広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    石﨑本店の社長に就任 / 石﨑 泰次郎 氏
    NEWSな人
    日本建築学会から表彰 広工大生と賃貸改修を企画 / 島根不動産 高山 伸介 社長
    4月会長就任、挑戦掲げる コロナ禍の活動を模索 / 広島青年僧侶春秋会 上園 陽 会長
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
鉄板焼き どんとこ / 美野 由人 店主

市内で鉄板料理店2店を経営。八丁堀店が2月に12年目、三川町店が5月に5年目を迎えた。主力のステーキは部位ごとに異なる肉卸から仕入れる。鉄板に乗せた網の上で約1時間かけてじっくりと低温で焼き、ジューシーで口の中でとろけるような食感を楽しんでもらう。特に牛ヒレ・シャトーブリアンが人気で、9割以上の客が注文するという。美野由人店主は、
「魚介や野菜にもこだわる。例えば、アスパラやレンコンは農家を直接訪れて買い付けます。当店を選んでいただくお客さまに喜んでもらうため手間を惜しみません」
 客との距離感を大切にし、常連が6〜7割を占める。鉄板で調理する焼きポテトサラダは開店当初から人気があり、
「焼いてみたらおいしく思い切ってメニュー化。今では来店時のとりあえずの一品です。コロナの影響を受けていますが、今こそさまざまなことに挑戦し、お客さまに恩返ししたい」
 近く宅配用リュックを背負い料理を届けるサービスを始める。

    INFORMATION
  • ◆住所:中区八丁堀12-5 第2シティビル1階
  • ◆電話:082-258-5077
  • ◆席数:25席
  • ◆営業時間:午後6時〜午前0時
  • ◆定休日:火曜
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
広島市郷土資料館 / 山縣 紀子 学芸員

東京五輪に合わせ、「沸き立つ!昭和39年−57年前の広島−」を企画。新型コロナで中断(6月22日再開予定)していますが、7月11日まで開催予定で、7月22日〜9月5日にもパネル展を計画しています。
 市民から写真や資料を募り、①昭和39年当時の広島、②聖火リレーの構成で展示。当時のテレビ、冷蔵庫、洗濯機の3種の神器、広島駅、太田川放水路、マツダ本社工場と宇品工場をつなぐ東洋大橋などの工事写真、丹下健三氏設計の平和の灯の点灯式、福屋の増築工事、当時の八丁堀、紙屋町交差点、旧太田川沿いの原爆スラムの写真のほか、広島エイト倶楽部の聖火リレーの8ミリ映像(14分)、聖火リレー県内第1走者の三浦敬弘氏のランニングシャツ、委嘱状、聖火リレー広島県実施要項、東海道新幹線開業記念特急券、東京五輪記念鉛筆、記念硬貨、記念切手、三波春夫のレコード東京五輪音頭などを紹介しています。当時のレジャーブームを示す楽々園遊園地、元宇品海水浴場などの写真も掲示しました。
 展示している当時の広島市の地図を見ると、西は八幡川、北は祇園大橋など合併前で面積が小さく、人口は50万人を突破。敗戦から19年後の広島の写真や資料で、復興の様子を感じることができます。聖火リレーは見学者が多く、現在との意識の違いも見てとれます。私自身カープファンで、新型コロナが広がる前は年に30試合程度、球場で観戦していました。関連企画として、昭和39年に沖縄からカープに入団した安仁屋宗八さんの講演会も秋に予定しています。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
都市再生と西国街道

都市再生緊急整備地区指定を受け、老朽化した建物建て替えを含め、広島市の真ん中で再開発構想が次々に持ち上がってきた。市は、広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀地区を東西の核とし、相互に刺激し合う「楕円形の都市づくり」を進めている。面的な開発に加え、歴史と未来をつなぐ時間軸の発想も入れて奥行きのある街の実現へ、いまこそ正念場ではなかろうか。
 中区にある仏壇通りの店主や有識者らでつくる市民団体「まちなか西国街道推進協議会」(山本一隆会長)がまちづくり功労者として、国土交通大臣表彰を受けた。江戸時代に京都と太宰府をつなぐ西国街道(近世の山陽道)は、現在の猿猴橋から京橋、仏壇通り、本通、元安橋を通り、広島城の城下町を東西に貫く。広島城絵屏風などに当時の風景が描かれており、沿道には商家が建ち並ぶ、最もにぎわいのある通りとして栄えた。
 刀を差した武士、荷物を馬に乗せて運ぶ商人、立ち話をする町人、ずらりと軒を並べた店の中には職人、と現在と変わらない生き生きとした広島の暮らしを目の当たりにできる(広島仏壇通り活性化委員会の承諾を得て市作成のパンフレットより)と往時のにぎわいを伝えている。
 こうしたまちなかの歴史を可視化できないか。2016年立ち上げた準備会を重ね、18年3月発足した推進協議会の大きな目的でもあった。「楕円形都市づくり」の主軸として西国街道を位置付け、駅前大橋東詰めの歩道に西国街道案内板を寄贈したほか、市下水道局に働きかけ、西国街道をかたどったマンホールを街道沿いに配置。国交省の夢街道ルネサンス認定など、地域住民と協力しながら活動を進めてきた。一方で、西国街道の歴史を子どもたちに伝えようと広島東、広島安芸ロータリークラブと共催で小学校を対象に出前授業を開く。
 19年秋には浅野藩入城400年記念事業として、華やかな時代絵巻を再現する広島江戸時代行列を開催。徳川家康の50回忌から50年ごと、神輿(みこし)行列が東照宮から猿猴橋を経て西国街道を通り廣瀬神社まで巡行された「通りご祭礼」に倣って、広島城入城行列も併せて実施した。多くの市民が押しかけた。推進協議会の山本会長は、
「伝統的な祭りの継承のため今後も5〜10年に一度の間隔で続けていきたい。地域の文化やイベントなどのソフトを伝えていくことが街づくりにとって大切だと思う」
 街道に息づく伝統や歴史と現代をつなぐ商品化にも乗り出した。今春に街道沿いの4蔵の本州一(梅田酒造場)、蓬莱鶴(原本店)、御幸(小泉本店)、八幡川(八幡川酒造)の酒を「廣島醸酒《西國街道》四天王蔵」と銘打ち、ブランドオリジナルの統一ラベルで商品化。売れ行きは上々という。創業100年以上の仏壇製造販売の高山清は伝統工芸品の広島仏壇の漆塗り技術を生かし、家庭でも楽しめるデザイン性に優れた漆器を用途に応じて仕上げた。ほかにも商品化の動きがある。
 国土交通大臣表彰の功績概要に、「原爆により失われた街の歴史を後世に伝えるとともに、西国街道の歴史と文化を生かした新たなにぎわいづくりを推進」とある。ゆくゆくは3D画像によって西国街道を復活してもらいたい。

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