広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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広島経済レポート2025年12月11日号

HEADLINE
その他の記事
決算概況
HVなど低公害燃料車の需要高まる 24年度県内保有数が伸び幅過去最大
県内のハイブリッド(HV)や電気自動車(EV)などの低公害燃料車の保有台数が過去最大の伸び幅を見せている。自動車検査登録情報協会の集計によると、2024年度(25年3月末)は前年度から2万5787台増えた。保有台数は29万3849台と30万台が目前となった。
クラシノが首都圏の人材を地方へあっせん
デジタルマーケティング支援のクラシノ(南区京橋町、芝田潤社長)は12月9日、首都圏在住の移住希望者と地方の企業をつなぐ人材紹介事業を始める。転職先のあっせんと同時に、住まい、子育て環境など生活全般の相談に対応。地方企業の人材確保と移住促進につなげる。
ドリームベッド、アジア市場狙い輸出本格化
ドリームベッド(西区、三宅弘人社長)は、経済成長が著しいインドネシア向け輸出を本格化する。現地の家具製造販売パートナーと高級マットレス「サータ」のOEM契約を締結し、今夏から出荷をスタート。10月にジャカルタであった製品発表会を皮切りに販売に乗り出した。富裕層向けに〝メードインジャパン〟ブランドを訴求し、アジア市場を視野に海外マーケットを掘り起こす構えだ。
広大発ベンチャーが設備振動を非接触診断
広島大学大学院の先進理工系科学研究科で准教授を務める島崎航平さんは9月、産業機械やプラントなどの振動を非接触で計測する技術の展開を目指し、SYNRA(シンラ)(株)を東京都大田区で設立した。高速カメラとAIを用い、接触型センサーを使う通常の手法よりも大幅に作業時間を短縮できるだけでなく、高所など計測が難しい場所にも対応。製造業の工場やインフラ関連といった設備の異常を予知保全できる点を強みに、広大発ベンチャーとしてグローバル展開を目指す。
 広島FM放送局の発信力生かし自社企画品を拡販
広島エフエム放送(南区皆実町)は、新規事業であられなど食品関連の企画・販売に力を入れている。8月に発売した第1弾の「広島お好みソースあられ」は当初目標の月2000袋に対し、2倍を上回るペースで推移。12月1日に異なる味付けのあられ2商品を追加したほか、来年に向けて米菓以外の商品開発を進める。ラジオ局の情報発信力を生かし、広島の新たな定番商品を育てる。
  • 住宅改修のマルコシ 小型EVで高齢者支援 地域との接点強化へ
  • 広島ふるさと祭り 東京で開催、来場14万人目指す
  • みどり信金と日本公庫 創業・事業承継支援で覚書
  • 広島銀の口座情報 セブン銀で変更可に
  • アルペン(名古屋市)が開業 ゴルフ5フジグラン東広島店
  • ケイデザインベース 家具企画に参入し自社ブランド 中国やベトナムの協力工場で製造
  • 白島社勞士事務所代表 社員の資産形成本を出版
  • にしき堂が発売 エスプレッソもみじ
  • 新電力の最適でんき(大阪) 広島支店を橋本町に新設
  • メイト(北広島町) 芋けんぴ、カット芋加工場を建設 コンビニ経営から農業参入、6次化で栽培拡大へ
  • 貸出金、預け金利息増など 広島信金25年度上期は増収増益
  • 貸出金利息増、業務費用増など 呉信金25年度上期は増収減益
  • 焼き菓子のキャトルウール 西風新都の自社工房に販売店
  • ビーライズとインタフェース デジタルツインで工場効率化へ提携 XR実証し製造業の労働力不足解決を図る
  • 税理のCUBE AIが確定申告を代行 LINE投稿で手間削減
  • オールハウス私募債 広銀と府中町に寄付
  • センコー(大阪) 東広島に輸送中継拠点 労務改善や物流維持へ
  • 大下産業
  • 瀬戸内海印刷
  • さいとうPC建設
  • 新栄製砥
  • BJC
  • アイディオー
  • レプトン
  • リビンズ
  • トーシン住宅
  • 井辻ホールディングス
  • SANKYO
  • ステントス
  • 吾興
  • チヨダコーポレーション
  • ミドリ
  • ボストン
  • 山田農園
  • 佐々木金属工業
  • アイアメニティ
  • 鯉城餅
  • トリンブルパートナーズ中国
  • スタンダード
  • 木原鎔材
  • マスダランドビル
  • ヤマオカ
  • ワンエンタープライズ
  • 合田コーポレーション
  • シーコム・ハクホー
  • システムフレンド
  • エスエイピー
  • リシュラ
  • セラアグリパーク
  • サンタイ石油
  • アスリートプレミア
  • グリーンライフ損保
  • エーペックスコンサルタント
  • オガワ設計技術
  • ヤルキマントッキーズ
  • イワキ
  • エコリューション
  • 広島彫刻工業
  • シンクロニシティ
  • DPPヘルスパートナーズ
  • ほりかわ
  • AiCELLEX
  • ユダ木工
  • こころ
  • HSCセキュリティ
  • 2025年12月11日号をチェック
    • 2025年12月11日号
      串焼またたび

