京橋のたもとの目を引くデザインの建物は、広島の造船技術を生かした鉄骨造りに和風のしつらえが調和しており、2019年のひろしま街づくりデザイン賞を受けた。
そばどころ山形のそばがベースの素朴な田舎そばを、実を保存する板箱で供する。北川尚勲料理長は、
「外殻を取って甘皮ごと石臼でひいた〝挽きぐるみ〟のそば。かみしめて味わえるように、一般的なそばより少し太めで短めに打っています」
そばつゆは、特注の配合の節と昆布で取るだしにしょうゆがきりっと香り、素朴なそばによく合う。
「ふらっと立ち寄って、焼きみそや板わさ、だし巻き卵などちょっとした料理をあてにお酒を飲み、そばで締める〝そば前〟の文化を、あまりなじみのない広島でも広めていきたい」
3000円コースは、酒肴と旬菜盛り、季節の天ぷらなどが付く。2人から、要予約。
米ミズーリ州の出身です。賃貸仲介の国際チームに所属し、外国人のお客さまのお部屋探しを支援しています。
来日のきっかけはカープでした。2013年から2年間、2軍で外国人選手の通訳を務めました。監督やコーチ、日本人選手との間で、それぞれの言葉を訳し伝えます。ときには言い合いに立ち会ったことも。私がどう訳すかでニュアンスが異なり、その後の関係性に大きく影響するため、本当に気を使いながら言葉を選んでいましたね。あるとき、共に早口の外国人と日本人選手と3人で焼き肉へ。私は食べたことのない高級肉に期待して行ったのですが、2人の言葉を訳すだけで必死。すごく盛り上がり、役目を果たしましたが、私は水を飲む暇もないほど。良い思い出です。
通訳以外にも米国大リーグを参考に、新たなグッズを提案し採用された商品もあります。キャッチフレーズ「STRINKIN’BACK!!逆襲」や、「剣砥挑来−RALLYING TO ATTACK!」の英語は、私の提案を採用してもらいました。
カープは離れましたが、日本人女性と結婚し、そのまま日本に残ることにしました。今は毎年のマツダスタジアムでのスポンサードゲームをはじめ、グループの鷹の巣ゴルフクラブで開かれる選手会ゴルフなどで、球団の懐かしい方と仕事で交流する機会があり、ありがたいです。
昨年は来日した外国人選手らもコロナ禍に振り回されて活躍が制限され、もどかしかったのでは。早く選手とファンが気軽に交流できるようになってほしいですね。
朝日新聞社は2020年9月中間連結決算で419億円の赤字に転落し、責任を取って渡辺雅隆社長が4月退任する。「構造改革のスピードが鈍かったことが赤字の背景にあることは否めず、責任は社長の私にある」とし、身を引く決意を固めたようだ。
日本新聞協会のデータによると、20年の業界全体の発行部数は3509万部で、1年間で271万部減。ここ数年は毎年200万部ペースで発行部数を落とす。
この、とてつもない難題にぶつかって大手各紙は、スマホなどを利用した有料電子版サービスなどワンソース・マルチユースやウェブファーストなどへの対応を急ぐ。一方で、こうした紙とデジタルの両面作戦が、新聞記者の取材活動にどのような影響をもたらすだろうか。デジタルで発信した記事に対する読者の反応は素早く、瞬く間にSNSで拡散する。読者の求める情報は何か。改めて原点の取材力に磨きをかけるチャンスになるかもしれない。中国新聞社の岡谷義則前社長はかつて、
「地方紙にとって新聞力とは地域の出来事を、あたかも地域の日記を書くように、過不足なく取材し、簡潔な文書で記事にし、事実の裏にある問題点について的確に論評し、読みやすい紙面に組む。こうした一連の仕事がきちんとできる力を言う。とりわけ、中国新聞が取り上げなければ日の目を見ないような地域のニュースを掘り起こし、発信し続けることが、地方に生きる新聞人の最大の役割であるように思う」
淡々と話すが、新聞人の気概が伝わってきた。
同社は今期(1〜12月)の重点目標としてデジタル発信力の強化を打ち出し、経営改革を断行する構えだ。まだ明確な姿形はなく、おそらく走りながら戦略を練り、結果を検証しながら作戦を立て直す繰り返しになるかもしれないが、陣頭指揮を執る岡畠鉄也社長の、デジタル化へ向かう決意は固い。
さまざまな分野でデジタル化の可能性を探っている。県と連携し、今春からベンチャー企業と協業する「アクセラレータプログラム」の実証実験に乗り出す。54社から応募があったうち、次の4社=事業内容を選んだ。
▷コンシェルジェ=AIチャットボットプラットフォームの開発・販売・運用。社内問い合わせ業務のチャットボットを複数構築し、サイトに実装する。
▷ネクストビジョン=動画売買プラットホーム「ビデオキャッシュ」の開発・運用。ビデオキャッシュへの動画投稿キャペーンを実施する。
▷ギフティ=ギフトプラットホーム、ビーコン事業。広島市内中心部50カ所程度にビーコンを設置し、行動データを収集。
▷ネクストベース=スポーツ解析技術を生かした有料オンライン野球アカデミー事業。3カ月間のオンライン野球教室を開催する。
新聞事業と一線を画す用語がずらり。井上浩一専務は、
「最適な情報を最適な所へ届ける『地域最適』ビジョンに向かって記事、画像、動画、音声情報を発信。 新時代に適した会社に生まれ変わる」
いつでも、どこでも必要な情報を入手できる時代に突入し、新聞界も大変革期。チャンスをつかむほかない。