広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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特集記事― FEATURE ―

特集やピックアップ記事を紹介。

  • 2024年7月25日号
    マツダ 設備投資と研究開発に最高額計画

    マツダ(毛籠勝弘社長)は2025年3月期に、確認できる1997年3月期以降でそれぞれ最大となる設備投資1700億円、研究開発費1600億円を計画する。「CX-60」など高収益な新シリーズ「ラージ商品」(比較的車体が大きく馬力のあるSUV)の増産や電動化などに充てる。  特に北米市場の販売好調を受け、米国アラバマ、メキシコ、日本の各工場で増産する。ラージ商品は3列シート車「CX-80」と北米向け「CX-70」のプラグインハイブリッド(PHEV)搭載モデルを加える。また、北米市場で「CX-50」にハイブリッド(HEV)の導入も計画。EV市場が拡大する中国では、協業先の技術を活用したバッテリーEV(BEV)とPHEVを設定する新型車「EZ-6」を年末までに投入するなど反転攻勢を図る。

  • 2024年7月18日号
    中四国企業で初の会長に 業界全体で協力関係構築へ

    スーパー、百円均一ショップなどチェーンストアを営む小売業が加盟する業界団体。中四国の企業から初めて会長に就いた尾﨑氏は、メーカーや卸、物流といった他業界とも連携し、人手不足、物価高騰など業界の課題に立ち向かう構えだ。協会の事業方針や業界の展望などを聞いた。 -協会の概要は。
     1967年に発足し、通常会員47、特別賛助会員20、賛助会員373社(4月19 日現在)で構成する。チェーンストアの健全な発展と普及、小売業の経営の改善を通じて、消費者の生活の向上に寄与することを目指している。
    -どのようなことに取り組みますか。
     人口減によるマーケットの縮小、働き手の不足、エネルギー・物価高、円安、環境問題への対応など山積する課題に対して、各社の意見、知見を集めて最適解を導き出し、法律・税制に関する要望など政府への働き掛けも行っていく。

  • 2024年7月11日号
    マテリアルゲート 新しいメモリ素材のラボ開設

    広島大学発ベンチャーのマテリアルゲート(中野佑紀社長)は6月、コンピューターメモリの消費電力を約90%削減できる新素材「単分子誘電体」のラボラトリーを同大学インキュベーションオフィス(東広島市鏡山3-10-31)に開いた。7月10日までにファンドから1億4000万円を調達し、資本性ローン2000万円を受けるなど体制を整備。既に複数の大手メーカーと協業が決まり、まずは2025年までの薄膜コンデンサ(蓄電器)市場参入を計画する。  隣り合う2室計100平方㍍を借り、「材料ラボ」と「デバイスラボ」にした。精製装置や合成炉、顕微鏡などを置く。同社は分子設計や特性のカスタマイズ、成膜や微細加工、デバイス設計などのコア技術を持つ。ラボと協力先を合わせて現在の年間生産力は数万個。研究員とエンジニア各1人が新たに入社し、大学院の協力者含めスタッフ約10人。単分子誘電体を開発した同大学大学院の西原禎文教授が最高科学責任者を務めている。会社設立は23年6月19日で、資金調達によって300万円から7300万円に増資。

  • 2024年7月4日号
    県内の商業施設 体験型遊戯場の開業相次ぐ

    県内の商業施設で体験型アミューズメント場の開業が相次いでいる。自然と環境をテーマにした学びの提供や、拡張現実(AR)技術を用いるなど、各店は違いを打ち出す。子育て世代などの「コト消費」需要を掘り起こして来店を促し、商業施設全体への波及効果を狙う。  エディオンピースウイング広島(中区)そばで8月1日に開業する商業施設ヒロパの一画には、カーゾック(三重)が木育をテーマにした「kiond(キオンド) ひろしま」を開く。0〜6歳が対象で、三重に次ぐ2店目。木製のジャングルジム(写真)や滑り台、おもちゃを置くキッズプレイパークに加え、ライブラリーカフェ、木質生活雑貨の販売スペースも備える。箸づくりや伝統工芸が学べる体験イベントも計画。1号店の2023年来場者数は約16 万人で、それ以上の利用を見込んでいる。

