広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
広島の地酒や料理を中心に提供する。商談や他県からの来客といった接待から、肩肘張らずに同僚や友人と行く〝いつもの店〟のような利用まで幅広く対応。2月末で22周年を迎える。
「お客さまのご来店目的や状況に合わせた接客を心掛けています。料理と酒で一息ついて明日から頑張ろうと思ってもらえる、働く人の潤滑油のような店でありたい」
メニューにはA5ランク黒毛和牛のコウネや穴子、広島赤鶏の藻塩焼き、うにホウレン草、がんすなど地元らしい名前が並ぶ。地酒ページには産地を示した地図を載せ、地元メーカーの洋酒もそろえる。G7サミット後に増えると見込む海外からの観光客向けに英語メニューも用意する計画。
「当日の仕入れ状況でメニューを変えます。料理は奇をてらうことなく基本に忠実をモットーに、素材の良さを生かしたい。これからの時期においしいのは魚介ではタコやカキ、野菜なら空豆や春野菜。常連さんも料理で旬の味に出合い、季節を感じてもらえれば」
1月20日、お好み村が入るビル「新天地プラザ」(中区新天地)1階にオープンした飲食店。県内産のカキにこだわり、生食はレモンやカクテルソースといった6種、焼きガキはグラタン風など9種の味付けで楽しめる。カキ料理が中心の飲食店に12年間勤務した店長は、
「前職での経験を生かし、計15種類のカキメニューを考案しました。価格は一律385円に設定しています。広島を代表する食材として、出張などで県外から来られた方にも味わってもらいたい。ランチ営業も行っており、お薦めはカキフライやカキ飯を含む定食『牡か蠣きづくし』。仕事の合間でも気軽にカキを食べられます」
他にも食べ物ではがんす、アルコールは西条の日本酒など広島らしさを感じられる品がそろう。午前の開店から夜まで営業し続けるのも特徴の一つ。
「小腹がすいた際の選択肢にカキを入れてもらえればうれしい。旬がある食材ですが、仕入れを安定させて年中変わらぬ味の提供を目指します」
仕入れた食材からその日のメニューを決める「おまかせコース」を提供する仏料理店。仏、神戸で修行し、約20年前に広島に戻って独立した。
「その日にある食材をどう組み合わせるか、その時々の巡り合わせを大切にしています。常連客に地元の食材・生産者を紹介されて会いに行くことも。こうした縁がつながって生まれたジャム・ピクルスなどの『おすそわけシリーズ』は、限られた時期に大量にできる野菜を余すことなく商品化。もったいない精神からのサステナブルな取り組みにも力を入れています」
仕入れ先農家が使い道に困っていた長期熟成味噌はチョコレートと相性が良いことからガトーショコラにし、瀬戸内の粗塩をかけて提供。人気デザートとして定着し、今年1月から「ガトーシオコラ」としてECなどで販売する。
「味噌・チーズ・抹茶味の3種類に、粗塩の小瓶が付く。塩は乾燥トリュフと庄原産エディブルフラワー(食用花)を混ぜて風味が良い。残ったら、魚・肉料理にも使えます」
うなぎ料理とすし、各種鍋のコースをメインに予約貸し切り制で運営する飲食店。愛媛県西条市で両親が営んでいたうなぎ屋の秘伝タレを受け継ぎ、同じ店名で2019年12月にオープンした。数年前まで西条祭りで毎年責任者を務めていたというお祭り男のオーナーは、
「お客さま一人一人に全集中するため、同一時間帯1組限定で運営しています。しゃぶしゃぶやすき焼き、スッポン料理など要望に応じて可能な限り何でも提供。プライベートに配慮しており、接待利用にもお勧めです」
看板商品のうなぎは広島では比較的珍しい関東風を用意。素焼きしてから一度蒸し、タレを付けて再度焼き直すため、余分な脂が落ちてふんわりとした仕上がりになるという。
