広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
広島電鉄の白島電停から至近の日本料理店。幻の高級魚とされる天然クエを中心に提供する。2008年の開業以来、価格以上の満足感が得られる店を評する「ミシュランビブグルマン」に2回認定された。
「『クエを食ったら他の魚は食えん』と言われるほどで、一番脂がのる冬から春先は特に絶品です。刺し身もおいしいですが、お薦めはクエ鍋(1人前7700円)。素材のうま味を最大限に味わってほしいので、つゆは昆布だしや日本酒で整えたシンプルな味付けに。熱を加えて、ギュッと引き締まってプリプリとしたクエの身は格別で、食材のうま味が凝縮したつゆで作る雑炊もたまりませんよ」
鍋料理に合う日本酒にもこだわる。黒龍酒造(福井県)の大吟醸「龍」(1合2420円)をはじめ、「しずく」や「八十八号」など数種の限定銘柄を通年でそろえている。
「食材の良さを引き出すメニューづくりに徹し、海外から訪れた人にも和食の良さを伝えたいですね」
昨年7月に開いた創作ビストロ。日本・フランス料理店で計10年間修行したシェフが両国の技法を生かし、東広島産鹿ロースとフォアグラを使ったロッシーニをメインに据えた季節のディナーコースなどを提供する。
「食卓になじみのない鹿ロースはくせや臭みがなく、ジビエが苦手な方でも食べやすいと好評。また、仕入れ野菜の3割を占める廿日市市産は風味の持ちが良く、炒める技法が多いフレンチとの相性が良い。味付けにも宮島蜂蜜や吉和のワサビを取り入れるなど、とことん地物にこだわっています」
夕食難民が現れるほど終日観光客でにぎわう宮島に比べ、対岸の宮島口は通過点に過ぎず滞在時間が短いという。ふらっと立ち寄った客にも満足してもらえるよう、瀬戸内産鮮魚のポワレなど40種類以上の単品メニューに加え、予約なしでも提供できるコースを用意する。
「旅や特別な日の思い出の一つとしてお客さまの記憶に残る、そんなビストロであり続けたいです」
「社会で活躍できる起業家の育成」がコンセプトのカフェ。会議や交流会などのほか、セミナー開催希望も随時受け付ける。3月26日午前10時からは、脂肪肝による健康への影響を伝える「肝活」やフェムケアをテーマにしたセミナーを開く。
「飲食店という場所を活用し〝人のつながり〟を生み出すことで、社会の問題をビジネスで解決しようとチャレンジする方々の発信の場を目指しています。さまざまな方の〝やってみたい〟を仲間づくりで後押ししたい」
ランチ時はカレーランチ(750円)や鶏の照り焼きランチ(820円)など約10種類を用意。自社農園で育てた野菜が食べ放題の「サラダバー」(390円)ほか、ご飯・みそ汁のお替わりが自由。毎月、来店客一人につき10円をスポーツチームや児童養護施設など地域の子ども支援団体に寄付する取り組みも行う。
「当店の取り組みに共感していただける方を対象に出資も募っています。こんなお店を一緒に育ててみませんか」
おでん酒場るつぼ(中区中町10―10)で中華メニューを担当し、2023年7月に姉妹店を開いた。
「広島や東京の中華料理店で修行し、特にチャーハンを作るのが好きだった。ラーメンやカレーなどのように専門店があれば面白いと思い、ずっとやりたかったのが実現した。1人でできる小規模な店も希望だった」
基本のチャーハンはパラパラしすぎず、しっとり目に仕上げる。塩、こしょう、しょう油といった定番の調味料だけを使ったすっきりした後味が特徴。焼き豚、牛バラキムチ、納豆などの具材でアクセントを加える。ラー油から手作りする麻婆あんかけは、だれもが食べやすいように辛さを控えめにしているという。
「メニューにバリエーションが欲しくて季節の食材を使った月替わりメニューを作ったら、月始めに毎回来店してくれる常連さんも。角煮と栗、鶏肉と白菜のゆずあんかけなど具材の組み合わせを考えるのは楽しい。お客さんにも飽きずに楽しんでもらいたい」
