広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    事業再構築計画を始動 / 福原 治彦 氏
    NEWSなひと
    「旅行の友」記念日登録 時代に合わせ新商材開発 / 田中食品 田中 孝幸 社長
    トップスポーツチームが協力 互いの課題共有 / ヴィクトワール広島 中山 卓士 GM、福山シティFC 新谷 まみ 事業本部長
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
クレープ&ジェラート Ciao(チャオ) / 田中 水城 オーナー

おばんざい椿(中区流川町4―16)を営むオーナーが9月24日にオープンした。クレープは1番人気の「クリームチョコバナナ」(650円)や「季節のフルーツクレープ」(800円)など23種、ジェラートはミルクや抹茶、キウイなど約15種類をそろえる。
「料理好きが高じて新たなチャレンジをしたいと出店。イタリアで修行を積んだシェフからレシピ提供を受けました。クレープはもちもち生地で、クリームやフルーツをたっぷり使い、食べ応えを意識。甘い系だけでなくおかず系も豊富にそろえています」
 広島電鉄宇品線県病院前、イオンみゆき店そばに立地。周辺には県立広島大学や広島大学付属中・高校があり、学生や子ども連れが多い。地域に根付き、親しまれる店が目標。市内中心部にクレープ店が少ないことから、将来は本通辺りでの出店やFC加盟店の募集も構想する。
「食べることは生きることが私の理念。食を通じて何気ない日常にワクワクや幸福を届けられたらうれしい」

    INFORMATION
  • ◆住所:南区宇品御幸1-9-14
  • ◆電話:082-909-9340
  • ◆座席数:イートインあり
  • ◆営業時間:午前11時〜午後7時
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
ユニレク / 黒口 慎也 代表

ビジネスや育児、居心地良い空間を表すヒュッゲなどがテーマの交流会、カメラサークルや演奏などのコミュニティープラットフォーム「ユニレク」を2013年から運営しています。スポーツ分野はバスケ、バレー、フットサル、バドミントン、テニスといったメジャーなものから、ボルダリングや雪合戦を模してソフトテニスボールを投げ合う競技などと多彩です。
 スポーツはどのような垣根でも越えて皆が楽しめる。家庭と職場に次ぐサードプレイスを目指し、幅広い世代の出会いや交流につながればうれしいです。若者や子育て層、転勤で来広した人など多様な人たちがコミュニティーを通じて広島に愛着を持てば、定住が増えるのではないか。そういう理念から、家族で参加しやすいように子連れも歓迎しています。
 同じ趣味だからこその親しみやすさはもちろんですが、カープやサンフレ、ドラフラなど強豪チームのファンが多く、広島ならではの盛り上がりを実感します。やはりスポーツ王国と呼ばれるほど活気がある。各コミュニティーでも、試合内容や推し選手に関する話に花が咲きます。
 11月15日にひろしまスタジアムパークで開く「コミュニティフェス2025」では、運動しながら防災を楽しく学べる体験型プログラム「ASOBO運動会」などを実施。芝生広場では地域のコミュニティーや飲食店がブースを構え、来場者同士の交流を期待しています。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
瑞穂の国づくり

やっぱり新米はうまい。一時は店頭からコメが消え、政府の備蓄米を争奪する現象さえ呈した令和のコメ騒動はいま、ようやく落ち着きを取り戻してきた。だが、コメは増産か、減産か、主食は大丈夫かと不安は拭えない。
 2024度の日本の食料自給率はカロリーベースで38%にとどまる。東証グロース市場に上場する医療関連情報サービスのデータホライゾン(西区草津新町)を創業した内海良夫さん(78)は、かねて食料安全保障の観点から輸入に依存する現状に危機感を募らせていた。
 もっか「(社)若者米作り推進協会」の設立準備を進めている。狙いは、耕作放棄地が増える水稲栽培へ若者の参入を促し、担い手を育てるビジネスモデル構想を描く。
「実は数年前、コメ増産につながればと思い立ち、輸出も念頭に入れてカップヌードルのような世界に通用する〝即席むすび〟をメーカーと数種類ほど試作した。しかし、うまくいかなかった。それではと100ヘクタールほどの水田を確保して自らコメ作りを手掛けようと情報収集したが、毎年1万数千ヘクタールもの水田が消えていく現実にぶつかり断念した」
 と明かした。
 企業経営者として社会課題の解決を事業目的に据えてきた。データホライゾンでは呉市モデルともいわれる重症化予防事業を起点に、医療保険者が担う効率・効果的な保健事業・データヘルスを確立し、国の事業へと促した。
 世界情勢が緊迫しようと、コメさえ自給できれば命をつなぐことができる。内海さん個人で発案した若者米作り推進協は次第に賛同者が集まっている。「国を動かす心意気で現状に風穴を開けたい」と志は高い。
 ビジネスモデルは、農業高校の新卒者らに水稲栽培の研修を受けてもらい、会社勤め並みの年収を2年間支給。その間に農業経営者として自立を促す。その原資は個人で賄う予定。水田は各地域の農地中間管理機構(農地バンク)の仲介で原則、賃借する。何よりも若い人が水稲栽培を希望し、進路にコメ作りを選びたくなる土壌を用意する構え。
 八十八の手間がかかると言われるコメ作りだが、いまやロボット農機が登場。国策としてスマート農業が導入され始めた。内海さんは第一人者の北海道大教授や先進自治体の岩見沢市長らを訪問し、自らが果たすべき役割が次第に明確になってきたという。
 広島県も重労働の追肥作業にドローンを活用し、成果を上げる。しかし広大な農地で生産性の高い北海道とは異なり、広島は中山間地が7割を占める。専業農家の損益分岐点の水田面積は7〜8ヘクタール。小規模では農機具や肥料などのコストに見合う収益を確保できない。もうかるコメ作りと程遠く、新規参入を阻む。既にコメ作り農家の平均年齢は70歳を超える。ここ数年が水田継承のラストチャンス。
 9月9日、農林水産省は10年後に担い手不在の農地を都道府県別に初めて集計。拡大する耕作放棄地は西日本に多く、広島県は7割近い。北海道でさえ水稲の新規就農は昨年、わずか5人だった。
 古事記や日本書紀に日本の美称に「豊葦原之瑞穂国」とある。葦がしげり、稲穂がみずみずしく育つ豊かな国という。その瑞穂の国の水田を無くしてはならない。決してコメ作りを他人事で済ませてはならない。いまや一人一人の覚悟が求められていると内海さん。まだ間に合う。

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