呉市発祥のムロオシステムズ(東京、潘忠信社長)は原子力発電所の廃炉関連事業や、超高温原子炉燃料のTRISO技術を活用した次世代クリーンエネルギーの開発に乗り出す。9月、ドイツに本社を置く原子力エンジニアリング大手企業NUKEM(ニューケム)テクノロジーズ エンジニアリング サービスの主要資産を取得し、買収手続きを完了した。金額は非公表。来年に日本法人を設立し、福島県の浜通り地区にR&D(研究開発)センターを構える予定。経年化した原子力施設の解体・撤去や廃棄物の処理・処分、跡地の有効利用に必要な作業などを数十年かけて行う「廃止措置」を世界中で展開していく。
ニューケムは1960年に設立し、廃止措置技術などで世界的に高い評価を受けている。ドイツで最初の商業用原発の廃炉を成功させ、現在も5基の廃炉プロジェクトを抱える。カールシュタイン・アム・マインという地域にある同国初の原発の跡地に本社を構えており、その廃炉と原状復旧も手掛けた。