広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    11月に創始300周年 / 林 正夫 氏
    NEWSなひと
    6月に社長就任、新事業を模索 ストックビジネスやエリア拡大 / 中国電設工業 芹澤 哲也 社長
    食品事業を分社化 現場の声、開発に生かす / サタケフードビジネ 大塚 隆弘 社長
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
SOKO CAFE / 平田 大樹 マネージャー

今年3月、広島城の三の丸エリアにオープンした、広島ゆかりの武家茶道・上田宗箇流が監修したカフェ。中国放送の関連会社COCONと中国四国博報堂が共同運営する。
「敷居が高いと感じがちな茶道をカジュアルに、気軽に楽しんでもらうがコンセプトです。スタッフが説明しながらお茶をたてたり、体験セットを用意しており、外国人観光客に人気です」
 茶は上田宗箇流で実際に使われている宇治園製茶(尾道)と一保堂茶舖(京都)を使用。スタンダードな薄茶と、とろりとした請茶のほか、ラテやフロートなども用意。季節ごとの和菓子や旬月神楽(中区)オリジナルのどら焼きなどと提供する。武家・茶道文化に触れてもらいたいと、入り口には陣幕、店内には茶杓「敵かくれ」にまつわる壁画、湯を沸かすための車軸釜、掛け軸を設置するなど、内装にもこだわった。
「広島の歴史と文化を感じられる場所。周辺のにぎわいづくりにも貢献したい」

    INFORMATION
  • ◆住所:中区基町21-7-2
  • ◆営業時間:午前10時〜午後6時
  • ◆定休日:不定休
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
(合同)ほこり / 西渕 絵美 代表

小学校から高校までバレーボールに打ち込み、大学でも続けるつもりで2014年に大阪体育大学に入学しました。しかし、入ったのは女子軟式野球部。私の人生はカープに、いや、大瀬良大地投手に変えられたのです。
 きっかけは13年秋のプロ野球ドラフト会議。3球団競合の末、カープは大瀬良投手を1位指名しました。それまで特に野球に興味はありませんでしたが、報道で大瀬良投手を見て格好良い顔に一目ぼれ。家族とのエピソードなどを調べるうちに人柄も好きになり、のめり込みました。しかし、プレーの話になると知識がなくさっぱり。野球の苦楽を理解して、ミーハーなカープ女子を脱却したいと、大学で野球への挑戦を決意しました。
 バレーの経験から俊敏性と落下地点の予測に長けていたようで、外野手として精進。全国大会にも出場しました。卒業後は広島市内で就職し、社会人野球サークルに参加。21年にはチームの代表の紹介で、現在執行役員を務める清掃業のSanDENへ入社し、24年に同社の出資を受けて寝具清掃の「ほこり」の起業に至りました。また同年、チームメイトと結婚。大瀬良投手が私と野球をつないでくれたおかげで、今の人生があります。現在は年に約15試合をマツダスタジアムで観戦。もちろん背番号14のユニホームを着て行きます。
 夢は大瀬良投手とのキャッチボール。頑張っていれば実現すると信じ、野球にも仕事にも打ち込み続けます。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
勇気をもらう(下)

40、50代になっても何にも分かっとらん。筆者が40代半ばの頃、ある経営者の言葉を聞いて驚いた。そんなことはないだろうと思ったが、いまになって何にも分かっていなかったことさえ、分かっていなかったことに気付く。それだけに40、50代は瞬発力、行動力が生まれるのだろう。そうして経験を重ね、少しずつ思い当たることが増える。
 融資の仕事なんて簡単だと勘違いしていた。広島市信用組合(中区)の山本明弘理事長が入組して間もない頃、資金を求めて来店される人がみな、深々と頭を下げる。それを見て、人の役に立つことができる融資の仕事に魅力を感じ、願って配置転換してもらった。ところが毎日、何軒訪ねても門前払い。
「当社のメイン銀行はどこどこだから、早よう帰りんさいと追い返される。これが骨身に応えた。お金は貸すのではなく、借りていただく」
 と気付く。ある中小企業経営者の考えに共感し、融資担当の上司に向かってけんかせんばかりにねじ込み、融資にこぎ着けた。その後、その会社がどんどん成長し、心底うれしかった。借りていただいて喜んでもらう。むろん失敗もあっただろうが、会社も社員もみんな元気になり、そうして多くの会社が発展していく姿を目の当たりにした。何よりのやりがいだった。
 「融資はロマン」という言葉に感謝の思いも込める。そうした一つ一つの融資、営業体験に知と情が通う。わが信用組合には誰一人、融資の仕事を疎かにする者はいないと言い切る。
 職員の待遇改善にも意を尽くす。来店客にはむろんのこと、職員も気持ち良く働けるようにと古くなった支店は次々建て替えた。全35店舗のうち、2014年6月に移転開店した東雲支店に次いで可部、宮内、広、駅前、己斐、海田、五日市、府中、薬研堀と順々に竣工。さらに今年9月には南支店、12月に鷹の橋支店、来年10月に戸坂支店、再来年6月に古江支店と移転開店を計画するほか、向洋、大河、江波、出島、安支店も移転や建て替えを予定。職員のうれしげな顔に勇気をもらうという。
 多くの金融機関が効率化で店舗や施設を縮小する中、働く環境整備に積極投資する。給与の引き上げはむろん、諸手当を基本給へ振替えるなど継続的に待遇改善を図る。
 24年間に貸出金残高は約2213億円から約8048億円と3.6倍強に。預金残高は約2794億円から約8839億円と3.1倍強に。従って預貸率は79%から90%へ。いずれも飛躍的に数値を伸ばす。働く意欲と業績の好循環をもたらし、預金と貸金の本業一筋、現場主義といった特有の経営が信組界からも注目されており、各地から講演依頼が舞い込む。
 山口県宇部市出身。宇部高校では野球部で汗を流し、専修大学経済学部へ。1968年に同信用組合に入り、2005年6月に理事長に就く。宇部高校は逸材を多く輩出している。総理大臣の菅直人、ノーベル賞受賞者の本庶佑、ユニクロを経営するファーストリテイリング創業者の柳井正、映画監督の山田洋二ら、そうそうたる顔ぶれだ。広島で同級生との再会があった。6月12日号本欄で紹介したデータホライゾン(西区草津新町)顧問の吉原寛さんは京都大学から大手製薬メーカーを経て同社に転職。時間を縫って旧交を温めるときが何より。かみしもをほどく。

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