広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
福山に2店舗を構えるステーキ丼専門店で、6月1日に市内初出店した。一番人気の「ステーキ丼」(1350円)は脂が少なく柔らかい赤身〝牛さがり肉〟を香ばしく焼き、オニオンチップをたっぷり使ったライスの上に盛り付ける。サラダ、みそ汁、小鉢2種などが付く2000円の定食もそろえる。
「牛さがり肉は筋が多く下処理に時間がかかる部位ですが、毎日店内で丁寧に調理。しょうゆベースのタレにわさび、三つ葉を添え、ガッツリながらも飽きない味付けです。そのほか〝よそでは食べられない〟をコンセプトに数種類の丼メニューを用意。老若男女に好評で、ランチタイムには女性のお一人さまもご来店くださります」
テイクアウトに対応。夜は馬刺しや牛すじ煮込みなど酒に合う単品料理に加えビール、地酒、焼酎など40種類近いドリンクを用意し60分1300円などの飲み放題も提供する。
「おいしい肉を食べると元気が出る。腹いっぱい食べたい日や仕事終わりの一杯にもぜひどうぞ」
湯来温泉街でイタリアンバルだった店を引き継ぎ6月、地元のジビエと県産カキがメインのカフェ&バーとしてリニューアルした。
「地元の野菜やこんにゃくを使ったサラダ、みそ汁、ミントをたっぷり使ったモヒートなど当店に足を運べば湯来を存分に楽しめます。間近で川のせせらぎが感じられるバルコニーでは、イノシシ肉の炭火焼きも提供。脂身がありながらもさっぱりとした味わいで、油っこいのが苦手なお客さまからもおいしいと好評です」
結婚を機に移り住んだギリシャでは、地の物にこだわる料理の考え方に感銘を受けたという。
「知人の紹介がきっかけでこの地を知り、ギリシャと時間がゆったり流れるところが似ていて居住を決意。右も左も分からず不安だらけでしたが、来店時に住民の方から花を頂くなど、人が温かく、この町と出合えて本当に良かったです。今後は湯来に恩返しをするために仕入れ食材を一層増やし、地域に根付いた店を目指したい」
重厚で落ち着いた雰囲気の会員制ラウンジ。15周年を迎え、11月13〜15日に記念イベントを開く。
「この日を迎えることができたのはお客さまのご愛顧があったからこそ。また皆さまのお顔を見られる日常が戻ってきて、本当に幸せです」
店内にはカウンター席とボックス席に加え、個室も完備。ゆったりとした時間を楽しめる空間づくりを心掛けているという。
「どんどん新人が入ってきていて、20〜40代と幅広いスタッフが在籍。人手不足に悩むお店が多い中、賢くて優しい良いスタッフに恵まれました。最近はお客さまの層も少しずつ変わっていますが、会員制だからこそ、皆さん穏やかで気軽にお話ししやすい雰囲気ですよ」
年明けに誕生日を迎えるママ。
「来年還暦を迎えます。介護と日常の忙しさに追われながらも、充実した毎日を過ごしています。大変なことも多いですが、お客さまとの時間が私の元気の源です」
広島駅弁当グループが2017年、広島駅内に開いた。広島の玄関口でカジュアルにすしを楽しめる。「瀬戸内の魚、季節の食材、地酒にこだわっています。日替わりの『瀬戸内特選にぎり』が一番人気。グループの名物でもある穴子料理も当店独自の味で自慢の一品です」
開店当初は観光・インバウンド向けを想定したが、コロナ禍の中でも通った地元客への丁寧な接客、メニューの工夫を徹底し続け、現在では地域の常連客が全体の半分を占めるという。
従伯父が和食店を営んでおり、その姿に憧れた。広島酔心調理製菓専門学校を卒業後、和食店を5年経験し入社した。
「愛がないと、おいしいものは作れないという従伯父の言葉を信念に持ち、家族に料理を作るように、仕込み・調理・サービスなど全ての工程に愛情を注ぐことを大切にしています。グループの本店、仕出しなど、ブランディングにも力を入れ、あじろやはおいしくて安心と思ってもらうのが使命です」
