9月5日に繁華街の中区流川町から、広島大学病院近くの南区出汐に店舗を移した。独立開業からちょうど10年の節目と重なり、新天地で新たなスタートを切る。梅元英行店主は、
「もともと接待利用が中心だったが、ここは近所のご夫婦や家族連れなど、真剣に料理を向き合って食べてくださる方が増えた。不安もあるが、目の前のことを精一杯やるだけだ」
食材に細かく包丁を入れ、見た目に美しく仕上げる〝手仕事〟にこだわり抜く。山海や旬の食材を色とりどりに調理し、少しずつ盛り付けた「八寸」は品数が20〜30種類に及ぶことも。提供時に驚きの喚声が上がることもしばしば。夜は原則2組に限定し、満足度を高める。メニューは月替わりコースのみで、ランチと「玉手箱」などの弁当=写真=にも対応する。
「昔からの伝統の料理を守り、とにかく時間と手間を惜しまない。コースは一つ一つの料理が独立しながらも、音楽のように全体が気持ちよく流れることを意識している」