広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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コラム― COLUMN ―

2025年10月9日号
ウェル認証を申請

米国で生まれたウェル認証が日本でも広まってきた。人に大切な空気、水、栄養、光、運動、温熱快適性、音、材料、こころ、コミュニティの10のコンセプトに沿って審査基準を設けている。
 産業機械、空調機器機材など機械商社のビーテックは9月16日、中区大手町から西風新都の安佐南区大塚西に移転し、業務を始めた。これを契機にウェル認証を申請し、来春には取得見込みという。
 新本社屋はアストラムライン大塚駅近くの敷地4086平方メートルに2階建て延べ2217平方メートルを新築。1階に大会議室、倉庫棟などを設置。2階のオフィスは大きな窓を設け、広々と開放感がある。机は1フロアに80席分。ビーテックサービス、中区本川町から移ったシステム計装のグループ3社の社員が働く。
 電動で上下し立ったままで業務が可能な机、キッズルームを導入。会社補助で健康に配慮した冷凍食品や飲料などを用意する。垰田実社長は、
「アストラムラインやバスの公共交通機関から徒歩10分圏内、ワンフロアを広く使えることで用地を選定。業務効率を高め、設計施工、環境改善等の新規事業などで社員間のコミュニケーションがとりやすくなります。駐車場は社員分含め現在80台分を確保。計100台分以上になるよう周辺で整備しています」
 座りっぱなしが続くと寿命が短くなるというデータがあるという。立っても座ってもデスクワークを可能とし、採光などに気配りした。
 1951年2月に父の明氏が中区本通(当時の播磨屋町)で「新東洋貿易」を創業。60年に「新東洋」に社名変更し、76年に創業25周年記念事業として西区庚午北に自社ビルを建設し移転した。87年に「ビーテック」に社名変更。
 2000年の50周年記念事業で中区大手町の7階建てビルを購入し移転した。82年に空調自動制御部門をシステム計装として分社化。93年には空調機器修理・部品販売部門をビーテックサービスに分社化。95年には中国に合弁の大連ビーテックを設立し、中国事業を展開するなど業容を拡大。来年に75周年を迎える。
「オイルショックやバブル崩壊、リーマンショックなどを何とか乗り越え、多くの取引先に引き立てられことが大きい。経済、社会環境の変化に対応して工夫しながら今日に至っています。過去の成功体験や価値観に縛られない、柔軟に対応し続ける経営を目指しています」
 25年3月期の連結売上高は84億円。いまは100億円規模を目標に置く。
 18年に女性営業職の採用を始め、現在5人のチームで空調機のフィルター販売保守事業を行う。システム計装は新規事業として省エネ・省CO2の課題解決を図る「環境ソリューション事業」に注力する。パナソニックを窓口にウェル認証を申請中。
「健康経営やSDGs経営などウェルビーイングの観点で、職場環境や労働環境を整備。就業規則にもフレックスタイム制の適用、勤務間インターバル・連続勤務の制限、職業訓練制度・関連資格取得の授業料補助、産業医の定期的面談などを盛り込みました。企業経営で人の大切さを実感。働きがいのある職場環境を整備していきます」
 人的資本投資で企業価値を高め、社員のエンゲージメントも向上。採用活動にも生かせる。基本コンセプトに沿って職場を創り、100年へ向かう。

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