広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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特集記事― FEATURE―

2025年4月24日号| ピックアップ
県内高校 企業連携の探究学習が広まる
会社課題をテーマに若年層と接点づくり

県内で企業連携型の探究学習が広がってきた。学習指導要領の改訂で2022年度に高校の必修科目「総合的な探究の時間」が開始。教育現場では専門家への相談やワークショップの機会、実験スペースと道具、資金などを求めて、企業に協力を仰ぎ出した背景がある。企業の採用の観点で言えば、高卒者の就職だけでなく進学者も数年後の就活時には業界・企業研究が必要。売り手市場が続く中、多くの生徒に自社のことを直接的に知ってもらうチャンスとなり得る。
 スタートアップのスタディバレー(東京)は23年度に県内で探究学習サポートを始め、24年度実績は30校、25年度は35校を予定する。初年度は国の補助を受け、24年度は企業の協賛や学校の予算で運営費を賄った。3月には成果発表会を開催。企業の参加は建材メーカーのウッドワン、自動車部品製造のトーヨーエイテックと荻野工業、研削盤などのシギヤ精機製作所、熊野筆の白鳳堂、デニム紡績の篠原テキスタイル、商品企画や創業支援のソアラサービスなど。スタディバレーが各社の課題やテーマを基に解決のヒントを盛り込んだ教材を制作し、各校が班単位で内容を選べるようにした。田中悠樹CEOは「地方の都市は地元就職にうまくつなげられず、転出超過に困っている。このため当社はあえて首都圏ではなく九州や沖縄、東海、中四国などで実施。生徒に地域の魅力や身近な企業を知ってもらいたい」と話す。

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