2018年に開店したJR広島駅ビル内エキエダイニングのステーキレストラン。汁なし担々麺くにまつなど18飲食店を営むコレクタスグループの一角で、ランチからディナー、カフェ利用まで多様なシーンに対応する。
「霜降りローストビーフ重は和牛A5ロースを火加減に注意して調理。容易にかみ切れて、そしゃくするほど肉のうま味が溶け出します。山椒を利かせた自家製ソースをかけると一変、さっぱり。また、柔らかくうま味が多いのに脂っこくない肉まぶしなど多彩な肉料理を用意しています」
観光客向けに県産食材の料理も充実。4種の焼き牡蠣(かき)盛りはバジル、トマト、グラタン、ポン酢でうま味を引き立てる。豆にこだわるコーヒー、スイーツなどカフェメニューも充実し、昼下がりの客足も多い。
「駅にあるからこそ、老若男女のあらゆる場面に寄り添いたい。広島レモンサワー、ウイスキーなど酒も充実しているので、仕事終わりにもご利用をお待ちしております」
米国NASAの主導で2027年ごろに月面有人着陸と将来の火星有人探査を描く、アルテミス計画が本格的に動き出す。月面基地の建設による長期滞在や資源利用を通じた宇宙経済圏の創出、火星や他の惑星への有人飛行も検証する壮大な構想だが、重要な技術となる重力シミュレーション分野の標準機を広島の企業が開発し、採用された。
広島大発ベンチャーのスペース・バイオ・ラボラトリーズ(中区橋本町)は、同大名誉教授を務める弓削類(ゆげるい)CEO兼CTOが中心となり重力制御装置「Gravite(グラビテ)」を開発。直行2軸の回転で重力環境を制御し、国際宇宙ステーションと同等の1000分の1G(地球の重力加速度)を地上で再現する。
宇宙実験は回数も予算も限られるからこそ、有人宇宙船や輸送機を打ち上げる前に、地上の施設でどれだけ高精度にシミュレーションできるかが問われるという。例えば人間の筋力や骨が弱くなるなど無重力が細胞に与える影響をはじめ、植物が重力を感じ取り反対方向に伸びていく性質は重力抑制下でどう変化するか、水槽内の魚はどう行動するかといったことを同装置で調べられる。
実は試作を決心した2015年当時、なかなか製造委託先が見つからなかった。技術的な難易度が高く、前例もない。万策尽きたかと思われたとき、人づてに話を聞いた御幸鉄工所(福山市)の佐藤普三社長が名乗り出た。
開発は試行錯誤の連続。直行2軸の回転が生む負荷はすさまじく、装置の耐久性を確保するために設計を何度もやり直す。図面や数値をにらみながら、自ら装置内で植物の発芽実験を行い、性能や無重力の影響を確かめ続けた。佐藤社長は、
「当初から一筋縄でいかない仕事だと直感したが、社内にチャレンジングな空気をつくるには、難題にこそ意味がある。机上の計算だけでなく実際に生き物がどう反応するかを見ないと、本当に使える装置にならない」
ものづくりの現場らしい率直な言葉だ。弓削CEOにとって、夢に共感してくれる相棒の存在が一番の幸運だったのかもしれない。
「研究者として本当にありがたかった。装置が世界で認められたら、必ず佐藤社長たちをNASAへ連れて行くと決心した」
16年にNASAケネディ宇宙センターの微小重力シミュレーション支援施設(MSSF)で初めて採用された。昨年9月には従来機の4〜7倍規模と大型で、さまざまな研究機器を持ち込める特注機を納品。その際、佐藤社長とスタッフを連れて渡米し、ようやく念願がかなった。佐藤社長は、
「まさかNASAに足を踏み入れる日が来るとは思わなかった。現場で苦労した時間がこうして評価されるのは素直にうれしい」
NASAが行った同装置の性能比較試験で最高水準と証明された。重力シミュレーション分野のデファクトスタンダード(事実上の標準機)になったという。
12月に開かれたNASAの学会で大型装置をブース出展した。弓削CEOは3日前に台湾で講演し、その足で米国入り。ブースに押し寄せる大勢の研究者が目に飛び込んできた。現在、国内外の大学や研究所から累計100台近くを受注。思いがけない広がりを見せている。