広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    沼田工場で電動駆動ユニット部品生産へ / 鵜野 徳文 氏
    NEWSな人
    広島に拠点開き60周年 さらなる街の発展へ貢献 / 三井不動産 中国支店 中田 聖志 統括
    国主導の書店振興に参画 独自プロジェクトも推進 / 中国経済産業局 伊東 直人 係長
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
小料理屋 永山 / 永山 龍之助 店主

自家製だしで素材を生かした、具だくさんのみそ汁とおにぎりに定評のある創作和食店。水〜土曜の午前7時半〜9時は旅館をイメージする定食「永山の朝ご飯」(1500円〜)を用意。ぬか漬け入りの豚汁など数種類から選べるみそ汁、焼き魚、茶わん蒸しなどが付く。主に観光客向けで、涼しくなる秋から本格的な集客を図る。
「ぬか漬けは腸活に良いとされ、朝食にぴったり。昼は季節の野菜を使った選べるみそ汁とおにぎりの定食を提供し、秋は『里芋、さつまいも豚バラの豆乳味噌汁』(1900円〜)などの期間限定メニューを出します」
 夜は旬の食材を使い、日本酒に合う刺身や天ぷらのほか、客の好みに合わせて味付けや調理法をアレンジする一品を用意。素材のうまみを最大限に引き出す。
「秋には北海道の黒王カボチャや、大阪府富田林産エビイモを使います。家で作れそうで作れない、シンプルながらも少し変わった料理で、お客さまに驚きと感動を与えたい」

    INFORMATION
  • ◆住所:中区胡町2-24の5階
  • ◆電話:082-236-8717
  • ◆平均予算:7000円(夜)
  • ◆座席数:15席
  • ◆営業時間:午前10〜午後2時半、午後6〜10時
  • ◆定休日:日曜、祝日の月曜
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
ラフテル / 長野 竜二 社長

パーソナルストレッチ&トレーニングスタジオ「トリム広島」を段原南と的場町で経営。島根県松江市出身で野球少年だった私は開星高校時代に甲子園に出場したほか、広島経済大学時代にも全国大会を経験。高校では梶谷(巨人)、大学では柳田(ホークス)という素晴らしい選手たちと共にプレーできたことも私の財産であり誇りです。
 高校野球部恩師の野々村直通先生の「挑戦をやめること、それは退化だ」を今も教訓とし、日々チャレンジを続け今春はトレーナーとしてメジャーリーグのスプリングトレーニングに参加。テクノロジーの進歩と現場での実用化に衝撃を受け、心の底からワクワクしました。加えて意外にも基礎練習ばかり。印象的だったのはバックハンドキャッチ練習の多さです。華麗な守備の裏には、こうした地道な積み重ねが欠かせないのだと痛感。アメリカの大学で指導現場にも立ち、個々の能力評価の重要性やトレーニングの選択、競技ごとのピリオダイゼーション(トレーニング計画)を学んでいきました。こうした経験を基に9月11日、「パフォーマンスラボ トリム広島 松川店」を新規開店。運動パフォーマンス向上において密接な関係を持つ床反力が測定できる機器などを備え、トップアスリートに対応する最先端のコーチングを目指します。
 カープでは私と同じ二塁手の菊池選手に注目。唯一無二の守備でお金を取れる選手ですね。いよいよシーズン佳境。ぜひ優勝をつかんでもらいたい。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
廿日市市の挑戦

廿日市市に入り、西広島バイパス下りの佐方サービスエリア付近に差し掛かると右手に、山肌があらわになった大規模な造成工事現場が視界に飛び込んでくる。
 同バイパスと山陽自動車の宮島サービスエリアの間に広がる一帯約70ヘクタール。市を含む地権者で構成される平良丘陵開発土地区画整理組合が事業主体となり、総事業費169億円で工業および観光交流の施設用地(各約15ヘクタール)整備へ、造成工事に昨年5月着工、2026年度完了する運びだ。
 既に工業団地は市内外から約20社の進出が予定されているという。観光交流施設は200室規模のホテルや温浴施設、レストラン、スイーツや調味料体験エリアなどを設け、29年度の開業を目指す。〝食と癒やし〟をテーマに地域資源を生かした複合リゾート施設を全国展開するアクアイグニス(東京)などで構成される合同企業体で運営を検討している。年間約400万人の誘客を見込み、約200億円の観光消費増加を試算する。
 アクアイグニスの立花哲也社長は昨年7月にあった記者会見で海のカキやレモン、酒、木工など豊富な特産品の魅力を挙げ、廿日市に寄せる思いを述べた。地元に根差す個店を大切に地域一体となった、にぎわいのある整備構想を描く。昔食べた町の中華そばの味が忘れられないという。関連業務を一括代行する西松建設はテナントリーシングへ地元の味を探索中。
 そこから車を十数分走らせると瀬戸内に浮かぶ宮島が左手に見えてくる。今年の来島者は最多を記録した19年の465万人を上回る勢いだ。昨年5月のひろしまG7サミットを機に欧米中心にインバウンドも増え、島の宿の稼働率も高水準で推移している。
 宮島の東部にある包ヶ浦自然公園の開発計画をめぐり、賛否両論が渦巻く。自然公園は旧宮島町が1978年に開園。15.5ヘクタールにケビン31棟やキャンプ場などを備え、海水浴場としてピーク時には年間16万人が訪れた。近年は利用が落ち込み、3月末で有料施設の利用を停止。2022年2月、観光庁事業に採択されて市は富裕層狙いの宿泊施設誘致へ、26年度開業を目途に公募型提案制度で事業者を選ぶ方針を固めていた。
 包ヶ浦は1870年代後半から開墾が始まり、1900年代に広島湾要塞の一部として鷹ノ巣浦に砲台を建設するための軍用地となった。26年以降から45年まで広島兵器廠だった歴史がある。
 市有地10.8ヘクタール、残りが国有地。誘致計画は1部屋10万円以上を想定し、新たな来島者を掘り起こす狙いだが、反対の声が上がり、島民の70%以上を集めた総数1万3815筆の署名を町議会へ提出。計画はいったん凍結し、協議を重ねて関係者の意見や要望を受け止めながら新たな展望を探る状況だ。
 もう一つ。宮島を望む県内唯一の宮浜温泉街は新たな源泉の配湯工事を来年度に控える。市と6温泉宿泊施設でつくる組合は2037年までを想定した「活性化基本構想」を実現すべく、温泉街のブランド化に乗り出した。散策が楽しめ、地元食材を使った宿泊プランなどを検討中だ。
 観光振興と移住定住促進を目指す市の宮島まちづくり基本構想を具現化するプロジェクト「千年先も、いつくしむ。」も動き出す。守るべきもの、伝えるべきもの、できることがあるとうたう。将来の発展を引っ張るプロジェクトがスタートラインに立つ。

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