ヒロコシグループのクラブで、広島を代表する老舗の社交場として開店から約53年間にわたり、優雅で洗練された格式ある空間を提供している。昨年6月5日に小ママに同時就任した宮田りえさんと中島せりさんは、
「広島の経済界を支える多くの皆さまにご愛顧いただいており、その伝統と歴史をしっかりと引き継いでいきたい。長い歴史の中で培った店の品位を大切にしながら、お客さまにご満足いただける上質なサービスと心温まる接客を提供してまいります」
就任から半年がたち、気持ちに少し余裕が出てきたというりえ小ママは、
「最近のマイブームは美容研究。SNSやインターネットで情報検索にいそしんでいます。広島の経済ニュースや飲食店情報なども併せて確認するようにしており、それがまた新しい発見につながっています。カキと生ハムが好きなので、お気に入りの店を見つけたいですね」
今年は登山に挑戦したいというせり小ママは、
「趣味の神社仏閣巡りは山あいが多く、登ってみたいと思うようになりました。今月下旬には、弥山の紅葉谷コース(休憩含め約1時間半〜2時間)に挑戦予定。山登りグッズ一式を購入したので、しっかりと使い方を調べてから臨みたいと思います」
昨年9月30日〜10月1日、障害の有無に関わらず誰もが楽しめる「インクルーシブ・スポーツ・フェスタ広島2023」を初めて開きました。東広島市の運動公園をメイン会場に、周辺の呉、竹原、三原、三次市、大崎上島、世羅町で16競技の体験会やトークイベントなどを実施。
東京五輪・パラリンピックではボッチャの古満渉選手、やり投げの白砂匠庸選手ら広島県出身の日本代表パラアスリートも大いに活躍し、多くの関心を集めました。この機運を一過性にせず、さらに広く伝えたい。「インクルーシブ」の言葉には、あらゆる垣根をなくして共生社会をつくりたいという思いを込めています。フェスタには両名に加えて走り幅跳びの中西麻耶選手や車椅子バスケの香西宏昭選手のほか、元カープ選手の安部友裕さん、ヴィクトワール広島の宮﨑健太選手、広島ドラゴンフライズの朝山正悟選手も来場。障害のある人の家族や友人、職場の仲間、ボランティアや観客などを含む約3000人が参加。まさにインクルーシブの理念通りに、あらゆる人が一緒に楽しみ、体験を共有できました。来年以降も、県内を四つのエリアに分けて順次開催する予定です。
スポーツには社会を変える力があります。この平和都市広島で、皆で一緒にインクルーシブ・スポーツを楽しむ意義は大きい。オールエイジ・オールワンの共生社会の実現に向けて、今後も力を尽くしたいと考えています。
儲かるなら何でもやる。本当かと思うほど悪質な手口で企業の不祥事が相次いだ。ビッグモーターの自動車保険の保険金不正請求は、靴下に入れたゴルフボールで車体をたたき、ドライバーで傷つけるという卑劣なやり方が露見した。こともあろうに謝罪会見で経営トップは「ゴルフを愛する人に対する冒涜です」と語り、世間を唖然とさせた。
ダイハツ工業は最も大事な車の安全性を軽視し、衝突試験などで認証不正が発覚。生産停止に追い込まれた。こうした不祥事の裏側に経営者の身勝手や業績ファーストの考えが透けて見える。
一体何のための経営か。社員の幸せのためならと、骨身を削る中小企業経営者は多い。儲かるなら何でもやるという考え方とは遙かにかけ離れる。とんだ勘違いから経営を危機に追い込んだ責任をとるすべなどない。
政界も混沌としてきた。G7広島サミットで岸田政権の支持率が上向き、長期政権さえ期待された。だが自民党派閥の政治資金問題を巡る事件で支持率が急降下。自民党におごりや油断はなかったか。まさに天網恢々疎にしてもらさず。国、人を導く大役を背負った政財界リーダーの謙虚さ、自ら襟を正す心構えはどこにいったのだろうか。
これで満足だと言う時は衰える時である。天命を楽しんで生きることが処世上の第一要件である。日本資本主義の父と称された渋沢栄一の言葉という。昨年は政界、経済界に多くの教訓を残した。
さて、新年はどうか。ひろぎんホールディングスの経済産業調査グループ長の河野晋さんは、
「今後も緩やかな回復基調をたどると予想している。物価上昇率を上回る賃上げを実現できるか、大きなポイントになりそうだ。人手不足はますます深刻で、賃上げを促す要因になると思う。コロナ禍を脱して上昇していた消費マインドは、7月をピークに物価高などにぶつかって低下に転じていたが、賃上げで家計が豊かになり、消費を促し、企業収益が上向く。こうした好循環に乗せることができるのか、どうか。反対に物価上昇が続き、賃上げが抑えられると消費が下振れする可能性もある」
同経済産業調査部のアンケート調査では、2024年度に「賃上げを実施する方向」と回答した企業が8割近くを占め、賃上げの機運は維持されている。
大企業を中心とした業績は好調で、企業の内部留保は過去最高水準に達している。これらを背景に設備投資意欲は強く、競争力強化に加え、生産性向上に向けた合理化、省力化などの設備投資は底堅く推移するとみられる。
広島県の輸出は円安の進行と単価改善などにより、コロナ禍前の19年を大きく上回って推移。米国向けは半導体不足を解消した自動車が上向く中で底堅い。しかし世界経済の減速と緩やかな円高推移が見込まれており、全体では横ばいを予測。
やはり広島サミットの効果は大きい。行列ができる平和記念資料館の入館者、宮島の来島者共にコロナ禍前の水準を上回り、宿泊者数もインバウンドを中心に前年比2桁の増加が続く。街中では外国人観光客が目立つ。サッカースタジアムの開業などで観光関連はにぎわいそうだ。だが油断はできない。人手不足をどうやって解消するのか、多くの難問を抱える。天命を楽しんで生きる覚悟こそ先決か。