広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
今年5月に開店した、和・洋創作料理の居酒屋。翌午前5時まで営業する。和風の店構えにカウンター席中心の落ち着ける店内には、会社が応援する若手ゴルファーの写真が壁面に並ぶ。
「ディナータイムはお酒と楽しむ料理を提供し、午後11時からはバータイムで軽食を用意。2、3次会のほか飲食店の勤め帰りの方に、深夜でも手仕込みの料理が食べられると好評です」
洋食と和食出身の2人が、サーモンのじゃがいもパリパリ巻き、ホタテの塩辛アンチョビ風など、季節の食材を使ってメニューを考案する。
「前日までに予約すれば希望の食材を使った料理もお作りします。味の好みなども気軽に伝えてください」
週替わりのおすすめ日本酒は料理に合う辛口が中心。洋食に合わせてワイン、ウイスキーも数銘柄をそろえる。
「お客さまに喜ばれる店づくりを目指し、深夜まで料理を出せるよう時間交替制を採用した。勤務条件の改善は人手不足解消につながる。若い世代にアピールして料理人を育てていきたい」
9月にオープンしたカウンターだけの小さなカフェ。ドリップコーヒー(500円)、カフェラテ(550円)ほか、手作りの日替わりケーキ(600円〜)やスコーン、フィナンシェなどの焼き菓子を出す。
「店内を彩る椅子やランプは数年かけアンティークショップなどで買いそろえた。イタリアやフランス製の陶器、宮島焼きなど約20種類からドリップコーヒーのカップを選べるサービスを行い、写真映えすると好評です」
代表は3人の子どもを育てながら10数年間、レストランの調理場などで経験を積んだ。女性向けセミナーをきっかけに起業を意識。複数のコーヒー教室で入れ方などを学び、開業を延期したコロナ期間中は製菓専門学校の通信課程で腕を磨いた。
「SNSを見て訪れる20〜60代女性が多い。ゆっくり過ごせる居心地の良い空間づくりと味の追求を怠らず、何度も来たくなる店を目指します」
数年内に地元の庄原にも出店したいと意気込む。
エキニシの1号店「EARTORY(アトリ)」に隣接する2号店として2018年に開店した。1号店のコンセプトが「肉・世界ビール」なのに対し、あとり酒店では2軒目での利用も見込んで、魚・日本酒をそろえる。
「これからはカキがおいしい季節。当店は坂町の業者から殻付きを直接仕入れ、生・焼きガキのほかカキポン酢などを提供しています。日本酒は常時、広島の地酒7〜10種と県外の12種を用意。好きな銘柄を組み合わせる地酒3種の飲み比べセットは観光客に人気なんですよ」
日本全国や世界をバックパッカーとして巡った経験から、旅の楽しさを広めたいという。エキニシ全体を盛り上げようと23年から、はしご酒イベントを企画。来春の広島駅リニューアルに合わせた仕掛けを検討している。
「当店含め4店舗を同じエリア内で営業しています。広島を訪れる人に楽しんでもらえたり、広島から旅に出る人が情報収集に来てくれるような場所にしたい」
4月に夫の劉高福シェフと開店。共に中国重慶市出身で、故郷の味をメインに提供する。夫は2005年頃から市内の中華料理店「老四川」に勤め、稲荷町店では料理長を務めた。「日替わりランチ」(780円)はマーボー豆腐、ホイコーローなど曜日別の主菜1品にサラダ、唐揚げ、スープ、おかわり自由のご飯が付く。
「重慶料理は四川料理の中でも香辛料の刺激が強いと言われます。通常の定食は日本人向けに控えめですが、現地の味付けに変更も可能です。薬味の効果で冬の体を温めますよ」
夜はより本格的な単品メニューを用意。例えば高菜と川魚を煮込む「酸菜魚(スァンツァイユー)」は重慶の代表的料理で、酸味と花椒(ホアジャオ)の辛さにビールが進むという。そのほか重慶火鍋コース(2980円〜)、飲み放題付きコース料理(8品4000円〜)、52品から選べる食べ放題(4500円)も。
