広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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HEADLINE

財政難の中でどう取組む、大型プロジェクト検証

高度成長時に動きだした大型プロジェクトが、軒並み立ち往生している。こういった中で県や広島市は、緊急を要する重点事業を絞り込み、ないしは進度調整を図りながら、いくつかのプロジェクトを軌道に乗せようとしている。

紙屋町地下街開発―2001年オープンへ

広島高速道路網建設―4路線20年代初頭に整備

アストラムライン延伸―一期で西風新都線新設

貨物駅・広大本部跡地―利用構想はこれから

総合卸センター再開発構想―“アウトレットモール”が急浮上

県庁舎建替え―13年度に建設場所決定

創刊50周年企画―復刻版、あの年あの時

本誌週刊「広島経済レポート」が創刊50周年を迎えた。スタート時は月二回発行、題字は「廣島経済情報」だったが、商号の広島経済研究所は個人から会社組織に移行した現在も変わっていない。この企画は第一回目として創刊した昭和26年版からいくつかの記事をピックアップしたものだが、次号からは毎号年を追ってその年の主要記事を原文のまま掲載する予定である。今号40頁に創刊第1号の表紙を紹介。

ニュース一覧
  • 島屋、心理測定ツール使う教育研修事業を本格化
  • 木製玄関ドアのユダ木工 気候変動対策で環境大臣表彰
  • 建築士事務所リック 空き家問題解消を目指す リノベ事業FC展開へ
  • マツダ10月の世界販売 8カ月連続で増加
  • No.1都市開発が寄贈 溝部社長の母校に冷水機
  • ローツェ 半導体関連装置の生産改善 DXで作業時間3割減らす
  • 広島空港 23年度上期の乗客が回復 国内線はコロナ前の水準へ
  • キーメッセージ(東京) 生成AI等のDX講座
  • 居酒屋のゴジゴジが新店 JR横川駅近くに4店舗目
  • 西條鶴醸造が発売 純米原酒アートラベル
  • 雇用労働相談センター ハラスメント防止講座
  • ツネイシカムテックス 産廃処理の情報管理システム提供 ウフル(東京)と提携、拡販図る
  • 呉信用金庫23年9月中間決算 貸出金利息3期ぶり増え増収増益
  • カジヤマ寄付型私募債 もみじ銀行が引き受け
  • 広島銀行がプロケアしまなみにサステナビリティ・リンク・ローン
  • タリーズコーヒージャパン 本通店改装、紅茶メニュー拡充
  • ワンセルフ(静岡) 尾道にセルフ脱毛店
こぼれ話

土地、仕事、女房にほれる

 売り手よし、買い手よし、世間によし。近江商人の「三方よし」の考えは、いまも変わることのない企業経営の要諦だが、折々、業績ファーストに走り、違法な商いが世間を騒がす。やがて経営破綻する先は多く、長く経営を続けることは並大抵ではない。
 近年は地球を守り、ワークライフバランスを大切にする会社が人気を集める。若者が就職先を選ぶときの大事な指針になり、人手不足にあえぐ企業にとってよそ事では済まされない。社会貢献への意識も高く、地域と歩む中小企業に関心を寄せる若者も増えているという。
 軽自動車販売のサンボレ(佐伯区千同)は2006年に創業来、大切にしていることがある。会社は地域によって生かされており、少しでも地域に役立つことはないかと考え、いつも気を配る。いまは緊急車両のレスキュー業務に力を入れている。毎年のように発生する自然災害。車を生かせないかと18年からスタートさせた。ここ数年は毎年3000件以上の出動要請に応じ、県内の登録事業者のうち最多となった。小田修久社長(46)は、
「平均して1日に約10件、延べの出動時間は2万2000時間に及ぶ。車に関する緊急時の対応ノウハウはプロと呼べるまでに高まったと思う。ハザードマップを見ると当社のある地域は70年ごとに浸水の可能性がある。自治体と防災協定を結び、効率的に運営できないだろうか。被災地へレッカー車で駆け付けるがけん引できるのは1台だけ。何とももどかしい。豪雨の被災地に近い地域の小学校などを開放してもらえれば、レッカー車をピストンで走らせて被災車両を運ぶことができる。現場は一分一秒を争う。経験で得たノウハウを生かせる方策に落とし込みたい」
 社名は「三惚れ」に由来。土地にほれ、仕事にほれ、女房にほれる。家訓として祖父から受け継いだ言葉をそのまま社名とした。
「自分のいる場所に根を張り、地に足を着けて仕事に取り組む。周囲の人に役立ち、家族や仲間を守り抜く。祖父の教えが礎となっている」
 20年春から新型コロナ感染が拡大した時は、公共交通機関には乗りたくないが、車を持っていない近所の人のために無料レンタカーを実施。経済的に追い込まれた人には車検の基本工賃を無料化するなど、気付いたことは端から手を打ってきた。設立の翌年に始めた「サンボレ祭り」は毎年、来店者が1500人を超える地域のイベントに定着。下校する小学生が店に立ち寄ってトイレを借りていくのが日常の風景だった。19年に佐伯区屋代から現在地に移転した直後のコロナ禍で、その祭りは中止しているが機会をうかがう。
 ここ数年、売上高は前年比2割増で推移し、創業来の黒字を続ける。従業員は9人。
「社会性、独自性、経済性の順番で物事を考えていくことにしている。むろん利益は必要。だが最も優先すべきは社会に貢献することだと信じている。きれいごととよく言われるが、公益性のある資本主義を実現することが、一番の経営テーマだ」
 今年は本社近くに新築した指定工場2階に半面のテニスコートを整備した。地域の子供たちが人の目を気にせずに体を動かせるようにと広く解放する。
 いつも一生懸命。三方よしの一つでも信を失えば商いは成り立たないと話す。

