開業55年を迎えた中区立町の老舗ホテル。和食「芸州本店」、広東料理「トンフォン」、スペインバル「ミ・カーサ」の3店を擁する。
トンフォン料理長を経て1月に就任した小堀浩士総料理長((公社)日本中国料理協会理事)は、
「お客さまに愛されてきた味は変えることなく、目の前での料理の仕上げ、スモーク、エスプーマなど新しい技術を積極的に取り入れる。味と体験の両方を楽しめる空間が理想。まだ来店を控える方も多く、3店合同のテークアウトメニューやギフト商品の開発も検討しています」
豊島(呉市)出身。大阪や兵庫で修行後、阪神大震災を機に帰広し、入社。調理学校や修行では北京料理を学び、当初は広東料理との違いに苦労したと振り返る。
「言葉も使う道具も味付けも、水と油ほどの違い。毎日ついて行くのに必死でしたが、料理人として引き出しが増え、今では幸運だったと思います」
9年ほど前から務める進徳女子高校での講師経験を生かし、サービススタッフらに料理の基礎知識などを教える講習会を構想。いっそう料理に愛着を持って仕事に励めるチームづくりを目指す。