広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
飲食店情報サイト運営のぐるなび(東京)が8月、ヒロパ内に開いた。店舗開発事業を加速し、全国8カ所目。子育て世代を主対象にした初のカフェ・ダイニング業態で、全面ガラス張りの開放感のある空間に、ゆったり過ごせる小上がりなどを設けた。
「カレー店『シバカリーワラ』(同)、タイ料理店『ティーヌン』(同)などの有名店からレシピや半調理品の提供を受けて直営。お客さまを待たせることなく本店と同じ味を出せるよう、加熱時間や温度を工夫している」
本業の知見を生かして開発したオリジナルメニューも用意。女性に人気の色鮮やかな「エスニック和え麺」、韓国発祥のスイーツ「クロッフル」などをそろえる。人気の牛タンシチュー、グラタンなどを一度に楽しめるプレートも10月から始めた。
「サッカーの試合のない日の集客が課題。1日100人の来店を目指し、近隣の施設や店と連携してイベントやキャンペーンをしていく。テイクアウトやインバウンド向け商材も充実させる」
中区の並木通りに面する「いいかげんや」店長など、焼き鳥で20年近い経験を持つ店主が独立。8月1日にオープンした。
「以前の店は気軽に利用できる雰囲気でしたが、より味にこだわるために事前予約制、料理は5500円のコースのみとしています。7本程度の串のほか季節の野菜、鶏のだしで作る雑炊などを提供。地鶏は名古屋コーチンと鹿児島の黒さつま鶏です。例えば一般的にモモと呼ばれる部位でも、当店では5種に細分化。希少部位も扱っており、味の違いを感じてもらいたい。串は追加の注文も承ります」
ドリンクは鶏との相性で厳選したワインやウイスキーなどをそろえ、特に秋田の日本酒「新政」は希少な銘柄という。炭は最高級とされる和歌山の紀州備長炭を主に使用。カウンター10席からは焼き場が見え、目や香りでも楽しめる。
「上質で落ち着いた空間がコンセプトで、接待にもぴったり。満席となることも多く、早めの予約がお勧めです」
バルコムグループで飲食事業のバルコムエミュー(安佐南区中筋)が運営する居酒屋。昼はとんかつやトンテキ定食を提供し、近隣のサラリーマンでにぎわうという。観光や出張需要を一層取り込みたいと、テーブル席を拡充してつまみメニューを刷新し、8月にリニューアルオープンした。
「一押しは、店内で0.01ミリの薄さに削った枕崎産かつお節をふんだんに使う『削節つゆしゃぶ』。削りたてをつゆに浮かべることで風味が増し、豚肉に絡めて食べると格別です。お酒との相性も抜群で、日本酒とレモンを割った専用の清酒ハイボールとのマリアージュも楽しんでほしい。かつお節や肉のうま味が詰まったつゆは、日本そばで締めるのがお勧めです」
豚や鶏などの串焼きに加え、カキフライ、コウネ焼き、がんすといった広島ならではのメニューも充実させる。
「お客さまに気持ち良く過ごしてもらうため、感謝の気持ちで丁寧に接客するといった凡事を徹底し、長く愛される店づくりにまい進します」
1975年、両親が「鳥串一代」を開店し、18年前に継いだ時に屋号・内装を一新した。内装デザインは鳥串一代の時にアルバイトをしていた縁から、懇意にする建築家の谷尻誠氏が手掛けた。薄暗くてバーのような雰囲気の焼き鳥屋は当時斬新で珍しく、女性客が約6〜7割と多い。
「幼少期からこの店で過ごして将来は継ぐものと思い、20代はあえてアジア、伊・仏など洋食屋に勤め、あらゆる料理を勉強。〝はみだしメニュー〟と称し、鶏ささみカマンベールチーズなど、洋と串を掛け合わせた独自メニューも提供しています」
鮮度を一番に考え、安芸高田市高宮町の鶏肉を仕入れる。タレには江田島のタママス醤油を、塩は高知の天然塩を使うなど、2代目独自のこだわりを出す。鶏皮の味噌煮込みは両親の味を引き継ぎ、人気の定番メニューという。
「長く店を続けるためには、日々の積み重ねが大切。鶏料理と向き合い、変えないものと変えていくものとを見極めながら、試行錯誤を続けたい」
