広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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特集記事― FEATURE―

2024年7月11日号| ピックアップ
マテリアルゲート 新しいメモリ素材のラボ開設
1.6億円調達、25年にコンデンサ市場参入へ

広島大学発ベンチャーのマテリアルゲート(中野佑紀社長)は6月、コンピューターメモリの消費電力を約90%削減できる新素材「単分子誘電体」のラボラトリーを同大学インキュベーションオフィス(東広島市鏡山3-10-31)に開いた。7月10日までにファンドから1億4000万円を調達し、資本性ローン2000万円を受けるなど体制を整備。既に複数の大手メーカーと協業が決まり、まずは2025年までの薄膜コンデンサ(蓄電器)市場参入を計画する。
 隣り合う2室計100平方㍍を借り、「材料ラボ」と「デバイスラボ」にした。精製装置や合成炉、顕微鏡などを置く。同社は分子設計や特性のカスタマイズ、成膜や微細加工、デバイス設計などのコア技術を持つ。ラボと協力先を合わせて現在の年間生産力は数万個。研究員とエンジニア各1人が新たに入社し、大学院の協力者含めスタッフ約10人。単分子誘電体を開発した同大学大学院の西原禎文教授が最高科学責任者を務めている。会社設立は23年6月19日で、資金調達によって300万円から7300万円に増資。

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