  • 2024年6月27日号
    提携強みにモデルチェンジ 都市型住宅立地の商圏地固めへ

    2015年10月に地場流通大手イズミと資本・業務提携し、来年で10年目を迎える。商品仕入や物流、システム、カードなどイズミのインフラとスケールメリットで、店舗の運営力を引き上げている。6月1日付で会長から現職に戻り、さらに10年後を見据える。事業環境が激変する中、出店戦略や店舗運営などを中心に経営方針を聞いた。 -近年、スーパー業界で再編統合が加速している。競争激化に打ち勝つ経営戦略をどう描いていますか。
     当社が店舗展開する地域でも他エリアからの新規参入が目立つほか、CVSやドラッグストアなど業態の垣根を超えた競争も一段と激化している。

  • 2024年6月20日号
    再建の道筋つくる 社員のマインドを重視

    1917(大正6)年に日本で初めて市販用を発売し、国内ヨーグルトメーカーの先駆者として知られるチチヤス。レジャー産業参入など多角経営が裏目に出て、不動産事業で多額の負債を抱え2011年、伊藤園の完全子会社となり再建の途に就く。2014年7月、代表権のある副社長に就任。18 年5月、現職。精力的に社内改革を進め、財務の健全化が図られたことから、生え抜きの久保貴義取締役へ経営のバトンを託す。地縁も人脈もない中での老舗企業の再生を請負った覚悟とその成果を振り返ってもらった。
    -業績回復の手応えについて。
     就任してなかなか結果は出なかった。まず、本当に必要な業務かを見直し、例外は設けず、人員の配置換えなどを進めた。地元の老舗企業には安定を求め〝寄らば大樹〟の意識が芽生えがちで、「今まで通りでいい」という風潮もあった。

  • 2024年6月13日号
    広島を重要視、グループ総合力発揮 脱炭素・船舶融資など強化

    -就任の経緯と抱負をお聞きします。
     山口フィナンシャルグループの本部で営業や戦略を担当し、昨年6月からもみじ銀行の専務を兼任しており、頭取就任は年明けに山口フィナンシャルグループの椋梨敬介社長から言われました。椋梨社長も山口、広島、九州北部の営業エリアの中で、広島エリアの重要性を認識しており、「広島でしっかり結果を出してほしい」と託されました。専務として「もみじ銀行にはまだまだ広島でやれることがある」と思っていたので、これからも広島経済の発展に専念します。お客さまの話をしっかり聞き、融資だけでなくグループ会社のサービスを提供するなどして支持を高めたいですね。
    -マイナス金利解除の対応は。
     金利への対応はどこの銀行でも共通の課題です。現場で金利の上昇を体験した人がほとんどいないのが実情で、法人、個人の営業担当者が勉強会などで「金利が上がるとはどういうことか」、「金利上昇局面でどうお客さまに寄り添うか」などを学んでいます。

  • 2024年6月6日号
    事業開発支援のレリック(東京)インキュベーションスタジオ開設

    新規事業開発支援などのRelic(東京、北嶋貴朗社長)は5月28日、県内初拠点「広島インキュベーションスタジオ」をJR広島駅前の広島JPビルディング10階に開いた。国内14カ所目。県内の産学官連携を推進し、イノベーション創出に向けた人材の発掘や育成に力を入れる。
     面積138平方㍍にスタッフ3人とインターン生1人の合計4人が勤務する。SaaS型プラットフォームで新規事業開発での課題を解決するインキュベーションテック事業を強みに、起業家やイノベーターの創出拠点を目指す。他に事業戦略の立案から実行までを総合支援するほか、オープンイノベーション事業ではスタートアップへの投資や共同事業も行う。また開設前から、広島大学が中心となって運営する中四国地域の起業活動支援プログラム「PSIアントレプレナーシップ委員会」や、同大学が産学協同研究などを推進する「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」に参画している。

