広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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コラム
県内自治体が企業の副業・兼業促す 経営課題解決へ大都市のプロ人材と結ぶ
労働力の全体的な減少や東京への一極集中などを受け、県内の自治体は企業が副業人材を活用するための支援策を打ち出している。副業や兼業を認める事業者の増加を追い風に、大都市圏などで働く優秀な人材と県内企業のマッチングを図るほか、採用費を補助する例も。官民一体となった取り組みで経営課題を解決し、地域の産業振興を目指したいとする。
大州の新複合施設に〝民間版ハローワーク〟
舶用ポンプ製造のシンコーグループで不動産賃貸業などの拓興産(南区大州、筒井幹治社長)が11月23日に開く、食と教育がコンセプトの複合商業施設「スパイラルガーデン大州」(https://spiralgarden-ohzu.com/)内にユニークな人材紹介事業所「ジョブガーデン」とシェアオフィス「シェアエル」ができる。2拠点が連携し、企業の人材採用・育成・定着支援のワンストップ体制を目指す。
中国税理士(協)が企業の第三者事業承継を支援
中国税理士協同組合(中区袋町、篠原敦子理事長=GO&DO篠原税理士法人代表税理士)は7月25日から事業承継マッチングプラットフォーム「relay(リレイ)」を活用し、組合員である税理士の顧問先事業者などを対象に事業承継支援を始めた。一般的な仲介方法は初期段階に譲渡希望者の社名や詳細な企業情報が伏せられるが、最初から公開(オープンネーム)することで後継者候補を広く募る。
まちなか西国街道推進協が〝街道山車〟制作
まちなか西国街道推進協議会(山本一隆会長)は広島城下を東西に貫く西国街道(近世の山陽道)の歴史・文化を掘り起こし、県内外へ普及させていく構想を描いており、このほど〝街道山車〟を制作した。山車の4面を彩る歴史絵巻を題材にした絵柄を美術系大学へ制作依頼する予定で毎年更新する。同街道沿いに古くから伝わる三つの祭りに山車を繰り出し、にぎわいを加勢する。広島市の楕円形の都心づくり構想と呼応しながら広域展開も視野に入れる。
農業ベンチャー 佐々木が営農型太陽発電の法規適合支援
広大発農業ベンチャーの佐々木(東広島市八本松町正力44-85、江口康人社長)は6月、農地に設置した発電パネル下で作物を育てる「営農型太陽光発電」を法規に適合させるサービスを始めた。4月の法改正を受けて多くの土地が違法状態と判断されたことが背景にある。同社が得意とするパネル下でのキクラゲ栽培のノウハウを生かし、既に1件を改善。今後、全国でサービスを展開する方針だ。
地元金融機関、期末貸出金残高12機関が増加
広島地区の金融機関の2024年3月期決算は、期末貸出金残高が全12機関で前年を上回った。各機関は運転、設備資金、不動産関連など事業性融資や住宅ローンなどに注力し、新規開拓などが貢献した。期末預金残高は広島銀、広島信金、市信用、県信組など7機関が前期比で増加。売上高に当たる経常収益の増収は9機関で、広島銀、もみじ銀、しまなみ信金、広島みどり信金、市信用の5機関が増収増益だった。両備信組は貸倒引当金の増加で経常損失となった。
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  • 広島県がイベント開催 インドへ進出検討企業が交流
  • あいおいニッセイ広島 生活衛生向上へ連携
  • サニクリーン中国の基金 環境美化に計143万円助成
  • 社労士事務所ACE 顧問先100社、売上1億円超へ 労務にワンストップ対応
  • ひろぎんナレッジスクエア マツダでプログラミング教室
  • 平和情報システム 総合防災監視を提供開始 タイ・インドで実証実験
  • 海上通信のコースタルリンク 広大、商船高専などと連携協定
  • マツダが福祉施設に寄贈 球場来場者数の節目記念
  • メディカルインの私募債 広銀受託し高屋中に寄贈
  • フリーランス保護新法 トラブル防止策など解説
  • 理研産業 「ICT商社」目指し事業創出 デジタル活用で中小のDX化に注力
  • 広銀、ひろぎん証券など 14日に資産運用フェア
  • ひろぎんHDとJWB 外国人受入支援で新会社 インターンセミナー計画
  • スピングルカンパニー 災害時も使えるルームシューズ
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ピックアップ
県内自治体 企業の副業人材活用を支援
                       

労働力の全体的な減少や東京への一極集中などを受け、県内の自治体は企業が副業人材を活用するための支援策を打ち出している。副業や兼業を認める事業者の増加を追い風に、大都市圏などで働く優秀な人材と県内企業のマッチングを図るほか、採用費を補助する例も。官民一体となった取り組みで経営課題を解決し、地域の産業振興を目指したいとする。
 広島県は今年度、人材サービス業のみらいワークス(東京)と共同で二つの事業に取り組む。「大都市圏等プロフェッショナル人材と県内企業等マッチング業務」では9月25日に東京、11月13日に大阪でイベントを開催。企業プレゼン、個別相談などを通じて副業や転職を考える人材を誘致する。また「中山間地域外部人材活用支援業務」は広島市北部エリアや庄原市、江田島市など県内14市5町の中小企業を対象としたセミナーの企画・運営に加え、外部人材を実際に受け入れるためのサポートも行う。 続きはこちら

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話題のお店を取材!
お酒とちょっと小料理 てん / 野口 ひとみ 代表

