昨年5月にジアウトレット広島(佐伯区)、12月にゆめタウン広島(南区)にオープン。あらかじめ低温スチーム調理したキャベツを使う独自手法で焼き上げる。本来の甘みとうま味を逃さず、蒸らし時間を減らす効果もあり、注文から10分以内と〝地域最速〟の提供を掲げる。ゆめタウン広島店の長谷川聖店長は、
「提供の早さに驚かれるが作り置きはしない。早くてうまい牛丼屋のように使ってほしい」
油を使わないヘルシーさも特徴。ソースは適量を薄めに塗り、カキエキスと瀬戸内レモンを調合した独自ソース、激辛ソース、辛子マヨネーズ、ハバネロなどを卓上にそろえ、好みで楽しめるようにする。汁なし担々麺の人気店くにまつのミンチ肉やラー油を使うコラボお好み焼きも。トッピング1品、生ビール含むドリンク1杯付きで1050円コースが人気という。
「地域のお客さまが大半。コロナの影響を受けるが、着実に常連が増え手応えを感じている」
所属する庄原市カープ応援隊は結成17年目を迎えます。当社のバスを貸し切って球場へ行き、ほぼ全てのホームゲームのライトスタンド指定席40席を庄原のカープファンで埋めています。リーグ3連覇時の年間参加者は3000人を超えました。今季のカープはコロナ禍で試合が9回打ち切りになったり、最近は主力選手のコロナ感染などの影響で苦しい状況が続いています。応援隊も庄原市で感染が広がったことで10試合のツアーを中止。選手を庄原に招く庄原版ファン感謝デーや、日南キャンプへの激励訪問など多くのイベントも断念しました。
しかし例年通りのイベントができない中で、コロナ禍ならではの取り組みを実施。クリスマスシーズンには森下・宇草・韮澤選手のサインをプレゼントするキャンペーンを行ったほか、沖縄の1軍キャンプと映像をつなぎ、佐々岡監督へのオンライン贈呈式実施など、庄原からカープ選手を応援し続けています。
2015年から始まった庄原版ファン感謝デーには備後(BINGO=あたり)庄原伝説といわれるうわさがあるんです。過去に出演した鈴木・野間・九里・坂倉・中村奨成・小園選手ら多くの新人選手がブレイクを果たしています。今年は2年ぶりの開催を目指しており、新たな若鯉の飛躍のきっかけになればうれしい。16年には永川・梵選手のイラストが入った旧ラッピングバスに乗り、優勝パレードに参加したことが良い思い出ですね。いつかカープが日本一になったパレードで、選手と一緒にラッピングバスに乗ることを夢見て応援しています。
広島空港の国際線は全便欠航になり、2020年度の搭乗者はゼロ。一方で、国内線は前年比約72%減の約73万人にまで急降下し、1993年の開港以来で最低だった。観光客が激減し、緊急事態宣言で日常の移動も自粛ムードが広がり、公共交通を取り巻く環境は一段と厳しい。
広島電鉄(中区)は2021年3月期連結決算で約33億円の赤字を出した。赤字額は連結決算になった1977年以降で最大になり、今期も7億円近くの赤字を見込む。
「創業以来の危機」とし、昨年5月に公表した「広電グループ経営総合3カ年計画」の見直しを行った。固定費の圧縮や業務効率化など既存事業の「変革」と合わせ、新たな事業機会への「挑戦」という二つの主題を打ち出す。よほど打撃が大きかったのだろう。椋田昌夫社長は、
「多くの産業でコロナ禍を変革の機会に捉えている。公共交通もその渦中だが、さらに人口減と高齢化という、ゆるがせにできない大きな難問が立ちはだかっている。既存の路線をひたすら走り続けるだけでは、どんどん乗客が減っていく。ヒントがあった。2012年に呉市交通局のバス事業を継承。高齢者にとって乗降地の分かりづらさや車内転倒などの事故が怖いというイメージがあり、これを徹底的に改善した。安心して外出できるようになったと感謝の言葉を頂き、利用者数が増加に転じた。今後さらに若い人が減り、高齢者が増える。安全はもとより、こちらから乗車機会を創り出す工夫がいかに大事か、痛感した。全ての人が楽しく、あちこちを巡る街づくりこそ、公共交通の原点にあるのではないか」
さっそく動いた。14年から中区東千田町の広島大学本部跡地の再開発事業に参画。20年4月の分譲マンション完成で各種施設の整備に一区切りがつき、にぎわいを生む。15年にはグループ会社が住宅団地「西風新都グリーンフォートそらの」を造成し、バス路線再編で住民が市内外へアクセスしやすい環境を整えた。団地内に商業施設ジ・アウトレット広島を誘致し、交流人口の拡大にも成果を挙げる。今後、都心部の車庫用地などの有効活用策も検討し、経営3カ年計画に反映させた。
「広島に人が集積、回遊する仕組みづくりに挑戦する。4月に発足した広島都心会議の会長を引き受けさせていただいた。旧市民球場跡地や広島城、サッカースタジアム整備など大きな動きがあり、エリア全体の価値や魅力を高めていく使命がある。多くの人を呼び込むための空の玄関口の機能も拡充し、AIオンデマンド交通の導入などで空港アクセスの改善を図りたい」
18年からの保育事業や検討中の介護支援事業などの「暮らしを支えるビジネス」も掲げ、イベントや大規模会議、文化観光施設と連携し、高齢者を含めた移動機会の創出を目指す。併せてDX(デジタル変革)で業務の仕組みを抜本的に改め、採算性を確保。AIオンデマンド交通を五日市湾岸地区で導入済みのほか、自動運転の実証実験も検討。将来は路面電車に信号自動化や集中指令を採用し、管理コストの削減を図る。
「変革」と「挑戦」は事業存続の永遠の命題。被爆後すぐに電車を走らせた心意気がいまも息づく。