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信頼に応える存在感と連夜の素振りで高みへ ~誠也さんが練習していた姿を見習って取り組んでいます~
広島東洋カープ 内野手
林 晃汰 選手
カープが生んだ主砲・鈴木誠也選手の後釜として期待がかかる林晃汰選手。新時代を築く4番打者候補に、日南キャンプ中の2月6日に今シーズンの意気込みを聞いた。
強く振ることを実践 -今キャンプの課題は。そろそろ実戦が始まるので、そこに照準を合わせて〝振る〟ことを第一に掲げています。強い直球に負けないように、重点的に鍛えてシーズンを迎えたいです。
- 昨季、直球に負けた印象はありませんが。やはり強く振ることが基本だと考えています。キャンプではその基本に立ち返ることを意識しています。真っ直ぐが打てないと勝負にならない。そこを仕上げてから、いろんなことに取り組みたいです。
林選手の〝4番論〟 - キャンプ序盤で新人の末包選手も長距離砲として話題に。チーム内での競争意識は高まっていますか。まずはレギュラー定着が今季一番のテーマです。そのために、ほかの選手に負けたくないという強い気持ちで臨んでいます。試合には出てなんぼ。出られないことは信頼されていないこと(と同義)だと考えています。チームから4番を任せてもらえるように、信頼を勝ち取ることが大事だと感じています。
- 同世代の選手や、坂倉選手からも林選手を4番に押す声があります。いやーどうでしょうか。坂倉さんは2歳上で年齢が近く、一緒にクリーンアップを打ちたいと思っています。
- 坂倉選手の前ですか、後ですか。チャンスの場面で(本塁へ)ランナーを返すのが僕の役割だと思うので、僕の前に打ってほしいです。
- 昨季、4番を任された試合がありました。スタメンで4試合を任せていただきました。特に意識していなかったのですが、見えていないものがありました。実際に4番として打席に立って初めて、本当に一番注目されているなと感じながら打席に立ちました。
- 夏場に一時打率を落としましたが、9月に8打席連続安打を達成するなど持ち直しました。毎日試合がある中で、体のどこかが違うなという感覚のズレのようなものが大きかったです。これまではそこをあまり変えずにやってきましたが、8月に成績を落とし、9月にかけて体のコンディションを整えたことで、うまくいきました。
- それは足の上げ方ですか。自分が気付かないうちに、違う打ち方をしている感じがありました。そこを見つめ直してトレーニングやケアをしっかりしたことで9月に良い方向に変わったのだと思います。
〝誠也仕込み〟の4番へ -鈴木誠也選手が9月9日のヒーローインタビューで林選手が「試合後も夜中まで素振りをしている」と話していました。試合後の素振りは毎日していますか。その日の試合の反省もありますし、素振りを通じて振り返りをしているだけです。一番練習している誠也さんの姿を見聞きしてきたので、見習って取り組んでいます。もちろん、キャンプ中も欠かさず振り込みを続けます。
-昨季は鈴木誠也選手と一緒に試合前の打撃練習をしていました。コーチからの配慮ですか。そこは分からないですが、あの時間が自分の中でとても良い財産になっています。誠也さんの野球に対する向き合い方や、姿勢を見てそれが生きたものとして積み上がって今の自分があります。
-サードやファーストを守りました。好プレーもありましたね。昨年、12個もエラーしたので正直迷惑をかけたことしか頭に残っていません。良いプレーはあまり思い出せないです。
-ボールをはじいた後も素早い動きで送球していました。何とかアウトにしたいという気持ちが、そうしたプレーにつながっているのかなと思います。バッティングも大事ですが、守備の練習もしっかりしなければと感じています。
-同級生の小園選手と三遊間を組むことが多かったですね。試合中に会話することが多いのですが、ほとんど頼りっぱなしです。でもお互いに良い声掛けができていると感じますね。ゾノ(小園)が打ったら自分も打たなきゃ、と気合が入るので、刺激し合いながら取り組めていると思います。
「4番降格」経験を糧に -2軍時代は大半が4番でした。1年目から4番を打たせてもらっていました。しかし、3年目に成績を落とし、試合に出られなくなった時期を経験。その時に「試合に出られて当たり前ではない」という気持ちになりました。こうした経験を機に自分の野球観や考え方が変わったのだと思います。
-4番を外されたことで、自身の成長につながったのですね。全く打てない時期があり、4番を外されて、「特別な場所なんだ」と改めて認識しました。
-林選手にとっての4番とは。信頼の証だと思います。
-ファンへのメッセージを。今季の目標はレギュラーに定着して、1年間1軍で戦えるようにすることです。期待に応えられるように一生懸命頑張ります。応援よろしくお願いします。
(ライター 西本 恵)
プロフィール林 晃汰(はやし・こうた)2000年11月16日生まれ。和歌山県出身。智弁和歌山高校から19年、ドラフト3位でカープ入団。右投左打。20年のウエスタン・リーグで長打率4割3分2厘、112塁打はいずれも1位。
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