「重慶市と友好都市である広島の皆さんに本場の料理を味わってほしい」
住宅街にあるお好み焼き店。先代の宮原勝江さんから事業を引き継ぎ、10月にリニューアルオープン。店名も「福の神」から変更した。
「佐伯区のお好み焼き店に6年ほど勤め、いずれは自身の店を持ちたいと考えていました。縁あって13年にわたり地域に愛されてきた店を任せていただき、身の引き締まる思い。廿日市の原地域で採れた『廿日九条葱』、生エビなどを使う福の神焼き(1400円)といった看板商品のほか、無料のキャベツ大盛りサービスなど、これまで守り続けてきたことを大切にしながら、さまざまなことに挑戦したい」
食感を重視し、キャベツを蒸らしやすいように従来よりも細い千切りに。鉄板の温度も高めに設定した。夜営業に力を入れたいと、日本酒などドリンクの種類を増やし、各種鉄板焼きといった一品メニューも充実させる。
「こうした店は地域の交流拠点としての役割も担っていると思います。コミュニケーションを大切にし、気軽に集える場を目指します」
福山に2店舗を構えるステーキ丼専門店で、6月1日に市内初出店した。一番人気の「ステーキ丼」(1350円)は脂が少なく柔らかい赤身〝牛さがり肉〟を香ばしく焼き、オニオンチップをたっぷり使ったライスの上に盛り付ける。サラダ、みそ汁、小鉢2種などが付く2000円の定食もそろえる。
「牛さがり肉は筋が多く下処理に時間がかかる部位ですが、毎日店内で丁寧に調理。しょうゆベースのタレにわさび、三つ葉を添え、ガッツリながらも飽きない味付けです。そのほか〝よそでは食べられない〟をコンセプトに数種類の丼メニューを用意。老若男女に好評で、ランチタイムには女性のお一人さまもご来店くださります」
テイクアウトに対応。夜は馬刺しや牛すじ煮込みなど酒に合う単品料理に加えビール、地酒、焼酎など40種類近いドリンクを用意し60分1300円などの飲み放題も提供する。
「おいしい肉を食べると元気が出る。腹いっぱい食べたい日や仕事終わりの一杯にもぜひどうぞ」
湯来温泉街でイタリアンバルだった店を引き継ぎ6月、地元のジビエと県産カキがメインのカフェ&バーとしてリニューアルした。
「地元の野菜やこんにゃくを使ったサラダ、みそ汁、ミントをたっぷり使ったモヒートなど当店に足を運べば湯来を存分に楽しめます。間近で川のせせらぎが感じられるバルコニーでは、イノシシ肉の炭火焼きも提供。脂身がありながらもさっぱりとした味わいで、油っこいのが苦手なお客さまからもおいしいと好評です」
結婚を機に移り住んだギリシャでは、地の物にこだわる料理の考え方に感銘を受けたという。
「知人の紹介がきっかけでこの地を知り、ギリシャと時間がゆったり流れるところが似ていて居住を決意。右も左も分からず不安だらけでしたが、来店時に住民の方から花を頂くなど、人が温かく、この町と出合えて本当に良かったです。今後は湯来に恩返しをするために仕入れ食材を一層増やし、地域に根付いた店を目指したい」
重厚で落ち着いた雰囲気の会員制ラウンジ。15周年を迎え、11月13〜15日に記念イベントを開く。
「この日を迎えることができたのはお客さまのご愛顧があったからこそ。また皆さまのお顔を見られる日常が戻ってきて、本当に幸せです」
店内にはカウンター席とボックス席に加え、個室も完備。ゆったりとした時間を楽しめる空間づくりを心掛けているという。
「どんどん新人が入ってきていて、20〜40代と幅広いスタッフが在籍。人手不足に悩むお店が多い中、賢くて優しい良いスタッフに恵まれました。最近はお客さまの層も少しずつ変わっていますが、会員制だからこそ、皆さん穏やかで気軽にお話ししやすい雰囲気ですよ」
年明けに誕生日を迎えるママ。
「来年還暦を迎えます。介護と日常の忙しさに追われながらも、充実した毎日を過ごしています。大変なことも多いですが、お客さまとの時間が私の元気の源です」
