広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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スポーツ応援談― SPORTS TALK―

2022年9月29日号
アルツ / 植木 聖 社長

映画やドラマなどのロケーションコーディネートや映像制作補助、販売促進の企画などを手掛けています。
 2、3軍の若手選手らが暮らすカープ大野寮で30年以上にわたり料理長を務める宮本悦夫君は、広島工業大学高校時代の同級生です。例えば中村奨成選手もそうでしたが、高校や大学を出たばかりの選手たちは細過ぎて、プロの世界で戦える体は出来上がっていません。料理を作ることで、厳しい練習に耐え、試合で結果を出せるプロの体づくりを支えるのが彼の仕事です。そのためにはバランスが良く、おいしいと喜んで食べてもらえるものでなくてはいけません。まさしく陰で若鯉の成長を支える彼の仕事ぶりには「裏方の美学」のようなものを感じます。
 旧市民球場のラストイヤーだった2010年12月。シーズンを終え、球場での最終試合として企画されたOB戦で配られた、球場の砂を入れた小瓶の記念品づくりに携わらせてもらいました。グラウンドから採取した砂を持ち帰り、虫やゴミを省くために全て熱処理を加え、3センチほどの瓶に詰めていきました。相当数があり苦労しましたが、多くの人に喜んでもらえたことが今でも良い思い出です。
 緒方前監督のチームづくりには感心していました。若手を積極的に起用し、育成してきた功績は大きい。プロ野球の選手寿命は短く、たとえ成果が出なくてもまずは起用することが大切。これは民間企業でも同じで、年配者は第一線に居座わらずに、経験を生かして育成に力を注ぐ方がいい。カープに学ぶべきものだと思います。

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