広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    大規模改修で2年3ヵ月ぶり再開館 / 寺口 敦治 氏
    NEWSな人
    新入社員590人迎える コロナ禍以降で最多 / マツダ 丸本 明 社長
    4月で創業100周年 オフィスづくり総合支援 / 弘法 弘法 敦志 社長
ニュース一覧
+ 続きを読む +

グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
鉄ぱん屋 弁兵衛大手町店 / 前市 朋志 店長

バルコムグループで飲食事業のバルコムエミュー(事業本部・中区立町)が運営する鉄板料理店。広島、岡山、東京に同ブランドを10店舗展開。5月に開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)を見据え、3月25日にリニューアルオープンした。
「本通商店街や平和公園などに近い立地を強みに、観光客にも一層喜んでもらいたいと県産のカキや赤鶏などを使う新メニューを用意。お薦めは、わな猟で捕獲した東広島の新鮮なシカのロース・ヒレ肉ステーキで、クセや臭みがなく、赤ワインとのマリアージュは格別です。ジビエ料理の苦手な人にもぜひ味わってほしい」
 白木の純和風から、黒やグレーを基調にしたモダンで落ち着いた内装に改装。客単価を上げて接待需要もさらに取り込みたいとする。
「当店を選んでくださるお客さまに気持ち良く過ごしてもらうため、元気にお迎えする、感謝の気持ちで丁寧に接客するといった凡事を徹底。長く愛される店づくりに努めます」

    INFORMATION
  • ◆住所:中区大手町2-7-7の1階
  • ◆電話:082-248-2900
  • ◆平均予算:4500円
  • ◆営業時間:月〜土、祝前日=午前11時半〜午後3時、午後5〜11時、日・祝日=午前11時半〜午後3時、午後5〜10時
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
和楽器集団ぐるーぷ〝樹(き)〟 / 山本 傅 代表

和楽器演奏団体「ぐるーぷ〝樹〟」の尺八奏者「山本観山」として、定期演奏会や小・中学校での和楽器鑑賞会、海外公演などの演奏活動を長年にわたり続けています。
 学生運動などが盛んだった1972年、流派にとらわれない自由な音楽グループを立ち上げたいと、広島大学の現役学生やOBら8人で樹を結成。卒業後は広島アルミニウム工業に勤めながら音楽活動を両立してきました。安佐南区長束の工場で「無水鍋」の開発、製造、販売に携わり、定年まで勤務。若い頃は宇品から通勤しており、市民球場付近でバスを乗り換えていました。ルーツ監督から始まる黄金時代が到来すると、それまでにない球場の盛り上がりを感じましたね。カープは試合成績よりも「人」に興味があります。新監督が就任すると、その人の人生のストーリーや選手時代に逆境を乗り越えてきたエピソードをテレビや本などで情報収集し、自分自身の生き方にも照らし合わせる。そういった意味で新井新監督には本当に濃い人生の物語があります。だから今季は監督へ注目していることはもちろん、その弟分でもある堂林翔太選手の活躍も見たい。努力の成果が花開いてほしいですね。
 樹のメンバーは現在8人で、昨年に設立50周年を迎えました。それぞれ仕事・家庭もありながら、助演で駆けつけてくれるOBもいて、人と人との支え合いで続けてこられました。メンバー全員で、カープを応援しています。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
酒中在心

酒造業界に衝撃が走った。時代とともに昔ながらの職人芸が失われていく中、国内で唯一、日本酒の仕込みなどで使われる大きな木桶(おけ)を造る藤井製桶所(大阪)が近く廃業する。部分的な機械化を取り入れてきた酒蔵が多い一方、木桶を使う手作業ならではの味がある。
 賀茂鶴酒造(東広島市西条本町)は酒米を蒸す「こしき」と呼ばれる容器に大型の桶を使用。吸湿性や保温性が高く、木製にこだわる。桶の周囲に巻く竹製の輪は約3年で取り替えが必要で、桶そのものも定期的に補修しなければならない。藤井製桶所の方針を2018年に知り、社員が自らやるしかないと「木桶制作プロジェクト」を発起した。手造りの酒に豊富な経験を持つ3人でスタート。大阪から職人に足を運んでもらい指導を仰いだ。補修技術を学んだほか、小さな木桶を実際に制作。それを使い、全て手作業で天然の乳酸菌を取り込みながら酵母を造る伝統的な「生酛(きもと)造り」の商品化にこぎ着けた。同社が大切にしてきた言葉「酒中在心」を冠する新4銘柄を昨年11月に発売し、このうち生酛造りは特別純米酒「藍(あい)」、純米吟醸「橙(だいだい)」と名付けた。併せて県内の他の酒蔵の木桶補修をこなすなど、経験を積んだ。
 昨夏には藤井製桶所に通い、大きな木桶制作に挑戦。ところが、最初に木を荒削りする工程からして難しい。その次は、貼り合わせるときに隙間がないように木板を削る「かんな掛け」。刃を通す位置を微調整しながら試行錯誤し、中の水が漏れない出来に仕上げた。その後、さまざまな工程をみっちりとたたき込まれ、10日かけて完成。プロジェクトメンバーで製造本部醸造蔵課長補佐の中須賀玄治(げんじ)さん(38)は、
「どういう酒を造りたいかによって適した器具がある。こしきを金属製に変える選択肢はあり得なかった。熟練の職人に太鼓判を押してもらい、達成感とうれしさがこみ上げた。大型桶の使い道は未定だが、いつか地元原料で生酛造りの第2弾を出したい」
 同じ蔵元でも造り方や器具の違いが多彩な味わいを生み出し、桶一つ妥協しない。9月に創業150周年。酒造りに心を込め続ける。
初の合同蔵開き
 東広島市の酒蔵10社は4月の土曜に、新酒ができたことを祝う蔵開きを初めて合同で開いている。
 各蔵が週替わりで限定酒の販売や試飲会、酒蔵見学を行う。普段は日本酒を飲まない人でも楽しめるようにワークショップやデジタルスタンプラリーなども実施。1日に賀茂鶴酒造と福美人酒造、8日に白牡丹酒造と西條鶴醸造、山陽鶴酒造が担当し、盛況だったよう。続いて15日は賀茂泉酒造と亀齢酒造、22日は柄酒造と今田酒造本店、金光酒造。福美人酒造と白牡丹酒造の社長を兼務する島治正(はるまさ)(57)さんは、
「毎年秋の酒まつりは大勢の人でにぎわうが、今回は分散型のため、来場者一人一人と落ち着いて話しやすい。われわれのこだわりを深く知ってもらい、酒蔵全体の振興とファン開拓を目指す」
 3月に国は「伝統的酒造り」をユネスコ無形文化遺産に提案しており、来年11月ごろに審議される見通しという。5月開催のG7広島サミットを皮切りに、ユネスコ無形文化遺産、25年の大阪・関西万博と国内外へ日本酒のうまさを伝える好機が続く。

一覧に戻る | HOME