      8月まで営業していた「串焼酒房蜂ヤ」の店主が独立し、同じ場所で9月に新店を立ち上げた。旬の地元食材をメインに使うコンセプトはそのままに、県産鶏や豚、牛の串焼きに加えて一品料理などを提供する。
      「豚の軟骨や、ミョウガの豚肉巻きといった珍しい串メニューも用意。国産牛の上ミノ串は希少な部位を使い、ジューシーさと歯応えが楽しめます。料理では豚モツのみそ煮込みが人気です。今からの時期はモツ鍋のほか、カキも何とか確保し、味わってもらえるようにしたい」
       ドリンクは県内外の日本酒や、新酒の時期に合わせて入れ替える焼酎などをそろえる。最大11人が座れる座敷での宴会だけでなく、9席あるカウンターで一人酒も大歓迎という。
      「猫がマタタビの効果でリラックスするように、お客さまには当店でゆったりとした時間を過ごしていただきたい。そして〝また、たびたび〟訪れてもらえる店を目指すという思いを店名に込めました」

    • 2025年12月11日号
      かめや産業 / 亀本 美穂 社長

      西区井口に本社を構える、1978年創業の金物店です。手すりやサッシ、スマートロックなどを取り扱い、広島、山口、島根県の建築事業者へ販売や施工を手掛けています。
       初代社長で現会長の父は根っからの阪神ファンですが、6歳離れた鯉党の兄の影響が大きかったのか、気付けば私はカープを応援していました。だからといって家族でテレビのチャンネル権を奪い合うようなことは特になく、うろ覚えですが皆で仲良く旧市民球場に足を運んでいた記憶があります。
       2011年に結婚した夫もカープファン。16年には、元々ディズニーランド目的で関東旅行の計画を立てていましたが、その期間にカープが25年ぶりのリーグ優勝を果たすかもしれないと思い、9月10日の立ち見席の入場券を手配して急きょ東京ドームに。その日に優勝が決まり、歓喜の輪で緒方監督が胴上げされた瞬間を現地で見ることができ、大変幸運でした。試合後の道中でもCマークの帽子を被りっぱなしだったため、通りすがりの人から「おめでとう」と声を掛けられたほか、新聞社からの取材を受けるなど、ファンとして忘れられない1日でしたね。
       専務としてサポートしてきた父から、昨年6月に社長を引き継ぎました。今年は地元中学校の職場体験受け入れを初実施。少しずつではありますが、カープのように地元に根付き、地域から必要とされる企業を目指して日々活動中です。

    • 2025年12月11日号
      人を信じる心の経営

      印刷物・印鑑制作を主体に創業157年の老舗、文華堂(中区国泰寺町)7代目の伊東由美子さんが11月2日に亡くなった。76歳。8日午前10時から中区竹屋町の西正寺で営まれた葬儀には、親交を深めていた多くの経営者らが駆け付け、早過ぎる別れを惜しんだ。
       21歳で文華堂の創業家6代目と結婚。8人の大家族は女手に恵まれており、家業の職場に身を置く日々。子息3人の母、嫁、主婦業の合間を縫って仕事をこなしていた。しかし、夫が脳内出血で倒れた。48歳で社長に就く。その日から20年近く介護にいそしみ、懸命に経営を学んだ。
       本誌の取材にも度々応じて飾り気なく、実直に胸の内を明かしてくれた。
      「私が35歳の頃、採用した従業員との問題で苦しんでいた時と重なり、和菓子の叶匠寿庵を創業した芝田清次さんの講演会に参加した。これまで多くの経営者から、きれい事だけでは経営に収まらないよと聞かされていた。だけどどうしても納得できないでいたのに、芝田さんの話を聴いて、すっと合点することができた。何よりも人を信じる心の経営が大事だという。迷いが消え、自然と涙があふれてきた。それから1カ月もしない頃、お茶請けの菓子が語りかけてくる気がして、それが芝田さんの菓子と分かり、矢も盾もたまらず創業地の滋賀県へ向かった。亡くなられるまで7年間ほど通い、育てていただいた。人は自分を映す鏡。自分をごまかさない。心美しく、生きていると実感のできる経営を全うしたい。次々難題が押し寄せてくる。そうした日々の座右に『過去が咲いている今。未来の蕾でいっぱいの今。未来は自由、全て自分次第』の言葉を置いている。原因があって結果がある。故に日々精進と肝に銘じている」
       何役だろうと全力を尽くす原動力はどこから湧いていたのか。三男の剛社長は、
      「伊東家に嫁ぎ、父の顕が病に倒れて本意でなかったと思うが、代表取締役を引き受けることになった。決して暖簾を降ろすことはできない。その執念に突き動かされているようでした。不安を払しょくするため日々、学び続けるほかなかったのでしょう」
       礼儀や礼節に厳しく、先代から縁を大切にする心を学んだという。
       経営を譲った後、自らの経験を原点に〝参謀〟を育成する新会社を2020年12月に設立。とりわけ中小企業にとって社長を補佐する参謀役の存在は重要。女性社長の約3割が配偶者からの承継というデータもある。自分自身がかつては夫、社長にとって誰よりも心を許すことのできた参謀役だったのだろう。
       中小企業の社長夫人は社長の予備軍といわれる。だが、自ら社長に就くと相談できる相手のいない心もとなさや漠然とした不安が突き上げてくる。参謀塾は女性の経営者、幹部を対象に4年間で約60人が学んだ。剛社長は、
      「特に中小企業は経営者と社員の皆が一枚岩とならなければ成長発展はできない。そこに到達するまでの道がまさに経営そのものと決心していたのでしょう、近年はぶれることがなくなっていた。どんなに苦しくとも人として正しく行動していれば、必ず明るい未来が訪れると決め込んでいたように思う」
       感動と感謝。人の心を信じた経営、人生から何事にも代え難い宝物を受け取ったのではなかろうか。