広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    広島本通商店街振興組合理事長に就任 / 高田 諭 氏
    NEWSな人
    呉事業者支援金融協など 地域経済活性化本部に手応え / 財務省中国財務局 柴田 聡 局長
    異業種コミュニティー拡大へ 広島で3拠点、会員150人超 / BNI広島 竹中 ひろみ ディレクター
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
アカプルコ / 熊谷 次郎 店主

県外からもプロレス好きが集まるメキシコ料理店。広島で旗揚げしたダブプロレスのレスラー、レイ・パロマこと熊谷次郎店主は、
「修行先のメキシコの屋台で食べた本場の味が懐かしく、川岸に夕日が沈む風景が現地と似たこの場所が気に入って2016年に開店。知らない方同士がプロレス談義や酒、料理を介してつながれる店です」
 トウモロコシ粉・マサ100%の香ばしいタコスや炎のエビのテキーラいため、赤身肉のメキシコ産牛肉ステーキなど現地を感じる料理のほか、熊谷氏の実家の醸造所が造る甘口醤しょうゆ油で味付けした唐揚げ、だしが好評なアカプルコ鍋が人気という。
「直輸入のテキーラを目当てに来るお客さんもいます。〝ただ強い酒〟と思われがちですが、地酒のように産地ごとに違う風味をゆっくり堪能してほしい。いろいろな飲み方も試してください」
 店内では迫力のあるマットプロレスイベントのほか、ミュージシャンのライブ、スペイン語講座なども行う。

    INFORMATION
  • ◆住所:中区舟入町11-14
  • ◆電話:082-554-5822
  • ◆席数:25席
  • ◆営業時間:午後5〜11時
  • ◆不定休
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
菊一堂鍼灸院 / 菊一 滋 院長

南区比治山町で鍼灸(しんきゅう)院を営み、患者さんは男女限らず熱烈なファンが多く、いつもカープ談義に花が咲きます。ケーブルテレビを契約しており、ナイター中継はほぼ観戦。毎年球場にも6試合くらいは足を運びます。私のユニホームは菊池選手です。プレーが素晴らしく、「い」を加えたら同じ名字になるので勝手に親しみを感じています。
 特定の誰かというよりチームが好きです。小学3〜4年の頃、カープが勝ったら宿題をなくす先生で、翌朝は新聞に飛び付き、カープの勝利を全身で喜んでいました。夏場は窓を開けた隣の家からもカープへの歓声が聞こえ、空き家に忍び込んで友達と遊んで怖いおじさんに怒られたら、その人が張本勲さんで。こんな環境で育ったら誰でも野球に興味を持ち、カープが好きになりますよね。
 思い出深いのは、2015年のCS進出を決める大一番で、大瀬良投手が勝ち越しを許してCSを逃した試合。私のイライラが絶頂を迎えたタイミングで、子供の寝かしつけから戻った妻からの「どうなった」の言葉に「見れば分かるじゃろうがぁ」と強く返し、妻の逆鱗に触れてしまい・・・。夫婦生活で最大のピンチでした。カープがきっかけになった夫婦げんかは意外に多いのではと思っています。
 好きだからこそ勝たないと腹が立つ。勝ったら大喜びする。広島はカープに限らず、サンフレッチェやドラゴンフライズ、ヴィクトワールなどプロスポーツが盛んです。こうやっていろいろなチームの成績に一喜一憂させてもらえることは、本当にありがたいことだと思います。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
広島の評判を上げる

何のために仕事をしているのかと一喝された。漫然と目先の業務をこなすだけでは、気付かないうちに仕事の本質を見失う。上司から予想さえしなかった大目玉を食らったことが、転機になった。
 キリンビール(東京)の企画部部長で、2020年に広島県の初代CBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)に就いた山田精二さん(57)が30代の頃の体験を明かしてくれた。営業からマーケティング部に移って4年目。上司から仕事内容を問われて、担当していた糖質オフの発泡酒「淡麗グリーンラベル」の商品開発と答え、何と大目玉。
「仕事には具体性がないといけないと思っていた。酒の業界に健康という価値を持ち込み、新たな市場を開拓するという視点が欠けていた」
 仕事への姿勢が変わった瞬間だった。糖質カットのビールはおいしくないイメージがあった当時、競合メーカー共に同ジャンルでのヒット商品がなかった。担当する商品を売るだけではなく、自ら市場を創り出す広い発想を求められた。コンセプト設計から商品開発、パッケージ、販売まで一貫した戦略をつくり、既存品の3倍を売り上げる異例のヒットを飛ばした。
 いまは企画部を引っ張り、そして月のおよそ3分の1を広島県政の仕事に充てる。
「県のブランドづくりやマーケティング戦略を加速させたいという湯崎知事から当社に打診があり、マーケティングに長く携わった広島出身の私に白羽の矢が立った。CBOの使命は広島ブランドを再構築すること。平たく言うと広島の評判を上げることです」
 ブランドづくりの前にまずは人づくり。職員にマーケティング思考を根付かせるために「CBO塾」と名付けた約4カ月1クールの学びの場を設け、各回に30代前半を中心とする10人ほどが参加。座学だけではなくそれぞれに課題を与え、最後は湯崎知事への直接プレゼンテーションで締めくくる。
「真のマーケティングは人づくりから始まると思う。さまざまな施策に取り組む職員がどのような姿勢で仕事をこなすのか。縦割りの仕事は効率的だが、一つ一つの仕事が県民の幸せにつながっているという発想が抜け落ちてしまう。まずは庁内に意識を浸透させたい。自走する組織になれば、それは大きなうねりになる」
 3月に県内外の人へ向け、広島の魅力や誇りをより感じてもらおうと「明日への元気をくれる」県という統一イメージを打ち出した。復興のエネルギー、豊かな食文化、スポーツへの情熱、都市と自然が近接した質の高い暮らしなどを元気の言葉に込めた。併せて発表したシンボルマークの活用を企業に働きかけるなど、県民一体で機運を高めていく狙いだ。
「ブランドづくりは一朝一夕に進まない。例えば居酒屋の店主は料理を提供する時に広島にまつわるストーリーを語ってほしい。瀬戸内のどこで採った魚だとか、広島の魅力を自慢してもらいたい。それだけで来店客の満足度は確実に高くなる。莫大な広告宣伝費を投入するPR手法もあるが、広島ブランドの底上げは県民の小さな積み重ねが大きな力を発揮する」
 もう一つ、カープのひと踏ん張りも期待したい。

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