人材・組織づくり名実ともに日本一のチームへ 強く、愛される組織づくり

ヴィクトワール広島

監督兼社長 中山 卓士 氏

 中四国地方初の自転車ロードレースのプロチーム監督と運営会社社長を兼務する中山卓士氏。監督の立場で、選手の成長を促し、愛されるための組織づくりを語ってもらった。

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ヴィクトワール広島 / 監督兼社長 中山 卓士 氏

ーチームにおける監督の役割は。

 最も大事な仕事は、勝つための戦術を考え、選手たちに役割を伝えることです。自転車ロードレースのプロリーグは、個人とチームそれぞれの成績で年間順位が決まります。この競技はエースがどんなに強くても、それを支える役割がいなければ勝てません。全員がプロとして自分が1番という自負を持つ中で、実績のある外国人やベテラン選手もアシスト役に徹しなければならない時があります。選手一人一人の理解を促し、チーム一丸となることが勝利の絶対条件です。

ー組織づくりで重視することは。

選手と密接なコミュニケーションを取ることが大切で、物事を決めるときは全員の話を聞くようにしています。例えば、レース中の自己評価を聞くと、多くの選手は自分がいかに組織に貢献したかを話します。一方で監督の立場では選手に適切な評価を下すため、チームメートからさまざまな話を聞く必要があります。その上で、本人の認識とずれがあったときは、早い段階で直接伝えなければなりません。レース直後は感情的になりやすいので、翌日から3日後までにしっかりと時間をかけてすり合わせるようにしています。

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選手に適切な評価を下すため、密にコミュニケーションを取る

ー伝える上で難しいことは。

 選手が本当に理解しているかを判断することです。よく「分かりました」とだけ答え、伝えたことと違う行動を取る選手がいます。そういう選手には内容を復唱させて理解度を測ります。高校や大学を卒業してすぐプロに入る選手も多く、社会人としての基礎が形成されていないこともあります。一方で、レースで勝てる選手は人間性でも魅力のある人が多い。技術だけでなく、内面の教育にも時間を掛けることで、チーム強化につながると考えています。

ーどんなチームを目指していますか。

「日本一強く、日本一愛されるチーム」をビジョンに掲げています。チケット収入がないロードレースは他の競技以上にファンやスポンサーに頼る部分が大きく、戦力強化のためには、支援者の獲得を同時に進める必要があります。今季から加入した小野寺玲選手は国内トップクラスの実力があり、ファンからの人気も高い。彼を中心に広島での認知度を高め、名実ともに日本一のチームを目指します。

プロフィール中山 卓士 1989年3月23日生まれ。選手時代に2009年全日本選手権U23準優勝など。15年にヴィクトワール広島と運営会社CYCLE LIFEを立ち上げた。

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