  • 2024年5月30日号
    売上高が過去最高を更新 工場新設しスマート化へ

    日本製鋼所広島製作所は、2024年3月期の売上高が過去最高を更新した。全社でのグループ売上高3000億円を前倒しで達成し、4月から新中期計画が始まった。生産能力増強と生産効率化のため、造粒機や二軸混練押出機などの第10組立工場を着工し、今年12月の完成を予定する。造粒機など樹脂製品機械の部材加工の新機械工場も建設中で、自動搬送機などを導入するスマートファクトリー化に取り組む。24年4月に就任した二宮俊幸常務理事所長に、就任の抱負や運営方針、設備投資の状況などを聞いた。
    -就任の抱負をお聞きします。
     広島製作所の売上高は23年3月期に1520億円となり、24年3月期は1536億円と過去最高を更新しました。33年度に全社グループ売上高5000億円を目標にしており、24年4月からスタートした新中期計画は28年度までの中間期の位置付けになります。広島製作所は射出成形機、押出機・造粒機、フィルム・シート製造装置の主力製品の生産増と、昨年倉庫を新設した防衛機器関連の特機部門の増産対応が命題になります。
     材料、エネルギー費が値上がりする中で、生産性の向上などの収益力強化が課題になっており、設備投資を含めた工場の再構築、DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入などに取り組んでいます。

  • 2024年5月23日号
    7年ぶり社長交代 電力事業を新成長戦略の柱に

    松藤研介会長からバトンを受け継ぎ、4月1日付で社長に就いた。社長交代は約7年ぶり。4月策定の中期経営計画では電力事業を新たな成長戦略の柱に位置付け、イノベーション創出を目指す。2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みなど、展望を聞いた。
    -就任の抱負は。
     身の引き締まる思い。「地域社会から信頼される会社をめざす」という経営理念を踏襲し、その信頼をさらに深めていきたいと考えている。
     グループの中期経営計画ではガス事業の「深化」、イノベーションの「創出」、経営基盤の「強化」の三つを柱に据えた。ガス事業では石油や石炭などを使っている企業などに向けて天然ガスやLPガスへの燃料転換を提案し、低炭素化のお手伝いをしたい。将来的には現在の都市ガスの原料である天然ガスをCO2と水素から合成するカーボンニュートラルメタンに置き換え、「ガス自体の脱炭素化」に取り組んでいく。

  • 2024年5月16日号
    敏腕マーケターの新たな挑戦 アヲハタのブランド価値向上へ

    マーケターとして、カルビー勤務時代に長らく30億円台で頭打ちが続いていたシリアル食品「フルグラ」の売り上げを5 年間で約10倍に急成長させた。アヲハタ入社の経緯や今後の目標について聞いた。
    -カルビー勤務時代にシリアルを日本に浸透させました。
     長らく30億円台で頭打ちが続いていたシリアル食品「フルグラ」の年間売り上げを最低でも100億円に伸ばすことが私の使命でした。そこでマーケティングのやり方を従来とは大きく変え、250億円のシリアル市場ではなく、17兆円の朝食市場をターゲットに据えて「グラノーラ」という新カテゴリーを創出する戦略を採りました。世の中で一番朝食に困っているのは子育て中の働く女性だと考え、子どもに出しても手抜きの罪悪感を感じないブランディングを意識しました。

  • 2024年5月9日号
    東広島に国内最大級の壁紙工場 サンゲツ子会社、85億円投資

    インテリア資材の大手商社サンゲツ(名古屋市)の完全子会社で、住宅用などの壁紙を製造する。東広島市高屋台の県営高屋東工業団地に国内最大規模となる壁紙工場の建設を進めている。井上弘一社長に広島進出の背景や工場の概要、今後の展望などを聞いた。
    -工場を新設する背景は。
     住宅内装用の壁紙には大きく分けて、分譲マンションや賃貸物件向けの「汎用品」と、消臭や汚れ防止などさまざまな機能の付いた注文戸建て向けの「一般品」の2種類がある。国内の住宅着工数は伸び悩んでいるが、最近では一般品に限られていた機能が汎用品に付加されることで汎用品の需要が増大しており、業界全体で汎用品の供給余力が不足している状況だ。