リバイバルでZ世代にも人気が出ている70〜80年代の昭和歌謡を流すバー。アメリカンダイニングバー・ケンビーズ2階を改装し、新店舗として10月5日に開店した。
「もともと山口百恵など70年代アイドルの歌が好きでよく聴いていた。会社員で東京勤務の時、昭和歌謡のレコードをかける居酒屋があり、皆が曲に合わせて振りを付けて一緒に歌ったりして盛り上がる様子に、こんな店が広島にあればとずっと思っていた。今回オーナーから改装の話を聞き、コンセプトを提案して賛同してもらった」
壁には当時を知る世代には懐かしいレコードジャケットを並べ、約4000曲を用意。アナログレコードの温かみのある音でリクエスト曲をかける。自家製クラフトビールやフードなど、1階と同じメニューを提供する。
「昭和歌謡は音楽と共に歌詞も味わい深い。BGMとして雰囲気を楽しんだり、曲を聞いた頃の思い出話をさかなに飲んだり。また、異なる世代の会話のきっかけになればうれしい」
飲食店情報サイト運営のぐるなび(東京)が8月、ヒロパ内に開いた。店舗開発事業を加速し、全国8カ所目。子育て世代を主対象にした初のカフェ・ダイニング業態で、全面ガラス張りの開放感のある空間に、ゆったり過ごせる小上がりなどを設けた。
「カレー店『シバカリーワラ』(同)、タイ料理店『ティーヌン』(同)などの有名店からレシピや半調理品の提供を受けて直営。お客さまを待たせることなく本店と同じ味を出せるよう、加熱時間や温度を工夫している」
本業の知見を生かして開発したオリジナルメニューも用意。女性に人気の色鮮やかな「エスニック和え麺」、韓国発祥のスイーツ「クロッフル」などをそろえる。人気の牛タンシチュー、グラタンなどを一度に楽しめるプレートも10月から始めた。
「サッカーの試合のない日の集客が課題。1日100人の来店を目指し、近隣の施設や店と連携してイベントやキャンペーンをしていく。テイクアウトやインバウンド向け商材も充実させる」
中区の並木通りに面する「いいかげんや」店長など、焼き鳥で20年近い経験を持つ店主が独立。8月1日にオープンした。
「以前の店は気軽に利用できる雰囲気でしたが、より味にこだわるために事前予約制、料理は5500円のコースのみとしています。7本程度の串のほか季節の野菜、鶏のだしで作る雑炊などを提供。地鶏は名古屋コーチンと鹿児島の黒さつま鶏です。例えば一般的にモモと呼ばれる部位でも、当店では5種に細分化。希少部位も扱っており、味の違いを感じてもらいたい。串は追加の注文も承ります」
ドリンクは鶏との相性で厳選したワインやウイスキーなどをそろえ、特に秋田の日本酒「新政」は希少な銘柄という。炭は最高級とされる和歌山の紀州備長炭を主に使用。カウンター10席からは焼き場が見え、目や香りでも楽しめる。
「上質で落ち着いた空間がコンセプトで、接待にもぴったり。満席となることも多く、早めの予約がお勧めです」
バルコムグループで飲食事業のバルコムエミュー(安佐南区中筋)が運営する居酒屋。昼はとんかつやトンテキ定食を提供し、近隣のサラリーマンでにぎわうという。観光や出張需要を一層取り込みたいと、テーブル席を拡充してつまみメニューを刷新し、8月にリニューアルオープンした。
「一押しは、店内で0.01ミリの薄さに削った枕崎産かつお節をふんだんに使う『削節つゆしゃぶ』。削りたてをつゆに浮かべることで風味が増し、豚肉に絡めて食べると格別です。お酒との相性も抜群で、日本酒とレモンを割った専用の清酒ハイボールとのマリアージュも楽しんでほしい。かつお節や肉のうま味が詰まったつゆは、日本そばで締めるのがお勧めです」
豚や鶏などの串焼きに加え、カキフライ、コウネ焼き、がんすといった広島ならではのメニューも充実させる。
「お客さまに気持ち良く過ごしてもらうため、感謝の気持ちで丁寧に接客するといった凡事を徹底し、長く愛される店づくりにまい進します」