自家製だしで素材を生かした、具だくさんのみそ汁とおにぎりに定評のある創作和食店。水〜土曜の午前7時半〜9時は旅館をイメージする定食「永山の朝ご飯」(1500円〜)を用意。ぬか漬け入りの豚汁など数種類から選べるみそ汁、焼き魚、茶わん蒸しなどが付く。主に観光客向けで、涼しくなる秋から本格的な集客を図る。
「ぬか漬けは腸活に良いとされ、朝食にぴったり。昼は季節の野菜を使った選べるみそ汁とおにぎりの定食を提供し、秋は『里芋、さつまいも豚バラの豆乳味噌汁』(1900円〜)などの期間限定メニューを出します」
夜は旬の食材を使い、日本酒に合う刺身や天ぷらのほか、客の好みに合わせて味付けや調理法をアレンジする一品を用意。素材のうまみを最大限に引き出す。
「秋には北海道の黒王カボチャや、大阪府富田林産エビイモを使います。家で作れそうで作れない、シンプルながらも少し変わった料理で、お客さまに驚きと感動を与えたい」
8月20日にオープンした小料理店。白を基調に木のぬくもりを感じられる店内は、モザイクタイルを使い明るくかわいらしい内装を目指した。
「私もお酒と食べ歩きが大好きで、店名には『点と点が交わる交差点のような場所』という意味を込めました。お一人さまも大歓迎。ほかのお客さんやスタッフとの会話が楽しめるような居心地の良さをつくりたい」
女性だけで店を切り盛りし、同世代の女性や40代以上のビジネスパーソンなどをメイン顧客に想定。できるだけシンプルな味付けで、素材の味を生かした料理を提供する。日本酒をはじめ、焼酎やウイスキー、酎ハイなど、アルコールは一通りを用意。
「0次会から飲んだ後の締めまで、いろんな使い方をしていただけたら。流川に飲みに出た際には、思わず顔を出したくなるような、〝心の温かさ〟が伝わるおもてなしを理想にしています。料理はまだ勉強中ですが、ちょっとした小料理でおいしいお酒を一緒に乾杯しましょう」
7月1日にオープンした和食ダイニング。西区三滝町に構える料亭旅館「三瀧荘」の姉妹店で、内装は朱赤と漆黒カラーを基調とし、シックで落ち着いた雰囲気とした。夜営業だけで、おでんコースは5500円から、懐石コースは7700円からそろえ、本格的な料亭の味を三瀧荘に比べて割安に提供する。平均予算は1万円。
「トリュフやウニなどを乗せた広島牛カツレツ、穴子の白焼きなど県産食材をふんだんに使った一品をそろえるほか、庶民的フードのおでんも用意。複数の具材を一鍋で煮込むイメージがあるかと思いますが、当店ではベースのだしも各食材に合った味付けをしており、一品ずつ提供しています」
同店は歓楽街に位置することから、宴会や2次会利用などを見込み、最大18人収容可能な個室を別料金なしで用意する。
「じっくり手間暇かけた料理をまずは目で楽しんだ後に口に運び、重層的な味わいと余韻に浸るといった、五感全てで楽しんでいただきたい」
おりづるタワー内で9月30日まで営業する期間限定のバー。今年は例年より30分早く開店している。
「日暮れから夜へ移り変わる時間、展望台では日常とは違う広島の風景が見られます。仕事などから開放され、リラックスして過ごせる洗練された空間に立ち寄ってほしい」
自家製広島レモンシロップと米が原料の奥飛騨ウォッカで作るサワー仕立ての「瀬戸内スパイシーレモンウォッカ」をはじめ、広島の銘酒や海外でも人気の高い日本のウイスキーなどをそろえる。オーガニックコーヒー、生はちみつのチーズケーキ、夜9時以降限定の「朝光どぶろくアフォガード」などカフェメニューにも力を入れる。
「地元広島産の酒や果物を中心に使ったこだわりのドリンクを提供します。注目されているウェルネストラベルのトレンドにも対応して、ノンアルコールに変えられるスムージーやオーガニックフードメニューも用意。お酒が飲めない人も一緒に、非日常な空間を楽しんでもらえれば」
