昨年7月に開いた創作ビストロ。日本・フランス料理店で計10年間修行したシェフが両国の技法を生かし、東広島産鹿ロースとフォアグラを使ったロッシーニをメインに据えた季節のディナーコースなどを提供する。「食卓になじみのない鹿ロースはくせや臭みがなく、ジビエが苦手な方でも食べやすいと好評。また、仕入れ野菜の3割を占める廿日市市産は風味の持ちが良く、炒める技法が多いフレンチとの相性が良い。味付けにも宮島蜂蜜や吉和のワサビを取り入れるなど、とことん地物にこだわっています」 夕食難民が現れるほど終日観光客でにぎわう宮島に比べ、対岸の宮島口は通過点に過ぎず滞在時間が短いという。ふらっと立ち寄った客にも満足してもらえるよう、瀬戸内産鮮魚のポワレなど40種類以上の単品メニューに加え、予約なしでも提供できるコースを用意する。「旅や特別な日の思い出の一つとしてお客さまの記憶に残る、そんなビストロであり続けたいです」
三次市出身で〝広島を愛するシンガーソングライター〟として活動し、RCCラジオの冠番組「佐々木リョウのバリAじゃんラジオ」がおかげさまで12年目に突入しました。 小学校の卒業文集に「将来はプロ野球選手か名音楽家になりたい」と書くほど野球が大好きで、昔は芸備線を使って小旅行のような感覚で市民球場へ足を運んだのが良い思い出です。時を重ねるうちに歌手としての夢を追いかけ、2007年に上京。10年に帰広した後、地域に根付いた活動が実を結び、私の楽曲が14年に岩本貴裕選手の登場曲に選ばれたほか、念願だった国歌斉唱を2度も務めさせてもらった。中でも忘れられないのが2度目となった22年8月6日のピースナイター。当初は被爆3世として国歌斉唱のみを担当する予定でしたが、始球式の登場予定者が急きょ参加できなくなり、私が両方を担うことに。通常ライブの10倍以上の観客数で、口から何かが出そうなぐらい緊張しましたね。ですが投球前にアンダーソン投手から片言の日本語で「ガンバッテネ」とエールをもらったおかげで、少し肩の力が抜けた。結果はワンバウンドしましたが、球場の土の付いたボールを記念に頂け、今では一生の宝物となっています。 過去にご縁のあった岩本選手と同じ背番号の佐々木泰選手は名字も同じで運命を感じ、注目しています。今年は被爆80年の大きな節目、ぜひ首位奪還を果たしてほしい。
聖路加国際病院の循環器内科医師だった日野原重明さんの提唱により、2000年9月に「新老人の会」が発足。17年7月に105歳の天寿を全うされた後も、全国21カ所で活動が継承されている。 脳神経疾患が専門の医療法人翠清会(中区)会長で梶川病院名誉院長の梶川博さん(86)は、かつて同会中国支部の運営に携わり、いまは本部東京の会員として今年1月発行された会報誌に日野原先生との出会いや、心に残る思い出などを寄稿している。 梶川さんは修道中・高等学校を経て、1963年に京都大学医学部を卒業。当時、卒後インターン制度があり、聖路加国際病院で1年間研修を受けた折、循環器内科で日野原先生の薫陶を受けたことに始まり、01年12月には広島で先生と会食の機会に恵まれたことや、新老人の会の話題などに触れており興味深い。 なぜ、新老人と呼ぶのか。世界のどこよりも早く超高齢化社会に突入した日本人の75歳以上は国民の寿命が延びたことで生まれた新しい階層とし新老人と名付けた。会の理念は「愛し愛されること、何か新しいことを創(はじ)めること、苦難に耐えること」の三つ。いままでやったことのないことをする。会ったことのない人に会う。これが若さを保つ一番の秘訣という。どれもこれもシンプルだが、いざ、やるとなるとそう簡単ではなさそうだ。 日野原さんは90歳になったとき、何か新しいことを創めたいと思い立ち、新老人の会を創設した。シニア会員になれるのは75歳以上。60〜74歳はジュニア会員、60歳以下をサポート会員とし、女性のジュニア会員がそう呼ばれて大いに喜んだという。 老人という文言には、人生経験を重ねた思慮深いという畏敬の念が入っている。ところが政府は75歳以上の人を後期高齢者と呼ぶ。あれはダメです。高齢者を前期と後期に分けて線引きする役人の発想です。そう呼ばれた人がどう感じるのか、人の気持ちを考えていない。 これは日野原さんの指摘だが、共感し、後期とは何事かと憤慨されている方も多いのではなかろうか。 昨年12月に翠清会と梶川病院「開院45周年記念誌」が刊行された。A4判・505ページの大作である。梶川さんの歩みや著書、論文、翠清会の沿革と関連施設なども収録。日本医師会最高優功賞を受けた時の晴れやかな祝宴会を収めた写真もある。 座右の銘はこれまでに多数あったが、好きな言葉として「やってみせ 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば 人は動かじ(山本五十六)」「私は教師ではなく、道を尋ねられた同伴者にすぎない(バーナード・ショー)」「勉強、勉強、勉強のみが奇跡を生む(武者小路実篤)」などを上げる。最近では「人はその日の朝よりも夜のほうがより偉くなっている」「私は昨日よりコツや欠点がわかって上手になった」の言葉を人に奨めているという。ゴルフは昨年7月に市内ゴルフ場で82のスコアをたたき出す快挙を成し遂げた。コツコツと有言実行されているのだろう。 少し気が楽になるメッセージもある。物忘れ(認知症)を何とかして改善したいと思うのが人情だが、そのネガティブの面を強調するのではなく、長生きの同伴者、長生きのご褒美と考えてみてはと助言する。いまを楽しく、上手に暮らす。そうそうは、かなわない境地に思える。