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サカスタ2024年完成へクラブ創立30周年で“広島の街を紫に”
サンフレッチェ広島
仙田 信吾 社長
-2022年4月24日に、クラブ創立30周年を迎えます。30周年記念ロゴを決めました。サンフレッチェの創立「30」周年を表すと同時に、広島県の市区町(広島市の8区、広島市を除く13市と9町)を合わせた「30」の2つの意味を示しています。この節目を機に、これまでクラブを支えていただいた皆さまに感謝し、県域全体とさらなる連携強化を目指すという想いを込めました。記念コンセプトは「ALL HIROSHIMA 30の笑顔とともに」です。県内30の地域が、笑顔であふれる街となるような活動を継続的に行っていくという強い意志を表します。
-具体的な取り組みは。今年の秋にエディオンスタジアム広島を中心とした会場で30の市町の皆さまと共につくるイベントを開催します。「ぶち紫大作戦」と題し、「広島の街を紫に」を合言葉にポスターや幟、フラッグなどで広島の各地をサンフレカラーに染めていきます。グッズは日常的にサンフレッチェを感じていただけるニューラインを展開。熊野筆やデニム製の商品など、さまざまな記念グッズも予定しています。「30の笑顔とともに」では選手、クラブスタッフがさまざまな県内のスポットを訪れてシティープロモーションになる動画を作成し、ユーチューブでの配信を考えています。デジタル技術を活用し、サンフレッチェならではの、楽しみながら健康増進に貢献するプログラムにも取り組みます。
-SDGsの推進にも積極的です。昨年10月に宣言しました。バイオ燃料の活用や、男女共同参画の実現に向けたレジーナの活動などを予定しています。サンフレッチェ夢・チャレンジ大使で、はやぶさ2プロジェクトのプロジェクトマネージャー津田雄一さんによる宇宙をテーマにした出前授業も実施しています。
-公式アプリもリリースされると。アプリでサンフレに関するさまざまな情報や試合速報、お楽しみコンテンツの提供を予定しています。
-いよいよ新スタジアムが着工しました。
新スタジアム建設に向けて、県と市の予算に加え、広島商工会議所を中心とする民間寄付が目標の10億円を大きく超え、16億円以上集まったということに大変勇気づけられました。これはサンフレッチェへの愛、期待と同時に広島がサッカー王国であるということの大きな証左だと思います。大変責任を感じると共に感謝の気持ちでいっぱいです。新スタ
ジアムは一目で記憶に残るような斬新さがあるだけでなく、周辺と自然に溶け込むような開放的なイメージになっており、より一層身近に感じていただけると思います。サッカーのない日は、内部をいろいろな視点で周遊するスタジアムツアー、魅力的なショップやレストラン、最新の体験型ミュージアムなどで、一日中いても飽きない複合型施設です。併せて開発される公園との連携で、より楽しく過ごせると思います。
一番は客席とピッチの距離が8㍍と非常に近いことです。エディオンスタジアムでは伝わりきれなかった選手たちの迫力や息づかいなど、臨場感あるスペクタクルを味わっていただけると確信しています。
新スタジアム完成までの2年間をどう乗り切るかが重要です。昨年はコロナの影響でその前年に降格がなかったため、20のチームから4チームが降格するという、本当に厳しいシーズンでした。今J1で実質地方クラブといえるのはサンフレッチェと静岡と鳥栖くらいです。J2に落ちるとメディアの扱いも変わり収入面での影響も大きいので、J1に残り続けるんだという決意を新たにしました。スタジアムはもちろん、そこに至る公共交通機関も、感染対策は万全です。サンフレの試合を見てもらうことで感動を得ていただく。その感動はきっと免疫力を高めることにつながります。ぜひ多くの方たちに足を運んでいただきたい。
-今季のサッカーの方針は。ドイツ人のミヒャエル・スキッベ監督の下、アグレッシブに攻めるサッカーを追求していきます。スキッベ監督はJリーグの歴代外国人監督の中でも実績が群を抜いており、3本の指に入るのではないでしょうか。キャンプから手応えを感じており、スピーディーにゴールに向かうワクワク感、ゲーム展開の面白さを感じていただけるはずです。試合はもちろんのこと、スタジアム内の演出もより一層楽しいものにしていきます。
-開幕2戦を終えての手応えは圧倒的な躍動感が加わったと言われます。ワクワクし、面白い、まさに「ぶちあつ」だと。前線を押し上げ、ゴールに向かう姿勢が鮮明になり、ボールが相手に渡っても即時奪回、集中して戦う意識と集中力が観客によく伝わっているからです。攻めを優先すると守りが心配との指摘に対しても、鉄壁の守備が機能しています。若手が積極的に得点にからみ、ベテランも全員でゴールに突っ込み得点を挙げ、期待が膨らみます。
-レジーナの状況は。国民栄誉賞受賞の近賀ゆかり、福元美穂両選手が見事に引っ張ってくれています。中村伸監督がよくチームをまとめ、ボールへの食らいつきの執拗さなど、男子のサッカークラブをルーツに持つサンフレッチェならではのチームができつつある。ホームの広島広域公園第一球技場は陸上トラックがなく、ピッチの迫力が伝わりやすい。何より彼女たち自身がすごく前向きです。昨秋開幕したばかりですが、日本初の女子プロサッカー・WEリーグのオリジナル11であるとの責任感から、広報や社会貢献活動などにも積極的に取り組んでいます。SDGsの観点からも男女共同参画や女性活躍社会を目指す中で、レジーナをその象徴と捉えていただいている企業が多く、スポンサー獲得にもつながっています。
-社長就任3年目の抱負を。平和公園を設計した丹下健三さんは、まさに新スタジアムができる場所に、サッカーのできる総合運動場を構想していました。そこに響く歓声こそが復興、平和を象徴すると考えたのですが、サッカーがいかに身近だったかの証です。その伝統を踏襲して、サンフレッチェをもっと県民市民に親しまれる存在にしていきたい。テレビ生中継を増やしますし、エキキタのJR広島支社跡地でのフットサルコート運営、アプリの開発、グッズも日常使いを増やしていく。全てのベクトルを、サッカーの発信力強化につなげ、スタジアムと無縁だった人にサッカーのスペクタクルを体験していただければと思います。
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