼き物といった定番に加え、和食の要素を採り入れた肉まん、手作りケーキなど創意工夫を凝らし、何度来ても新しい味に出合えます。約20種から料理に合わせて薦める日本酒も好評です」
 接待や記念日のほか、女子会の利用も多い。価格以上の満足度を提供したいと、一人一人に合わせたきめ細かい接客を心掛ける。
「店名の通り、心に響く料理やおもてなしを心掛け、お客さまに〝口福(こうふく)〟を届けたい。末永く愛される店に育て、ゆくゆくは多店舗展開できればうれしい」
 今後、数量限定のすしコースなども始めたいという。

    INFORMATION
  • ◆住所:中区銀山町12-18 パオ館5階
  • ◆電話:082-242-0155
  • ◆平均予算:1万円
  • ◆座席数:10席
  • ◆営業時間:午後6時〜翌午前2時
  • ◆定休日:日曜
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
ひろしまアダプト / 池田 朝雄 理事長

当団体は清掃や緑化、地域活性化などのアダプト活動を行うNPO法人で、自分たちの手でまちをより良く、きれいにしたいという草の根の取り組みを支援している。
 毎年1月に広島で開かれ、今年も盛り上がった天皇杯第30回全国男子駅伝。長野県が大会新記録で史上初の4連覇を達成し、皆を驚かせた。惜しくも広島勢は4位入賞。第1回大会以来となる優勝へ、激励したい。私は10年前の65歳まで5回ほど同大会のコース上で審判をしていた。だからこそ思いは強い。
 とはいえ若い頃、ましてや西条農高と東京農大の在学中に陸上経験はない。しかし県土地改良事業団体連合会で農業土木設計に携わり53歳で江田島に帰郷する直前に、MIKANマラソンの審判をやってほしいと頼まれた。地域のためなら仕方ないと、講習などを受けて資格取得。せっかくだから自分も陸上に挑戦し、マスターズリーグの100メートル走では県大会2位になった。13秒台後半が最高かな。休止したが、ようやくヒザの痛みが治まってきた。まずはリハビリがてらロードバイクに乗るつもり。自宅付近の畑仕事も良い運動になる。
 次男がバスケの社会人チームに所属し、いとこの新宅博生は大阪府バスケ協会専務理事。昨年の優勝で一気にファンが増えたドラフラの応援に熱が入る。他の地元プロとの同時優勝を見たい。自らの目標は、いつまでも無理なく運動すること。そして健康。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
失敗を促す

確かにチョコレートのような風味があるのに、カカオは一切使っていない。食品製造のあじかん(西区商工センター)はチョコレートに含まれる10種類の香り成分のうち、焙煎ゴボウに8種類もの共通成分があることを発見。その研究を生かし、昨年夏にゴボウを原料とするチョコレート風のスイーツ「ゴボーチェ」を発売した。
 カフェインを含まず食物繊維が豊富で、ジャパン・フード・セレクション(2024年7月)グランプリを獲得。昨年12月には全国放送のニュース番組でも取り上げられた。いま品薄状態という。足利直純社長(56)は、
「この商品は業務上の失敗作から生まれた。ここ数年、みんなに〝前向きな失敗〟を促し、失敗を恐れて挑戦をためらう雰囲気を払拭することから始めた」
 植物由来の原材料だけを使うバター代用脂を開発中に思いがけずゴボウとチョコレートの香りの共通点を発見。まさかの新商品につながった。
「3年前の社員アンケートで(当社には)失敗できない雰囲気があると指摘された。これはいけないと思った。準備不足や怠慢による失敗は許されないが、何か新しいものを生み出そうと意欲的に挑戦した結果、それが失敗しようと容認されなければならない。すぐに社長朝礼で、前向きな失敗を歓迎すると全社員にメッセージを送った」
 米ハーバード大学の研究者ショーン・エイカー氏の著書「幸福優位7つの法則」(徳間書店)から示唆を受けた。成功したら幸福になるのではなく、幸福であることが成功につながることを多くの研究から解き明かす。職場の幸福感や楽観主義が業績を高め、失敗へのプレッシャーを抱えた組織と比べて、成果に差が出るという。わが社はどうだろうか。さまざまな試行錯誤を重ねてきた。
「もともと部門間のセクショナリズムが強く、4〜5年前から配置転換によって部門の垣根を超えた組織再編を進めてきた。少しずつ開発や営業などが互いの気持ちを分かるようになり、風通しが良くなった。社風こそ、企業の活力を促す大きな原動力ではなかろうか。優れた商品はさらに優れた競合品の出現で消え去る。しかし社風はいつまでも独自性を発揮し続ける。一人一人が自ら考え、行動する組織を目指している」
 楽観主義だから小さなチャンスも見逃さない、ワクワク感があるのだろう。約400種類ある卵製品の一つ「まどか」は、スクランブルエッグを作る過程で、たまたまクルクルと回って筒状になったものを商品化。拡販商品に育った。昨年11月発売のペットボトルタイプの焙煎ゴボウ茶は開発に14年の歳月をかけた。一般的にペットボトルのお茶には酸化防止のビタミンCを微量加えるが、どうしても風味に影響が出る。粘り強く開発を続け、ようやく満足できる商品に仕上がった。滑り出しは好調という。
「主体性があれば職場から指示が無くなる。指示された仕事には気持ちがこもらない。しっかりと背景や狙いを伝え、後は任せる。たとえ、うまくいかなくても、みんなで解決策を考えることが発展につながり共感を生む。楽しい仕事こそ一番の目的です」
 前3月期連結売上高は初めて大台の500億円を突破。今期は520億円を見込む。巻きずしの魅力を発信する「巻MAKI課」の設置など新たな挑戦も始めている。

一覧に戻る | HOME