今年、自動車の電動化に向けた「2030経営方針」第2フェーズの初年度を迎えたマツダ(毛籠勝弘社長)は、2022〜24年の第1フェーズでネットキャッシュ(現預金や同等物から有利子負債を引いた金額)を11倍超に増やした。単価の高いラージ商品の導入や北米販売の好調のほか、円安も追い風に利益を積み上げ、第2、3フェーズでの投資の原資を確保。3月18日には現在の電動化の状況を踏まえ、電池投資額を圧縮する一方で内燃機関を進化させる意向を明らかにするなど〝マツダらしい〟投資と成長戦略を描く。 22年11月に発表した同経営方針では第1フェーズをカーボンニュートラル・電動化への準備、第2フェーズを移行期間とし、28年からの最終フェーズでバッテリーEVを本格導入するとしている。方針発表後の23年2月に公表した同年3月期の第3四半期決算では、投資能力の目安となるネットキャッシュは346億円だったが、直近の25年同四半期決算では3855億円まで伸長。毛籠社長は「第1フェーズはおおむね計画通り」と手応えを語った。
昨年8月開店の創作和食居酒屋。島根県出身の店長が、海鮮や牛肉など故郷の食材を使う一品料理と同県26蔵の日本酒(90ミリリットル600円〜)を中心に提供する。「中でも日本海のモサエビの刺身(3尾900円)が人気。甘エビよりサイズが大きく、濃厚な甘みとうまみ、弾力ある食感に酒が進みます。私の地元、飯南町の赤名酒造の純米酒『絹の峰』と合わせるのがお薦め。フルーティーな冷酒が料理を引き立てます」 同町産の牛乳と地域ブランドサツマイモ「森の絹」を使うアイス(500円)も用意。イモ由来の自然な甘みと牛乳のコクでスイートポテトのような味わいが楽しめる。また、長時間座っても疲れないよう、カウンターにはリビング用のイスを設けた。「自宅のようにゆったりと食事や自身の時間を楽しんでいただけます。常連さまで週に一度、読書するために訪れる方も。『ただいま』、『おかえり』と言い合える家族のような間柄を増やしていきたい」
INFORMATION岡山市が本社の登山・アウトドアショップで、広島店は現在新築リニューアル工事中で4月の開店予定です。2階建てで店舗を広くし、ウェア、靴、ザック(登山用リュック)などの商品を充実させ、坂や岩場を再現する靴のテストコースを設け、試着室を増やします。店名には「第一の関門」という意味合いがあり、商品を通じ登山やアウトドアのサポートをしたいですね。 西区出身で大学を中退後、山岳会に所属し登山に没頭。20歳代前半は長野県の白馬山系の山小屋や山岳救助隊に勤務しました。広島の山・スキー専門店、大阪のアウトドア卸業勤務などを経て、アシーズに入社。広島店で現在、店長を務めています。若い頃は岩場や雪山がメインで、北アルプスは隅々まで登りました。雪崩に巻き込まれたり、単独行で岩壁で40メートル落下し、ロープで宙づりのまま一夜を明かした経験もあります。 アシーズブリッジのお客さんとは南北アルプスや屋久島の宮之浦岳・縄文杉などに行きました。屋久島では歴史や植生なども学び、里山や森林の新しい魅力を発見。各店の従業員と山登りやテント張りの研修もしています。山登りは年齢に応じた楽しみがあり、生涯スポーツとしても有望だと思います。山登りの魅力はたくさんありますが、日常生活をリセットでき、「健全な逃避行」として、歩きながら無心になれるのがいいですね。また自然から力をもらえる感覚もあり、現実の生活の活力になると思います。
いよいよ庄原市特産「比婆牛」の出番である。広島はおいしさの宝庫というブランドイメージの醸成を命題に掲げる県プロジェクト「おいしい!広島」の一環で、3月12日に中区小網町のイタリア料理スペランツァで比婆牛を食材に磨き上げた一品を試食するイベントがあった。 肥育に従事する藤岡幸博さんが比婆牛の生い立ちや特質などを紹介した後、スペランツァの石本友記オーナーシェフによる一品料理のデモンストレーションを行った。JAひろしま西城肥育センター長も務める藤岡さんは、「子どもの頃から食べ慣れているが料理次第で比婆牛の可能性が広がると実感。ただ素牛(肥育前か繁殖牛として育成する前の子牛)が少ない」 繁殖も肥育の農家も少ないのが実情。JAひろしま畜産課の担当者は、消費を増やす生産体制を県内全域に拡大したいと話す。 中国地方は、古代から伝わるたたら製鉄に必要な砂鉄や炭、木材を運搬する力強い牛の品種改良が行われてきたが、農作業の機械化に伴い食用としての品種改良に移行。 約180年前から受け継がれる伝統的な和牛の比婆牛は1843年に誕生し、日本最古の四大蔓牛のうちの岩倉蔓をルーツに持つ。畜産家の岩倉六右衛門が地元(旧比和村)の優良な雌牛を基につくり上げた。脂の融点が低く、くちどけの良さが特徴で、前菜にもメイン料理にもいける。 G7広島サミットでも各国首脳の舌をうならせるなど、次第に名をはせるが、生産量は年200頭未満。そのおいしさに出会えるのは、地元と一部の小売店や飲食店にとどまり、生産と流通に課題を抱えている。 こうした流通の価値向上とコストの最適化をテーマに、県は2024年度に三つのプロジェクトをスタート。その一つ「比婆牛ブランド共創プロジェクト」はバラ肉など通常、高級飲食店では扱わない部位の加工品を開発し、利活用を促す狙いだ。 庄原で地元食材を使ったレストランを運営する水橋聴オーナーシェフがスジなどいろんな部位を使う土産商品の開発に挑戦し、レトルトカレー「伝説の比婆牛カレー」を商品化。地域プロデュース事業を展開するドッツ(中区)が商業施設ミナモアに開業した店で3月19日に披露した。一袋180グラムのうち50グラムが比婆牛という。「冷凍タイプは以前から扱っていたがレトルトの方が土産には適している。肉の食感を残しながら、店で出すカレーの味わいになるよう努めた」 ヒレなど高級部位を使う贈答品は、東白島町でフレンチ店を営む今井良オーナーシェフが開発したローストビーフが採択された。 県は21年度から付加価値要素の多い比婆牛に着目し、ブランディング事業に取り組んできた。農林水産局畜産課の宇田久康参事は、「担い手の高齢化、生産コストの高騰が進む。いろんな部位が適正価格で流通することが一つの突破口になる」 比婆牛だけでなく県産和牛の広島牛や元就、神石牛も同様。全てを味わい尽くしてこそ、ブランド牛も生産者も報われる。 生産者が精魂込めて育てた食材を、一流の料理人の手でさらに磨き上げ、おいしい!を広めるプロジェクト。このプロジェクトに呼応して生産者、流通、飲食、消費者が「広島の良さ」を誇り、丸ごと地域の元気へつなげたい。