今年、自動車の電動化に向けた「2030経営方針」第2フェーズの初年度を迎えたマツダ(毛籠勝弘社長)は、2022〜24年の第1フェーズでネットキャッシュ(現預金や同等物から有利子負債を引いた金額)を11倍超に増やした。単価の高いラージ商品の導入や北米販売の好調のほか、円安も追い風に利益を積み上げ、第2、3フェーズでの投資の原資を確保。3月18日には現在の電動化の状況を踏まえ、電池投資額を圧縮する一方で内燃機関を進化させる意向を明らかにするなど〝マツダらしい〟投資と成長戦略を描く。 22年11月に発表した同経営方針では第1フェーズをカーボンニュートラル・電動化への準備、第2フェーズを移行期間とし、28年からの最終フェーズでバッテリーEVを本格導入するとしている。方針発表後の23年2月に公表した同年3月期の第3四半期決算では、投資能力の目安となるネットキャッシュは346億円だったが、直近の25年同四半期決算では3855億円まで伸長。毛籠社長は「第1フェーズはおおむね計画通り」と手応えを語った。