広島駅弁当グループが2017年、広島駅内に開いた。広島の玄関口でカジュアルにすしを楽しめる。「瀬戸内の魚、季節の食材、地酒にこだわっています。日替わりの『瀬戸内特選にぎり』が一番人気。グループの名物でもある穴子料理も当店独自の味で自慢の一品です」
開店当初は観光・インバウンド向けを想定したが、コロナ禍の中でも通った地元客への丁寧な接客、メニューの工夫を徹底し続け、現在では地域の常連客が全体の半分を占めるという。
従伯父が和食店を営んでおり、その姿に憧れた。広島酔心調理製菓専門学校を卒業後、和食店を5年経験し入社した。
「愛がないと、おいしいものは作れないという従伯父の言葉を信念に持ち、家族に料理を作るように、仕込み・調理・サービスなど全ての工程に愛情を注ぐことを大切にしています。グループの本店、仕出しなど、ブランディングにも力を入れ、あじろやはおいしくて安心と思ってもらうのが使命です」
リバイバルでZ世代にも人気が出ている70〜80年代の昭和歌謡を流すバー。アメリカンダイニングバー・ケンビーズ2階を改装し、新店舗として10月5日に開店した。
「もともと山口百恵など70年代アイドルの歌が好きでよく聴いていた。会社員で東京勤務の時、昭和歌謡のレコードをかける居酒屋があり、皆が曲に合わせて振りを付けて一緒に歌ったりして盛り上がる様子に、こんな店が広島にあればとずっと思っていた。今回オーナーから改装の話を聞き、コンセプトを提案して賛同してもらった」
壁には当時を知る世代には懐かしいレコードジャケットを並べ、約4000曲を用意。アナログレコードの温かみのある音でリクエスト曲をかける。自家製クラフトビールやフードなど、1階と同じメニューを提供する。
「昭和歌謡は音楽と共に歌詞も味わい深い。BGMとして雰囲気を楽しんだり、曲を聞いた頃の思い出話をさかなに飲んだり。また、異なる世代の会話のきっかけになればうれしい」
飲食店情報サイト運営のぐるなび(東京)が8月、ヒロパ内に開いた。店舗開発事業を加速し、全国8カ所目。子育て世代を主対象にした初のカフェ・ダイニング業態で、全面ガラス張りの開放感のある空間に、ゆったり過ごせる小上がりなどを設けた。
「カレー店『シバカリーワラ』(同)、タイ料理店『ティーヌン』(同)などの有名店からレシピや半調理品の提供を受けて直営。お客さまを待たせることなく本店と同じ味を出せるよう、加熱時間や温度を工夫している」
本業の知見を生かして開発したオリジナルメニューも用意。女性に人気の色鮮やかな「エスニック和え麺」、韓国発祥のスイーツ「クロッフル」などをそろえる。人気の牛タンシチュー、グラタンなどを一度に楽しめるプレートも10月から始めた。
「サッカーの試合のない日の集客が課題。1日100人の来店を目指し、近隣の施設や店と連携してイベントやキャンペーンをしていく。テイクアウトやインバウンド向け商材も充実させる」
中区の並木通りに面する「いいかげんや」店長など、焼き鳥で20年近い経験を持つ店主が独立。8月1日にオープンした。
「以前の店は気軽に利用できる雰囲気でしたが、より味にこだわるために事前予約制、料理は5500円のコースのみとしています。7本程度の串のほか季節の野菜、鶏のだしで作る雑炊などを提供。地鶏は名古屋コーチンと鹿児島の黒さつま鶏です。例えば一般的にモモと呼ばれる部位でも、当店では5種に細分化。希少部位も扱っており、味の違いを感じてもらいたい。串は追加の注文も承ります」
ドリンクは鶏との相性で厳選したワインやウイスキーなどをそろえ、特に秋田の日本酒「新政」は希少な銘柄という。炭は最高級とされる和歌山の紀州備長炭を主に使用。カウンター10席からは焼き場が見え、目や香りでも楽しめる。
「上質で落ち着いた空間がコンセプトで、接待にもぴったり。満席となることも多く、早めの予約がお勧めです」