カープ応援談

オリオリ 社長 宮本 亮嗣(34歳)

 東広島に拠点を構え、食品を中心とした商品開発やブランディング、販路拡大支援を手掛けています。
 子どもの頃から野球が好きで、大学時代には京セラドームでファウルボールの注意喚起をする笛吹きのアルバイトを経験。国内で行ったことがない球場は残すところエスコンと仙台のみになりました。徳島出身ということもあり、特定の球団というよりは野球そのものが好きだったのですが、尾道出身の妻との出会いがきっかけでカープファンに。2014年に初めて二人で試合を見に行き、アメリカのメジャーリーグを思わせるスタジアムの雰囲気も含めて好きになりました。
 特に応援しているのは同年代の野村祐輔投手。甲子園決勝でのきわどい判定が印象深く、明治大学を経てどこに入団するのかドラフトで注目していました。少し前までは40歳近くになっても活躍する選手がたくさんいましたが、最近は入れ替わりが早いように思います。カープでも気がつけば自分と同年代以上の選手は数えるほどに。野村投手にはまだまだ現役で頑張ってほしいですね。
 今シーズンは惜しくもリーグ2位で、クライマックスでは阪神・岡田監督に見事にやられました。来シーズンは新井監督がどのように師匠を超えるのかに注目したい。25年ぶりのリーグ優勝を果たした16年には甲子園を真っ赤に染めたことがニュースになりました。敵地を圧倒する熱気を再び呼び起こし、来年こそは日本一へ。

カープの独り言

「さらば西川龍馬」

 ひょっとしたら現役選手の中で最もカープらしい選手だったかもしれない。そのため本稿でよく取り上げたのが西川龍馬だった。律義でおちゃめ。その類を見ない曲芸打法で球団史上でもまれな「バットを持ったエンターテイナー」になった。
 彼のFA移籍について、2007年オフに同じ決断をした新井貴浩監督は「野球人生において後悔のない選択をしてくれるのが、僕も一番うれしい」と語った。しかし番記者によると、西川の口から直接その話を聞いた日は、いつもより寂しそうに見えたという。そして秋季キャンプから林晃汰に外野を守らせるなど、戦術のバリュエーションを増やす道を模索し始めた。
 ではいったいなぜ西川はFA宣言への道を選んだのだろうか。私は彼が会見で語った次の言葉を素直に信じている。「セとパでは野球が違うので、真っすぐでどんどん勝負してくるパ・リーグで僕の野球が通用するのか興味があった。環境を変え、また新しい自分探しができたらいい」。これは天才肌で、特異な打撃スタイルを確立した打者だけが口にできる言葉である。
 よろしい。これぞ西川である。まだオリックスのユニホーム姿のイメージは湧かないが、なぜか応援は続けたい。当然カープにとって大きな戦力ダウンである。しかし、その穴を埋めるために必ず若手が出てくる。西川自身が丸佳浩の巨人へのFA移籍によってレギュラーへの道が開けたように末包昇大、田村俊介、中村貴浩らにチャンスが生まれる。8年間ファンを楽しませてくれた西川には、特大の感謝の言葉を贈りたい。
迫 勝則(さこ かつのり)
1946年生まれ。マツダ退社後に広島国際学院大学部長などを務め、執筆・講演活動を続ける。近著は「森下に惚れる」「逆境の美学」。