8月20日にオープンした小料理店。白を基調に木のぬくもりを感じられる店内は、モザイクタイルを使い明るくかわいらしい内装を目指した。
「私もお酒と食べ歩きが大好きで、店名には『点と点が交わる交差点のような場所』という意味を込めました。お一人さまも大歓迎。ほかのお客さんやスタッフとの会話が楽しめるような居心地の良さをつくりたい」
 女性だけで店を切り盛りし、同世代の女性や40代以上のビジネスパーソンなどをメイン顧客に想定。できるだけシンプルな味付けで、素材の味を生かした料理を提供する。日本酒をはじめ、焼酎やウイスキー、酎ハイなど、アルコールは一通りを用意。
「0次会から飲んだ後の締めまで、いろんな使い方をしていただけたら。流川に飲みに出た際には、思わず顔を出したくなるような、〝心の温かさ〟が伝わるおもてなしを理想にしています。料理はまだ勉強中ですが、ちょっとした小料理でおいしいお酒を一緒に乾杯しましょう」

INFORMATION
  • ◆住所:広島市中区中区胡町2-17
  • ◆電話:080-5345-5843
  • ◆座席数:カウンター9席、小テーブル1席
  • ◆営業時間:午後5〜翌午前0時
  • ◆定休日:日・月曜
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経営者が語るスポーツ「愛」
Rita / 東 酉大 社長

2012年から安佐南区古市で美容院「Rita」を営み、22年には近辺でエステサロン「リタエクラ」を開業。このほか、乳児から大人まで使える自社開発のオーガニックシャンプーやワックス、オイルなどを百貨店とエステサロンへ卸しています。
 幼少期はJリーグが発足したばかりでサッカーが大盛り上がりの時代。私はサッカー少年で、小学校時代はサンフレッチェジュニアに所属。中学では中国大会で元サンフレ選手の森崎兄弟と対戦したことが良い思い出です。進学した広島国際学院高校でもサッカー漬けの日々で野球とは全く無縁の人生でした。そんな私がカープを好きになったのは、美容院の常連客からカープ関連のDVDを借りたことがきっかけ。また、当時は球団初のCS進出を果たし「6位中3位で盛り上がるカープっていいな」と感じ、ケーブルテレビを契約して毎試合の結果を欠かさずチェックするほど夢中になってしまいました。
 6年前には初めて球場のパフォーマンス席で観戦。その試合ではエルドレッド選手が4〜5打席連続で三振をしてしまい、本人が怒ってバットを投げたのですが、次のイニングで応援団のリード担当が「バットじゃなくてボールを前に飛ばしてもらいましょう」と鼓舞。劣勢でも楽しいと思える、素晴らしい士気の上げ方でしたね。
 巨人との首位攻防戦が続き激烈な日々ですが、新井カープが日本一になる瞬間をこの目で見てみたいです。

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記者が注目する話題|こぼれ話
蓄電池で地球を守る

日々の暮らし、自然界の営み、産業、地球を守る革新的な技術になるだろうか。
 太陽光発電や蓄電システムを開発するQDパワー(中区本通)は7月、次世代技術と目される全固体電池を用いた「系統用大容量高性能蓄電池システム」の組み立て工場を廿日市市大野で稼働した。一般的なリチウムイオン電池の液体状電解質は温度変化に弱く、発火や液漏れの可能性がある。全固体電池は文字通り電解質を全て固体にすることでそのデメリットを解消。高密度なためエネルギー出力は数倍に高まる。
 現在、最もシェアの高い製品と比較して1メガワット時当たりの年間CO2排出量を30%以上削減できるという。同社会長の川本忠さん(64)は、
「現代社会の営みは、あらゆることにエネルギーが必要とされている。農業などの自然を利用する分野もスマート化によって、エネルギー消費が加速していく。電力そのものの仕組みから抜本的に対処する必要がある」
 例えば、太陽光や風力による発電量は天候と季節の影響を受けやすく、需給調整が難しい。高性能蓄電池を用いることで、その時の需要より多く発電された場合はいったん蓄電池にためておく。電力が不足した時には蓄電池にためていた電力を供給するマイクログリッド(小規模電力網)が解決策になるという。
 需要ピーク時の供給にインセンティブがある国のFIP制度やJEPX(日本卸電力取引所)に加え、将来の電力供給力を取引する容量市場が本年度からスタート。電力をためて使う技術に追い風が吹いてきた。
 川本さんは早稲田大学政治経済学部卒。35年前に、大学の先輩で現在は東京工業大学名誉教授を務める玉浦裕さん(77)の地球温暖化に関する講演を聞き、共感した。
「私は当時、全日本学生庭球同好会連盟の初代理事長を務め、スポーツ選手支援業務の会社を経営していた。スポーツと健康は切っても切り離せない。地球環境はどうなっていくのか。温暖化が人々の生活や健康に及ぼす影響は計り知れない。何とかしなければいけないと考えた」
 これが人生の指針を決めたのだろう。1999年に大和ハウス工業グループのグリーンファーム開発の設立に参画したほか、「スポーツ選手の農業就業を通じた地方創生と新時代の農業システム開発」などに携わり、農業コンサルタントとして独立。2017年に卵殻でアパタイトと呼ばれる化合物を作るバイオアパタイト社、同年に電力自給自足型スマート農業のシステムを提案するトレスバイオ研究所、22年にパイライト太陽電池開発のQDジャパンを東京などで相次ぎ設立。東京工大の「超スマート社会推進コンソーシアム」では農業スマート化を担当した。
「系統用蓄電池システムは東京工大の技術指導を受けて、東京のソリッドバッテリーと共同開発。広島は玉浦名誉教授の出身地で各方面から情報が入り、工場を構えるイメージが湧いた。何より、国際的な知名度の高い広島から、世界へ出荷したいと決心。地元企業とオープンイノベーションを重ねながら、モビリティーや航空宇宙、データセンター、防災、医療など用途別に開発していく。全ての家に蓄電池が置かれる時代は近いうちにやってくる」
 国内数カ所に同様の工場を計画する。川本さんが描く構想は遙かに大きい。

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