広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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コラム― COLUMN ―

2021年4月22日号
卸団地に自動運転バス

総事業費1000億円を投入し、328ヘクタールを造成。西日本最大規模の西部流通団地が1982年に完成し、来年で40年になる。施設老朽化に伴って団地リニューアル構想を進める西区商工センターの広島総合卸センターは3次元(3D)画像技術により、「AIを活用した団地内の効率的な物流や自動運転技術の地区内導入」などをテーマに、新しい街のイメージをビジュアルに描く「まちづくり提案」事業を進めている。
 卸センターは、団地中心部にある「広島サンプラザ」と「広島市中小企業会館・総合展示場」両施設と機能を一カ所に統合する、メッセコンベンション施設誘致・整備を中心とした再開発構想を提言。これをきっかけに人、物、情報が世界から集まる国際会議や見本市といった「MICE(マイス)」都市構想が持ち上がり、広島市関係部局のほか、卸センターなどの団地組合や広島市中央卸売市場、地元町内会などで検討会をつくる。
 3Dを活用する「まちづくり提案」は、昨年6月に全国卸商業団地協同組合が実施する団地機能向上支援事業(2カ年)に採択され、4分3程度の助成を含む4000万円近くの予算を組む。これを受け、同年7月に市関係部局、県中小企業団体中央会、アール・アイ・エーら専門家と組合理事らで「機能向上支援事業委員会」を設け、本年度中にビジュアル提案をまとめることにしている。
 パンデミックでやや水を差された格好だが、MICE施設誘致が具体化すると、さらに大勢の人が団地へ押し寄せる。これを受け入れる最寄りのJR新井口駅・広電商工センター入り口駅の拡張建て替え、駅前ロータリー整備、ペデストリアンデッキ延伸などのほか、団地内の交通混雑を解消し、物流と人の流れをどのようにさばくのか。委員会はこうした新たな課題の解決策を探る。
 例えば、自動運転技術を導入したバスを運行し、新井口駅から商業施設アルパークを経て団地東側ブロックの周回道路に入り、商業施設レクト〜にぎわい施設を併設した全面建て替えを計画する市中央卸売市場〜構想中のMICE施設などを巡回するコースを想定。併せて自動運転で走行する小型の乗り物をスマホで呼び出し、団地内を移動できる案などを検討する。団地内企業の物流、業務に支障が出ないよう、自動運転の走行エリアを限定。またAI技術を活用し、効率的な物流の可能性などを模索する。
 激動する流通界を反映し、団地とその周辺部にある大型商業施設も大きく変貌しつつある。2017年にレクトが開店。2年後に大和ハウス工業がアルパーク東・西棟を三井不動産グループから取得。翌年、西棟の天満屋が閉店。今年は9月にスーパーのハローズ草津新町店、10月にダイレックス広島商工センター店がオープン予定。さらに来年春にアルパーク西棟がリニューアルオープン、23年春には東棟が全面リューアルオープンする予定。
 新しい街の姿を3Dで描く「まちづくり提案」は、長期的な課題の「流市法の規制緩和」と「地域の核となる新しい施設整備(中小企業会館建て替え)」なども検討する。いつ完成するのか、AIで一発回答できないのだろうか。

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