1975年、両親が「鳥串一代」を開店し、18年前に継いだ時に屋号・内装を一新した。内装デザインは鳥串一代の時にアルバイトをしていた縁から、懇意にする建築家の谷尻誠氏が手掛けた。薄暗くてバーのような雰囲気の焼き鳥屋は当時斬新で珍しく、女性客が約6〜7割と多い。
「幼少期からこの店で過ごして将来は継ぐものと思い、20代はあえてアジア、伊・仏など洋食屋に勤め、あらゆる料理を勉強。〝はみだしメニュー〟と称し、鶏ささみカマンベールチーズなど、洋と串を掛け合わせた独自メニューも提供しています」
鮮度を一番に考え、安芸高田市高宮町の鶏肉を仕入れる。タレには江田島のタママス醤油を、塩は高知の天然塩を使うなど、2代目独自のこだわりを出す。鶏皮の味噌煮込みは両親の味を引き継ぎ、人気の定番メニューという。
「長く店を続けるためには、日々の積み重ねが大切。鶏料理と向き合い、変えないものと変えていくものとを見極めながら、試行錯誤を続けたい」
自家製だしで素材を生かした、具だくさんのみそ汁とおにぎりに定評のある創作和食店。水〜土曜の午前7時半〜9時は旅館をイメージする定食「永山の朝ご飯」(1500円〜)を用意。ぬか漬け入りの豚汁など数種類から選べるみそ汁、焼き魚、茶わん蒸しなどが付く。主に観光客向けで、涼しくなる秋から本格的な集客を図る。
「ぬか漬けは腸活に良いとされ、朝食にぴったり。昼は季節の野菜を使った選べるみそ汁とおにぎりの定食を提供し、秋は『里芋、さつまいも豚バラの豆乳味噌汁』(1900円〜)などの期間限定メニューを出します」
夜は旬の食材を使い、日本酒に合う刺身や天ぷらのほか、客の好みに合わせて味付けや調理法をアレンジする一品を用意。素材のうまみを最大限に引き出す。
「秋には北海道の黒王カボチャや、大阪府富田林産エビイモを使います。家で作れそうで作れない、シンプルながらも少し変わった料理で、お客さまに驚きと感動を与えたい」
8月20日にオープンした小料理店。白を基調に木のぬくもりを感じられる店内は、モザイクタイルを使い明るくかわいらしい内装を目指した。
「私もお酒と食べ歩きが大好きで、店名には『点と点が交わる交差点のような場所』という意味を込めました。お一人さまも大歓迎。ほかのお客さんやスタッフとの会話が楽しめるような居心地の良さをつくりたい」
女性だけで店を切り盛りし、同世代の女性や40代以上のビジネスパーソンなどをメイン顧客に想定。できるだけシンプルな味付けで、素材の味を生かした料理を提供する。日本酒をはじめ、焼酎やウイスキー、酎ハイなど、アルコールは一通りを用意。
「0次会から飲んだ後の締めまで、いろんな使い方をしていただけたら。流川に飲みに出た際には、思わず顔を出したくなるような、〝心の温かさ〟が伝わるおもてなしを理想にしています。料理はまだ勉強中ですが、ちょっとした小料理でおいしいお酒を一緒に乾杯しましょう」
7月1日にオープンした和食ダイニング。西区三滝町に構える料亭旅館「三瀧荘」の姉妹店で、内装は朱赤と漆黒カラーを基調とし、シックで落ち着いた雰囲気とした。夜営業だけで、おでんコースは5500円から、懐石コースは7700円からそろえ、本格的な料亭の味を三瀧荘に比べて割安に提供する。平均予算は1万円。
「トリュフやウニなどを乗せた広島牛カツレツ、穴子の白焼きなど県産食材をふんだんに使った一品をそろえるほか、庶民的フードのおでんも用意。複数の具材を一鍋で煮込むイメージがあるかと思いますが、当店ではベースのだしも各食材に合った味付けをしており、一品ずつ提供しています」
同店は歓楽街に位置することから、宴会や2次会利用などを見込み、最大18人収容可能な個室を別料金なしで用意する。
「じっくり手間暇かけた料理をまずは目で楽しんだ後に口に運び、重層的な味わいと余韻に浸るといった、五感全てで楽しんでいただきたい」