広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    適散・適集社会の実現へ / 湯﨑 英彦氏
    NEWSな人
    12月に社長就任 人材育て100億円企業目指す / オガワ 齊藤 勝義 社長
    広島駅周辺にホテル2館開業 地域に根ざす唯一の旅提案 / サン・クレア 川口 康太 取締役
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
うまいもん屋 五ェ門 / 蔵原 春利 社長

胡町本店、福屋広島駅前店など9カ所のお好み焼き・鉄板焼き店を展開する。蔵原春利社長は、
「商業施設の営業日に準じる店舗を除き、コロナ感染防止の営業自粛要請に可能な限り協力しています。ウォルト、フードパンダの宅配サービスが利用でき、イオンモールの広島府中と祇園店は2月から出前館に対応予定。もともと麺全体をしっかりと焼く方針で、宅配やテークアウトでもベチャッとした食感にならず、おいしいです」
 国産小麦粉100%の特製麺をはじめ、地産地消で庄原市高野町などの県産キャベツ、免疫力を高める竹粉配合の無農薬エサで育てられた県北部の鶏卵を使う。センナリのHACCP認定工場で作る特製ソースも強み。食の安全と味の両立を追求している。営業中の店舗の出入り口にはタブレット型自動検温器や消毒スタンドを備え、全テーブルに消毒液を置く。お好み焼き店には大きなダクトがあり、換気が十分にされているという。
「つらいのは私どもだけではありません。どんな状況でも焼き手が最高の一枚一枚を積み重ねていくことが、これからも五ェ門が愛される唯一の道だと思っています。常連さんからの励ましの言葉が何よりうれしい」
 新年は汁なし担々麺のような風味の「担々焼きそば」のタレを一新する予定。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
(社)東広島青年会議所(JCI) / 山田 章夫 理事長

2020年11月から、JCI東広島の新たな取り組みとして、広島大学スポーツセンターと共同でスポーツ体験教室の動画をユーチューブ配信する「未来のアスリート発掘事業」を展開しました。ゲームやインターネットが普及し、体を動かして遊ぶ機会が減少する中、少しでもスポーツと触れ合う機会を提供しようと前任の木村優一理事長が発案。今も同スポーツセンターのHPで閲覧できます。
 高校、大学とバスケットを経験しましたが、スポーツを通じて勉強だけでは得られないコミュニケーションやチームワークなどを学ぶ事ができました。健康面でも重要ですが、特に子どもたちがスポーツを始めるきっかけは親の影響が大きいように思います。例えば親が社会人になってもサッカーを続けていれば、自然と子どももサッカーに触れる時間が増えます。本事業では大学生が球技や柔道、合気道、馬術など10種目を紹介し、特別な器具がなくてもできる基礎運動や応用練習を説明しています。普段スポーツに触れる機会が少ない人でも、気軽に視聴してもらいスポーツに取り組むきっかけにしてほしい。
 県内には野球やサッカー、バスケットなど多くのプロチームがあります。野球では鈴木誠也選手や森下暢仁投手に今後も活躍してもらい、地元を盛り上げてもらいたい。また、県内には数多くのゴルフ場があり、プロゴルファーも多数輩出しています。特に賀茂CC出身の平本穏プロのツアー初優勝に期待しています。キャディー育成ツアーなどスポーツと観光をセットにした企画ができれば面白いですね。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
マツダ頑張れ

100年前。新型ウイルスによるパンデミック「スペイン風邪」が猛威を振るった。世界で5億人が感染し、2000〜4000万人が死亡。日本では45万人が亡くなったという。再びいま、新型ウイルスの直撃を受け、世界中が大混乱。速やかにワクチンが威力を発揮し、事態収束を願うばかり。
 車産業は100年に一度の変革期といわれる。これにタイミングを合わせたように、東京は「都内で販売される新車について2030年までにガソリンエンジンだけの車をなくし全て非ガソリン車にする」目標を明らかにした。菅内閣は「カーボンニュートラルに向けたグリーン成長戦略」を打ち出し、50年までに温室効果ガスの排出をゼロにすると表明。ひろぎん経済研究所の水谷泰之理事長は、
「世界的に見ても自動車の規制を強化する動きが強まっている。特に自動車の世界販売で大きな割合を占めている中国、米国などでは将来的にガソリン車を完全に排除しようとする動きが広がってきた。日本勢を含む各自動車メーカーでは独自の電動化方針を掲げ、電動化を強力に進めている。今後、電動化の進捗度合次第では、自動車業界の勢力図が大きく変わることも想定される」
 県経済を引っ張るマツダは「30年までに全車種に電動化技術を搭載する」方針だ。協力企業は広域に裾野を広げている。電動化によって部品点数の増減などに大きく影響を及ぼすといわれており、新たな生産体制、技術を築くまでに時間的な余裕はない。パンデミックの年に創業し、100周年で再びパンデミックに遭遇。この間幾度も荒波をかぶり、厳しい苦境を乗り越えてきたマツダのたくましさ、技術力が試されることになり、しばらく目が離せない。先頭で変革期を突破するくらいの底力を発揮してもらいたい。
経営者に欲がない
 菅内閣での有識者審議組織「成長戦略会議」メンバーのひとり、デービッド・アトキンソンさん(小西美術工藝社社長)は、
「日本の人材評価は世界第4位だが、労働生産性は第28位と先進国の最下位クラスに低迷している。規模の小さい企業の多いことが一因。日本企業の平均規模は米国の約6割、欧州の4分3しかないからこそ、その分だけ生産性が低い」
 さらに日本の経営者は「お金に対する欲がない」という具体例として著書「日本人の勝算」で、
「ラーメン屋さんの社長の場合、人気が出ても3〜5軒の店を展開したら、それ以上に店を増やそうとしない人が多い。社長はベンツに乗れて、六本木で好きなように遊べる収入が取れるから、それ以上に店を増やそうという意欲がなくなる。まぁ、欲がないといえば、欲がない」
 と述べている。
 人材は優れているのに、経営者に欲がなく、規模の小さい企業が多く、そのため生産性が低いと指摘する。こうした意見を受け、菅内閣がどんな施策を打ち出してくるか、しばらく目が離せない。
 かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とたたえられて日本式経営が高く評価されたこともあった。それもバブルだったのだろうか。

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