7月に開業したホテル「江田島荘」内のレストラン。箸で食べられるフレンチをテーマに朝・夕食を提供する。小竹隼也総料理長は県内ホテルや東京で経験を積み、2015年に「第1回ひろしまシェフ・コンクール」の成績優秀者として県の支援を受け渡仏した。
「レストランから町おこしをするなど、食を通じた表現方法や食の偉大さに触れました。地元の食材や人々とのコミュニケーションを大切にする師匠の考え方にも感化されました」
18年に帰国。地域で採れた食材を、地域で料理し、食すという修業先で学んだ食文化を広島で実現できる場を求め、時間をかけて場所や生産者を訪ねて回ったという。
「店先などで島民同士が交流する姿や彩り豊かな野菜、目の前に広がる海などが仏の景色と重なったのがここで働く決め手でした」
広島に戻り、シェフとして初めて現場に立つ。「江田島産小鰯いわしのタルタルきゅうりのシートをかぶせて」など、地魚や野菜のほか、冬場はイノシシ肉も使う。
「アカエイなどの一見価値の薄れた食材も仏料理の技術を生かすことで、おいしく生まれ変わる。新たな食材の発掘も目指します」