広島電鉄の鷹野橋電停近くのつけそば店「麺鮮醤油房 周月」2号店で、2023年2月にオープン。濃厚なタレに麺を絡めて食べる「油そば」をメインに提供する。
「麺の香りや味わいにこだわりたいと、鷹野橋店内に設けた製麺所で毎日仕込んでいます。主力のちぢれ太麺に加えて、中広店では特殊な切り刃を使って中心部にあえて芯を残した平打ち麺も用意しました。一層食べ応えがあると好評です」
しょうゆダレには熱処理をしていないしぼりたての生揚げしょうゆやホタテ油を配合。チャーシューやメンマなどの具材にもこだわり、いずれも国産品を使う。自家製ラー油で〝味変〟も楽しめるという。
「タレのベースを白湯(パイタン)スープに変えるなど差別化しており、鷹野橋店と食べ比べされるファンもいらっしゃいます。細部まで手を抜かないことで、唯一無二の一杯が生まれる。〝今日も麺がうまい〟を合言葉に、最高の味を追求し続けます」
旬の材料を生かした和食に加え、10種類程度を用意する釜めしが売り。1月17日、流川から南区上東雲町5―6に移転オープンした。
「入居していたビルの老朽化などを受けて決断。席数が増え、ゆったり過ごしてもらえるようになりました。前の店の特徴だった、かがまないと入れない低い間口と丸形の窓枠は、あえて新店でもテーブル席で再現しています」
ランチには2000円前後の釜めし定食のほか、4800円の「うにの釜めし定食」なども。夜は野菜、魚介、肉といった多様なメニューをそろえ、ドリンクの種類もビールから日本酒、ワインなど幅広い。コース料理は6500円から対応し、釜めしの中身によって8500円などのプランもある。
「繁華街から離れてしまいましたが、変わらず来てくれる常連さんもいてありがたい。近所の人と話していると、この辺りは酒を飲める店が少なかったという声も聞いています。新しいお客さまとの出会いに期待。飲まない方には駐車場2台分も備えています」
飲食やアパレル店長を経験した代表が、昨年11月に開いた創作和食店。午後9時までは彩り豊かな日替わりのおまかせコース(8800円)だけで、以降は一品メニューも扱う。
「北広島町の契約農家の野菜や垰下牛など県産を中心に、和食店に20年以上勤めた磯部正之大将が目利きした旬の新鮮な食材を使用。刺し身、焼き物といった定番に加え、和食の要素を採り入れた肉まん、手作りケーキなど創意工夫を凝らし、何度来ても新しい味に出合えます。約20種から料理に合わせて薦める日本酒も好評です」
接待や記念日のほか、女子会の利用も多い。価格以上の満足度を提供したいと、一人一人に合わせたきめ細かい接客を心掛ける。
「店名の通り、心に響く料理やおもてなしを心掛け、お客さまに〝口福(こうふく)〟を届けたい。末永く愛される店に育て、ゆくゆくは多店舗展開できればうれしい」
今後、数量限定のすしコースなども始めたいという。
2023年4月に開店した創作料理店。イタリア料理の技法をベースに、イタリアワイン(850円〜)や日本酒(750円〜)に合う品を提供する。キノコのテリーヌ(900円)以外に固定メニューはなく、下処理が丁寧な青森の魚屋から届く魚介類、北広島のささゆりポークなど幅広い食材を客の要望に合わせ即興で調理する。
「イタリアンはもともと郷土料理が多いので、ローマワインとカルボナーラのようにその土地の酒と料理を合わせると当然おいしいのですが、清酒『宝剣』とパセリソースを添える穴子のローストといったペアリングもお勧め。酒のうまみが料理を引き立てます」
カラスミ、スルメイカ「ワタ」の塩漬け、調味料など何でも自身で作る研究家。24年は1200種近いワインを飲んだほか、イタリアを縦断して朝のエスプレッソ、ランチのワインなど食事を楽しむ文化を学んだという。
