広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

コラム― COLUMN ―

2019年4月11日号
「元和」から「令和」へ

共同通信社の世論調査によると、新元号「令和」に好感が持てるという回答が73%。この影響からか、内閣支持率を大幅に押し上げたという。
 その一字「和」でつながる「元和(げんな)」の頃。将軍徳川秀忠は広島藩主福島正則を転封した後、和歌山藩主浅野長晟(ながあきら)の広島42万6千石への転封を決めた。広島市の「浅野氏入城400年記念リーフレット」によると、秀忠はいつも寝所としている奥座敷に長晟を呼び、「広島は中国の要ともいうべき重要な地だけに、めったな者に与えるわけにはいかないが、その点お前ならば安心して任すことができる」と言ったという。
 そうして元和5年(1619年)8月8日(旧暦・9月17日)に浅野氏が広島城に入城した、その日から400年を迎える記念事業として、江戸時代の装束をまとった官民一体の約200人で「広島城入城行列(仮題)」を勇壮に展開する構想が浮上。9月ごろ開催を目途に、市民グループ中心に検討を進めている。
 江戸時代の広島城下を東西に貫く西国街道を舞台に、入城行列は、猿猴川の河畔にある柳橋公園を出発し、仏壇通り〜金座街商店街〜本通商店街〜元安橋〜平和公園に到着するまでの約1.7キロ(約40分)を予定。その後、舞台を広島城に移し、当時の浅野氏入城をできるだけ再現するというプランを描く。
 その沿道の商店街や関係者らでつくる「まちなか西国街道推進協議会」(山本一隆会長=広島市文化協会会長)が関係方面と連携し、同イベントの企画を練る。2016年2月に準備会を発足以来、西国街道マップの制作、沿道にある小学校を中心に郷土の歴史を学ぶ「出前授業」開催や、新たな土産品づくり、まちづくり提案などに取り組んできた。専門家の案内で実際にまちなかを散策し、地域資源や人的資源の収集などのフィールドワーク・アイデアセッションを繰り返し、昨年3月に同協議会を設立した。
 入城行列の案には、下敷きがある。広島藩を代表する「通り御祭礼(とおりごさいれい)」を模し、経済界を中心に15年10月10日、華やかな時代絵巻を再現した広島神輿(みこし)行列「通り御祭礼」を復活。当時の衣装をそろえて大神輿を担ぎ、山車や長槍、鉄砲、弓隊などの行列を繰り広げ、大きなニュースになった。通り御祭礼は、広島城下町の地誌「知新集」に、
「町々両側に拝見の男女家毎に充満し、近国遠在よりも承り伝えてこの御祭礼を拝み奉らでやむべきかわと、あらそいあつまるもの幾十万ということを知らず」
 官民一体となって行われる城下町全体の祭として、大いににぎわったようだ。
 今も、全国各地に時代、時代の行列を模した祭がある。山本会長は、
「入城行列の案はこれから先、国内外から多くの人を呼び込む、秋の一大イベントに発展する可能性を秘めているように思う。令和元年とも重なり、浅野氏入城400年の節目は被爆以前の歴史をひもとく良い機会。各時代の文化や産業などが積み重なって今があり、それを未来へとつなげていく。歴史をのぞき、今を考え、将来の糧とする発想も大事ではないでしょうか」
 さらに西国街道にまつわる多彩な企画を実施していく構えだ。−次号へ。

一覧に戻る | HOME