広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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コラム― COLUMN ―

2022年5月26日号
調べる、考える

何を目的に経営されているのですか。そうした率直な質問に、はっとさせられることがある。学生が地元企業の経営トップにインタビューし、その答えに何を感じ、何を考えたか、文章に起こす。広島女学院大学と本誌発行の広島経済研究所は5月18日、包括連携協定を結んだ。学生が企業に足を運び、経営者の言葉に直接触れて、人生のキャリアに対する価値観を養っていく同大の授業「キャリア・スタディ・プログラムⅡ」(2年生前期・必修)の一環で、本誌企画「学生インタビュー」シリーズを共同で展開することになった。
 取材する前にどんな会社なのかを調べ、どんな質問をぶつけるのか。どのように記事をまとめるのか。調べる、学ぶ、考える。大学構内を飛び出して実践する試みだ。この学生インタビュー企画に応じていただいた企業は、 
 広島市信用組合(金融)、山根木材グループ(住宅)、ひろしま管財(ビルメンテナンス)、ノサックス(安全靴)、シンクグループ(建設)、ナガ・ツキ(コンクリート2次製品)、リライアンス・セキュリティー(警備)、オフィスフローレ(健康・美容)、東洋商事(アミューズメント)、タイヨー(廃棄物収集)、ミクセル(研究支援)
 の計11社。業種や企業規模も異なり、学生約50人は取材先ごとに4、5人に分かれて計11チームを編成。既に下準備に入り、取材、編集作業などを経て8月以降、本誌の企画コーナーやウェブ「ひろしま企業図鑑」に随時掲載する。弊社発行の「ひろしま業界地図2023年版」内にも特集ページを設けるほか、取材先のパンフレット制作などに挑戦してもらう。
 経営トップへのインタビュー企画を聞いて、学生たちの緊張感も自然と高まる。
 「インタビュー時の重苦しいプレッシャーが怖い。偉い方と話すのは気を使うので神経をすり減らしそう」や「興味がない、知らない企業への取材になったとき、うまくできるか不安」「お話を聞いてその内容を的確に伝えることができるのか心配」などの思いが募っているようだ。
 ただ、こうした不安や緊張が成長へのチャンス。同大の三谷高康学長は、
「大学の教室だけの勉強が全てではない。経営者にインタビューするという体験が彼女たちの大きな糧となる。自分の殻を破って、地域の経営者に会うチャレンジを経て、大きく成長してほしい」
 むろん学校で学ぶ知識は大切で、その知識を基に考える力が身につくと、成長のエンジンが加速する。いま自分がどの位置にいるのか、いま何をすべきか、何がしたいのかと自分発見にもつながり、自分自身の価値観との違いや共感できるポイントを見つけることで、相手への興味が湧いてくる。記事をまとめながら新たに発見することもあるのではなかろうか。
 弊社は2016年から同様の企画を実施。いままでに13社が参画して延べ60人の学生が参加し、インタビュー先企業に就職した学生もいる。県内自治体の事業でも同様の企画を予定している。人口の流出が続く広島県だが、魅力的な会社はいっぱいある。取材活動を通じて貴重な学生生活を満喫し、そして広島の力になってもらいたい。

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