「元々は会社経営する弟の飲食事業立ち上げの手伝いで広島に来ましたが、縁あって今では麺居酒屋やおばんざい屋など計5店舗を運営しています。飲食店向けの開業コンサルやメニュー開発支援などにも取り組んでいます」
リゾットを成型して油で揚げたイタリア風のライスコロッケ「アランチーニ」専門店。外はサクサク、中はとろりとしたチーズ入りでモチモチの食感が楽しめるという。店名はイタリア語で「元気?」を意味するあいさつ言葉。昨夏に東京から移住し、広島での出店を決めた。
「もともと麻布十番でイタリアンなどを手掛けていましたが、コロナ禍で業態変更。広島はおいしいアランチーニに欠かせない米や魚介、お肉、オリーブまで全てが手に入り、まるで地中海に浮かぶシチリア島のように感じる。大好きになりました」
無添加で全て手作りしており、テークアウトがメイン。食べ歩きに加え朝ご飯や子どものおやつ、手土産など、さまざまな需要を見込む。今冬から新商品「牡か蠣きと瀬戸内レモンのアランチーニ」を提供。
「リゾットには無限の可能性がある。広島の食材を使って全国通販も進めており、広島を盛り上げ、全国、世界と飛び立つ商品にしていきたい」
地元住民をはじめ、経営者やスポーツ選手などから長年愛され、今年で50周年を迎える。にぎり、刺身のほか鯛の荒煮、のどぐろ揚げ出し、しめさばの昆布巻きなどを提供する。2代目で、2016年に先代の父から引き継いだ。
「ネタとシャリのバランスは一切妥協しない。鮮魚や貝類など厳選したネタに、シャリは広島で好まれる甘めの味付け。シャリの温度は変わりやすいため、冷めないうちにお客さまのテーブルへ。人肌を感じながらご賞味いただきたい」
店内はカウンター6席、テーブル23席、4人用個室を備える。冬になると、ふぐ刺しなどの注文が増え、同メニュー目当ての来客が多いという。
「フットワークが軽く、話し好きな父に比べると物静かなタイプです。弟子として働いていた当時、先代の技術や人柄のとりこになった客は多かったと感じます。今は、良い意味でプレッシャーを感じながら仕事と向き合っている。技術承継とこれからも愛される店づくりに向け、日々精進ですね」
ヒロコシグループで、大人のお洒落な会話を楽しむ上質の社交場がコンセプトの会員制クラブ。同じルッソビル内には和食、中華、洋食、ピアノバーもあり、ビル全体で「快適」「情緒」「わがまま」「遊び」をキーワードに、ぜいたくな空間を提供する。昨年30周年を迎えた。クラブ穂で8年間勤め、2022 年8月に小ママに就任した児玉はるなさんは、
「全てのお客さまに楽しんでいただけるよう、一人一人に丁寧に対応しながら責任感を持って行動したいと思います。コロナ禍で大変な時期にも応援してくださったお客さまや、周りの方たちには本当に感謝しています。人と人としてのつながりを大切にして感謝の気持ちを伝えられるように、そして、楽しかった、また来たいと思ってもらえるよう全員でよい雰囲気をつくっていきたいと思います」
ゴルフを通して交流を深め、料理や着付けも楽しむ。新年はジム通いを増やし、何事にも前向きに挑戦したいという。
モニターに表示された的にエアガンを撃てる本格シューティングゲーム「ガンアリーナ」を備えるカジュアルバー。6月に3周年を迎えた。運営会社Fam(同所)の髙橋将也社長は、
「『大人の遊び場』を意識し、ハンドガンやショットガンなど約40種類を展示。銃の貸し出しや、メンテナンスにも応じます。初めて触れる人を含め幅広い層が来店され、当店をきっかけにのめり込んだ女性客も。お客さまの輪が広がり、手応えを感じています」
ジビエ肉やインドカレーなど国内外のさまざまな缶詰最大100種類をそろえ、ツナコンビーフ缶やサバ缶を使うチャーハン、パスタが人気という。結婚式の二次会利用など貸し切りにも応じる。
「目の前のお客さまにいかに楽しんでもらえるかを大切にしています。スタッフとお客さま混合のサバイバルゲームチームを近く結成予定で、主催大会を開くのが目標です」