「ペアリングなど新しい気付きを面白がってもらえれば。人生が豊かになるような酒と料理を広めたい」
輸入車販売のバルコムグループで飲食事業のバルコムエミュー(安佐南区中筋)が営むお好み焼き店。鉄板焼き「鉄ぱん屋 弁兵衛」のセカンドブランド店に位置付け、昨年12月23日にオープンした。
「当社が育ててきた弁兵衛の味をよりカジュアルに楽しんでもらいたい。23席の小型店として気軽に立ち寄れる〝町鉄板〟をコンセプトに、周辺の会社員や、観光客を意識したメニューをそろえました。少し辛めの特注ソースを使うお好み焼きは飲んだ後の締めにもお薦めですよ」
県産カキを盛り付ける「広島牡蠣スペシャル」(1780円)や大豆で作った代替肉ソイミートを使う「ヴィーガンスペシャル」(1580円)といったお好み焼きのほか、しょうゆベースの甘辛いタレを絡めた「骨付き鉄ぱん豚カルビ」(480円)など、おつまみメニューも充実させる。
「お客さまとの距離感やつながりを大切に、週に2回以上訪れたくなる店づくりを目指します」
昨年12月でオープンから10年目を迎えた隠れ家的な創作イタリアン。チーズとパスタに力を入れており、「ブッラータチーズのボロネーゼ」、「黒トリュフのクリームパスタ 」などを提供する。
「ほとんどのお客さまがご注文くださる『名物!炎のリゾット』は、大きなチーズの器でフランベしてから、お客さまの目の前で仕上げます。ダイナミックで迫力満点の調理法にご注目ください」
日常使いからデートや女子会、貸し切りでの会社の集まり、記念日まで、さまざまなシーンで選ばれる店を目指し、メニューを工夫。コースやアラカルトに加え、前菜が食べ放題のビュッフェ形式や、世界のチーズの食べ放題などのオプションを用意する。
「食べ放題用のチーズは羊のミルクが原料で濃厚なコクが特徴のペコリーノなど約7種類を用意。オリーブオイルや蜂蜜を付けたり、卓上のロースターでトロッと溶かしたりと思い思いに楽しんでもらいたい」
昨年10月に開店した和風居酒屋。和食歴30年以上の料理長が魚料理や串焼きを中心に、酒が進む銀ダラ串西京焼き、地鶏の塩こうじ焼きなど素材の味を生かす料理に力を入れる。
「人気の『蟹の甲羅揚げ』(1200円)はカニのほぐし身をオリジナルのホワイトソースに絡めて甲羅に入れ、パン粉を付けて油で揚げています。グラタンのようですが意外とさっぱりして日本酒とも好相性。私の一押しは地穴子の刺身と地酒『龍勢』との組み合わせです」
酒は県産レモンのサワー「太陽の雨音」や県内外の日本酒、ウイスキーなど50種以上を幅広く用意する。飲み放題付きコースは刺身、揚げ物、焼き物など6品で6000円〜。8000円以上のコースは日本酒、ワインのラインアップが増える。
「1人から大人数まで対応可能なので、気軽にふらっと立ち寄ってもらえたら。18人以上で貸切もできます」
向かいには今年15周年を迎える姉妹店「瀬戸内彩食いづみ」も。
会員制クラブで、大人のお洒落な会話を楽しむ上質の社交場がコンセプト。和洋中の食事やピアノバーも人気を博し、ルッソビル全体で「快適」「情緒」「わがまま」「遊び」をキーワードに、ぜいたくな空間を提供する。
「コロナ前にママに就任し皆さまから『大変なときこそ笑顔だよ』と声を掛けていただき、とても励みになりました。その貴重な経験を胸に、お客さまと過ごす充実した日々の有り難さを実感しています。大切なご接待でも仲良しの方々とのご来店でも息抜きの場であり、特別感を抱いていただけるお店づくりに奮闘中です」
頑張り屋な性格で、日頃から旬の話題にアンテナを張る。家庭菜園や料理にも挑戦。スポーツ観戦が好きで、昨年は初優勝したドラフラや、首位争いに食い込んだカープとサンフレの話題で盛り上がったよう。
「地元プロの活躍と同じように、歓楽街のにぎわいは広島全体の元気に関わると思います。新年もヒロコシグループ一丸となって盛り上げたいですね」