広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    宿泊業務終了し夜神楽など注力 / 上田 浩史 氏
    NEWSな人
    中小企業に寄り添い支援 資質向上し活躍広げる / 広島県中小企業診断協会 井上 明雄 会長
    社長就任、商品開発に注力 グループ初のレストラン運営 / パレイヤ紀元 田川 敬祐 社長
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
鉄板焼きzaza / 髙田 敏行 オーナー

カウンター席から見える調理場で焼かれたステーキやハンバーグなどをカジュアルに楽しめる鉄板焼き店。メイン料理は肉を中心に約30種で、仕入れや仕込みは髙田敏行オーナーが自ら行う。
「口に入れた時の第一印象を大切にしており、少し濃いめの味付けにしています。おすすめはオリジナルのお好み焼き『zaza焼き』です。ふんわりとした生地にだしの味を利かせ、締めに注文する常連さんも多い。お通しで出している季節のポタージュスープもわざわざ単品で注文し直す人がいるほど人気の一品です」
 4月に店内の一角をシミュレーションゴルフスタジオに改装。クラブや手袋など一式を貸し出し、手ぶらでラウンドできる。
「グループで来店し、自分の打順まで食事をして待つなど、ゴルフ場ではできない楽しみ方も。将来的には常連さんを集めて店内でゴルフコンペも開催したいですね」

    INFORMATION
  • ◆住所:中区幟町15-9 藤本ビル2階
  • ◆電話:082-222-8883
  • ◆席数:30席
  • ◆平均予算:5000円
  • ◆営業時間:午後6~11時
  • ◆定休日:日曜
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
村上農園 / 村上 清貴 社長

サンフレッチェ広島とのトップパートナー契約に続き、女子サッカーチーム「同レジーナ」とパートナーシップ契約を結びました。5月23日に当社のロゴが胸元に入った練習着を贈呈。受け取ってくれた近賀ゆかり選手はワールドカップ日本代表など輝かしい経歴があり、チームの頼もしい存在。昨秋発足のWEリーグの成績は11チーム中6位で、今季は新しい練習着で頑張りたいと話してくれました。
 また、疾病・老化要因の発生源「活性酸素」を除去する有用成分「スルフォラファン」が豊富に含まれた「ブロッコリースーパースプラウト(発芽野菜)」を年間提供します。選手らは屋外で紫外線を浴び、激しい運動で呼吸も増えるため、活性酸素による体内へのダメージが大きくなる。日々のコンディショニングを食事面からサポートしたい。
 当社を1939年に創業した村上ナヲヨは女手一つで4人の子どもを養いながら、困難を乗り越えてきたそうです。私は物心ついた頃から、ナヲヨの姉に当たる祖母に連れられて度々、彼女の家に行きました。「〝女性だからできない〟ということはない」と語る、芯の強さを覚えています。当社は一貫して野菜の芽を育ててきました。若い芽は成長が旺盛で希望にあふれ、未来を感じます。それは人も同じ。広島から生まれた若い芽「レジーナ」の女性たちがすくすくと成長し、日本一になれるよう支援したい。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
前へ進むか、退くか

軍を指揮し、兵を前へ進めるか、退くか。とりわけ撤退戦ほど困難を極めるものはなく、戦国時代に信長、秀吉らの有名な退(の)け陣が伝わる。
 自陣を撤退させて敵兵を背にすると軍に恐怖心が走り、統率は乱れに乱れ、全軍われ先にと逃げ出す。敵兵は一気呵成(かせい)に襲い掛かり、あわや国を滅ぼす最大の危機に遭遇する。信長唯一の撤退戦で、人生最大の危機になった「金ヶ崎の退き口」は、信長が越前の朝倉義景領へ侵攻し、金ヶ崎城を攻めるさなか、背後から浅井長政の軍が迫り、極めて不利な迎撃を避けるために撤退を決意。その退け陣は非常に統率が取れており、見事だったという。
 秀吉の「中国大返し」は、信長が光秀に討たれる本能寺の変を知るやいなや、備中高松城で毛利軍と対陣していた秀吉軍を電光石火のごとく反転させ、瞬く間に山崎の合戦で光秀を破り、やがて天下へ向かう分岐点となった。
 前へ進めるか、退くか。会社存亡の岐路に立ったとき、どう采配を振るのか、企業トップの真価が問われることになる。判断を誤り、失敗すれば会社はたちまち潰れる。先を読み、見事に戦線を縮小して成功を手にした例もある。 
 門や塀などのエクステリア用の化粧れんがを製造する竹原市の松本煉瓦は1938年に創業し、64年に日本工業規格表示認可工場を取得。高度成長期の波に乗り、盛んな公共工事や住宅建設需要を受けて赤れんがを主力に20億円近くを売り上げ、全国トップクラスへ業績を伸ばした。
 だが、バブル経済が崩壊。受注量が激減し、素早く戦線縮小を決断した。松本好眞会長がいまから30年近く前、40歳で5代目を継いだ頃の話をしてくれた。
「売上高は伸びても利益が付いてこない。このままでは潰れてしまうという危機感があった。そうした折の社長就任後に、売り上げを落として利益を重視すると宣言。それから20年以上をかけて徐々に売上規模の縮小を図り、ようやく利益を確保できる経営体制になった。意図的に売り上げを減らすのは、増やすよりも数倍難しい。会社の全ての数字を細かく把握していないと簡単には落とせない。いまは少子高齢化時代。要らないものはどんなに安かろうと売れない。価値あるものは高くても売れる。一歩先を読み、体力があるうちに会社をいかに小さくできるかが重要。例えば、規模縮小によって製品供給責任や原材料高の影響も少ない。戦略なき戦いに勝算を立てることは難しい」
 赤れんが主力から脱し、いまはビンテージ調などの付加価値の高い商品開発に力を入れており、商品数は700種を超える。多品種少量生産を貫く。新たな需要を掘り起こし、見事に困難な戦線縮小を図って陣形を立て直した。昨年8月、会長に退き、長男の真一郎さんが6代目の社長に就任。意に反してか、ここ数年は売り上げ、利益共に上向きという。社長とスクラムを組む次男の真明専務は、
「増収増益は事業ポートフォリオ見直しの結果。しっかりと戦略を練り、業績を伸ばすことができた。会長の路線とは少し異なるが、いい会社にしたいという思いは同じ。親子でも見方が異なり、互いの意見のせめぎ合いが楽しい」
 強い信頼があるのだろう。

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