神石牛など国産和牛を炭火で楽しんでもらう。やわらかさとうまみが特徴の「神石黒毛和牛ハラミ」や、厚さ約1㌢の「特選厚切りタン」が人気。4400 〜8800 円でコースを複数そろえ、飲み放題では日本酒やカクテルなど100 種類以上が楽しめる。運営するC&Eコーポレーションの名越鉄治社長は、
「全席半個室のプライベート空間で、カップルや家族も周りを気にせず楽しめます。料理はもちろん、幻想的な内装や段差のある盛り付けにもこだわっています」
クリスマスや誕生日などには、和牛を盛り付けた「肉のケーキ」やデザートをメッセージ付きプレートに乗せて1500 円で提供。忘年会や歓送迎会などで最大25人まで団体客も受け付ける。
「『お客さまに食を通じて、喜びと感動をお届けします』が当社の理念。サプライズの演出にも注力し、また来たいと思ってもらえる店舗を目指します」
ジン専門店の「パブ&バーPIC」を経営する熊猫堂が11月1日、2店目として新天地にオープンしたカフェ。信家崇史社長は、
「親しみを持ってもらえるようにパンダのマスコットを採用。ピザとパフェをメインに、お酒も昼から提供します。コーヒー1杯から気軽に立ち寄ってほしい」
昼間の人通りが多い地域のため、軽食メニューに注力した。看板メニューの熊猫ピッツアはトマトソースとチーズが香るアルフレッドソースを使う。PICでも好評だった季節の果物のパフェなど、デザートを数種そろえる。飲み物は自家製コーラやジンジャーエールのほか、アルコール類も広島レモンやシソのサワーなど、アレンジを加えて特色を出す。
「元ビアパブの店舗を移転に伴い譲り受け、友人たちの協力を得て手作業で改装。木とアイアンの落ち着いた内装で元の店を立ち寄り場所にしていた方が入りやすい雰囲気にしました。お酒中心のバーとは違うお客さまとの出会いも楽しみです」
高タンパク、低カロリーで女性に人気の豆腐や湯葉料理をメーンに提供。すし店「すし亭」を営むひのき(西区)の新業態で、11月7日、そごう広島店10階レストラン街にオープンした。各すし亭店長などを経験した竹田真也店長は、
「『健康、旨いご飯と旨い漬物』がコンセプト。佐賀・嬉野温泉の調理水と同県産大豆の豆腐を使ってとろとろの食感に仕上げた看板メニューの温泉湯豆富をはじめ、おひたし、田楽、雑炊な多様な食べ方を提案。素材の味を生かしつつ、さっぱりから甘辛まで味付けにメリハリを利かせています。有田焼、砥部焼、瀬戸焼など色とりどりの器に美しく盛り付け、見た目でもおいしさを感じてほしい」
注文を受けてから炊く釜飯は大粒で甘みが強い新潟産米「新之助」を使用。今後、カキなどの季節限定メニューも投入したいとする。「ゆったり食事を楽しんでほしいと考え、すし亭と同様に細かい所まで目配り・気配りを心がけています。新業態を任されプレッシャーもありますが、努力を重ねて日々成長したい」
旬の食材でおまかせのコースを組む、すし店。県産の米や酢、水を使い、瀬戸内海産の魚介類を中心に提供する。11月10日に中区銀山町から移転した。三原美穂代表は、
「開店5周年を迎え、気持ち新たにスタート。広島三越隣りの好立地に移り、買い物を楽しむ主婦層など新しいお客さまとの出会いが楽しみです」
〝瀬戸内前鮨〟をテーマに漬けにする、酢で締めるといった一手間を加える。すし店では珍しいマイナス温度帯でも凍らない特殊冷凍庫で数日間熟成させたマグロが人気という。移転を機に個室を充実させて鍋などの会席を用意し、接待需要を一層取り込む。
「納得できるシャリとネタの調和のためには、時間と手間を惜しみません。地元の食材にこだわったストーリーのあるコースで、県外や海外から訪れた人にも広島の良さを伝えたい。将来は生まれ育った江田島市沖美町で店を開くのが夢です」