広島大学(越智光夫学長)は今夏、電気自動車(EV)のモーターとインバーターの電磁波に関するEMC試験を行うための高電圧対応電波暗室(EVチャンバー)を同大学デジタルものづくりイノベーション拠点(東広島市鏡山、3月末完成予定)に設置する。世界的にEV開発が進む中、マツダも2030年までに電動化技術の全車種搭載を掲げており、西日本で唯一の専用試験機関として部品メーカーの需要の高まりに対応する。
一部2階建て延べ2031平方㍍の1階に363平方㍍の試験用スペースを確保。EMC試験はガソリン車でも電装品や車載器で実施されているが、EVには従来の車にはない高電圧部品があり、走行条件を再現しながら実施できる特別な設備が必要になる。新施設では実際に400〜800ボルトでモーターやインバーターを動かしながら、電磁波の負荷を掛けることで、誤作動や国際基準を超える電磁波発生の有無を調べる。