広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    4月に創業50年 / 野口 琢史 氏
    NEWSな人
    中小企業の事業承継に特化 「あきらめ廃業」減少目指す / スエナガ会計事務所 末永 寛 代表税理士
    昨年12月で開設1周年 10年後の広島を動かす〝場〟へ / Hiromalab 原 晃太郎 施設長
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
ギョーザ倶楽部 / 田部 可奈子 店長

2023年7月にオープンした居酒屋。野菜や肉と一緒に焼きそばとソースを包んで焼く看板メニューの「広島お好み焼餃子」を中心に、シソ、ショウガなど定番6種を提供している。
「広島お好み焼餃子は上からソースとマヨネーズ、青のりをかけて提供するので、ギョーザというより一口サイズのお好み焼きを食べる感覚。粉物感がないので酒はもちろんご飯にも合います。最も多い客層の若い女性の中で、一番人気はシソギョーザ。あっさりとした味わいで、ゆでた水ギョーザでの注文も多いです」
 中国やタイの銘柄も置くビールほか、日本酒、ハイボール、チューハイなどを扱う。午後2〜5時は一部ドリンクを300円で提供している。
「ギョーザ1皿とお酒を1〜2杯だけ頼む『サク飲み』のお客さんが大半ですが、飲み放題付きのコース料理があるので、貸し切りで20人前後の利用もできます。地下に店舗があって初めての人には入りにくいとも言われますが、気軽に足を運んでほしい」

    INFORMATION
  • ◆住所:中区袋町1-14 RYUSEIビル地下1階
  • ◆電話:082-245-5877
  • ◆席数:24席
  • ◆平均予算:3000円
  • ◆営業時間:午後2〜11時
  • ◆定休日:火曜
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
サンセイ工業 / 三宅 秀信 社長

テントフレームの製造販売をメインに、屋外広告看板などのデザイン設計・施工と、板金・パイプ加工技術を生かした製品開発などを手掛けています。加工時に出る廃鉄、廃プラスチックを活用したテント用重り「SDGsウエイト」を開発し、今年から販売を始めました。支柱に巻く直径10センチの縦型で幅を取らず、本体にロゴなどを入れられるうえ、アップサイクル品ということで好評をいただいています。
 根っからのカープファンで、テレビ中継を見るために家族とチャンネルの取り合いなどをしていた頃が懐かしい。今は少し落ち着きましたが、「勝った」、「負けた」と試合結果に一喜一憂し、新聞はスポーツ面から開いて、カープが負けた翌日は見ない。取引先とも試合の話題があいさつ代わりでした。
 会社ではフルオーダーのイルミネーションも製作しており、年末に広島市中心部の平和大通り沿いをライトアップする「ひろしまドリミネーション」にも関わっています。カープの赤いヘルメットやスライリーのイルミネーションはうちの工場で作っており、毎年展示されているようでうれしいです。この立体作品の実績から、今冬初めてお披露目されたサンフレッチェ広島のキャラクター・サンチェ君の製作も承りました。2年目となるカープの新井監督は県立広島工業高校の後輩でもあり、頑張ってくれるよう応援しています。優勝したら何か作れるように、今から考えておきたいですね。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
新しい日本をつくる

人口減と少子高齢化に歯止めがかからない。厚生労働省が発表した人口動態統計の速報値によると、2023年生まれは75万8631人で過去最少を更新。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口では70年に8700万人となり、20年の1億2615人に比較して3割減。50年の生産年齢人口は21年に比べて2175万人減る。
 高度成長期を支えた人口ピラミッドが逆転。あらゆる分野で人手が足らなくなり、従来の雇用形態が根底から崩れる。企業は今後、持続的な発展をどう確保していけばよいのか、かつて経験したことのない難問にぶつかる。
 西日本海外業務支援(協)(通称=西海協、安佐南区伴南)は02年に設立以来、累計で7000人以上の技能実習生・特定技能外国人を受け入れてきた。全国の38都府県で90職種のうち35職種(47作業)に実績があり、組合員数は1月現在で155社。在籍者は2000人を超え、西日本で最多規模へ成長を遂げている。首都圏や全国展開への足掛かりをつかむため、22年に東京事務所を開設。今年1月にはベトナム・ホーチミン市に「アセアン事務所」を開いた。池田純爾理事長は、
「現在、最も多く受け入れているベトナムの送り出し機関と組み、一定水準の人材を掘り起こしていく。現地の大学や高専との提携も視野に入れており質の高い、安定した教育を行った上で送り出す体制を構築していきたい」
 在留資格を持ち国内で就労する外国人数は昨年10月時点で初の200万人を突破した(うち技能実習生41万人超)。40年には3倍強の674万人と予測されている。
 日本で習得した技能を母国で生かすことを目的に、1993年に創設された外国人技能実習制度が実態とそぐわなくなってきたことから発展的に解消し、外国人の人権保護やキャリアアップ、安全安心に暮らせる共生社会に重点を置く制度整備の方針が昨年11月に打ち出された。日本人だけで企業活動を続けることが難しくなってきたという認識が背景にある。
 西海協は、母国と異なる日本の生活様式や日本語の習得を重視しており、N1〜4合格者数は昨年12月現在で2912人を数える。安佐南区の研修施設でゴミ分別や自転車講習、防災教育など体験型指導を徹底。習慣や文化の違いから起こるささいな行き違いを未然に防ぐだけでなく、制度の見直しを見据えながらキャリアアップやキャリアパスを通じて〝自立できる外国人材〟を輩出するための体制整備を急ぐ。
「小さなほころびが大きな分断につながる。誰しも言葉が通じないことで起こる悲劇には遭いたくない。国籍の異なる人々が仲良く暮らす共生社会をつくることが最も大事。国内で就労する外国人はますます増えていく。これまで重ねてきた実績と培ったノウハウを生かし、いま新しい日本をつくる気概が必要と思う。新しい制度を契機とし、多くの国、人から選ばれる日本の受け入れ態勢を整えていくために力を尽くしたい」
 外国人材の確保をめぐって国内外で競争が激しくなると予想される。安心して働き続けられる包括的サービスの提供とともに、やりがいのある人生設計を自由に描くことができる生き方を後押しする。自立こそ誰もが願う本来の姿ではないだろうか。国籍を超えて助け合う、心が通う社会を失ってはならない。

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