ミュージックビデオ、CM、写真などクリエーティブ制作を手掛けるイサイ(東京、脇坂侑希社長)が運営するカフェ。8月の広島拠点開設に先立ち、3月29日、同じ物件に開いた。
「ふらっと訪れたくなる『居心地の良い空間』がコンセプト。大きなガラス窓、木目のテーブルや床、たくさんの観葉植物などで明るくナチュラルな雰囲気にしています。全席コンセント完備で仕事にも便利です」
東区のコーヒー専門店「サプタ」から仕入れるオリジナルブレンドの豆は、しっかりとした深みの中にもほどよい酸味があり飲みやすい。手作りのチーズケーキや、クッキーなどの焼き菓子、メロンなど季節の素材を使う週末限定のパフェは女性客らの人気を集める。
「広島出身の当社代表の『身近にクリエーティブに触れられる場所をつくりたい』との思いから、社内外のアーティスト作品を展示・販売。今後、弊社社員や地元アーティストを招いたワークショップ、個展のほか、アーティスト同士や異業種の交流会も開きたい」
5月1日にリニューアルオープンした焼き鳥店。お好み焼き店で4年間の経験を持つ新店長が、安芸高田市のブランド「廣島赤鶏」などを提供する。
「前オーナーから経営を引き継ぐことになり、安佐北区の店を閉めて就任。鉄板と炭では勝手が違うことも多々ありますが、鶏の味がしっかりと引き出せるよう修行を重ねました。赤鶏はもも・かわなど4種をそろえています。また承継前から一押しの自家製手ごねつくねは、シンプルにたれを付けても良いですし、マヨネーズをのせて炙ったメニューも人気が高い。食後の甘味には鶏と同様に炭火で焼いた、みたらし団子もお薦めですよ」
店内はそれぞれ9人、5人が入れる座敷2室ほか、合計18人分のテーブル席、カウンター最大8席を備える。
「大切な人と大切な時間を過ごしてもらう、をコンセプトとしており、座敷は個室として使えます。平日は串やサラダ、自家製クリームチーズなどを提供する5000円の飲み放題コースもあるので、接待での利用も歓迎です」
ISE広島育ち(佐伯区)が運営するお好み焼き店。3月23日に中区のそごう広島店から移転した。旗艦店に位置付けて最多の74席を設け、昭和の屋台を意識した内装に仕上げた。カキやコウネ、観音ねぎを盛り付けたお好み焼き「広島満喫スペシャル」(2970円)のほか、地穴子の白焼きや広島牛のステーキなどを提供する。
「平和記念公園に近く、国内外の方にみっちゃん発祥の〝広島のソウルフード〟をより知ってもらう場にしたい。ありがたいことにインバウンドに加え、新サッカースタジアムを訪れた県外のアウェーチームサポーターにもご来店いただいています。鉄板席でヘラを使って食べたいという人も多く、食を通じて広島を堪能してほしい」
鉄板の長さは約8メートルで、同時に30枚を焼けるという。営業日ごとに味にばらつきが出ないように複数人で生地の伸ばし、焼き、仕上げの工程を分担する調理法を採用。1枚しか焼かない場合でも徹底するなど、伝統の味を守り続けたいとする。
広島電鉄の廿日市市役所前駅から徒歩3分、宮島街道沿いにある鉄板焼き店。2000年のオープン当初から地域密着を掲げて顧客一人一人とのコミュニケーションを重視してきた。
「仕事とスポーツは似ていると感じることが多々あります。私自身、長年バレーボールに打ち込んできましたが、強いチームほど派手な練習を好まずに基礎を徹底。飲食店においても、いつお客さまが来店されても同じ味が提供できるよう地道な下準備を怠らないことが大切だと考えています。味はもちろんのこと、最後には人が集客の決め手になるはずなので、常に気持ちの良い接客を意識したいですね」
野菜と麺の間に卵を挟み、外側に持ってきた麺をカリカリに仕上げるお好み焼きが人気という。変わり種としてガーリックライス入りも提供する。
「6月にお好み焼きの冷凍商品を開発。店舗販売のほか、廿日市市のふるさと納税返礼品に登録しています。今後はスーパーや道の駅での販売も目指したい。多店舗展開が次の目標です」