長期予報によると、この冬は寒気の影響を受け、厳しい寒さとなりそうだ。さて、広島経済に暖かい風が吹くだろうか。広島銀行系のひろぎん経済研究所(中区紙屋町)の水谷泰之理事長は、
「コロナの新たな変異株の出現やワクチン効果低減などのリスク要因がある中で引き締めたり、緩めたりしながら経済は回復すると見ている。しかし、業種によって大きく異なるし、タイミングは予測困難。コロナ出現当初を振り返ると、1月は中国から部品が来ない、2月は国内の工場が動かない、3月になると海外で売れない、などと感染が広がる地域によって全く違う影響が短期間に現れた。その後ワクチン接種で欧米が回復すると急激な需要回復に生産や物流が追いつかない、ワクチンが遅れた東南アジアからの供給が止まるといったように経済の流れは複雑。サプライチェーンを読み解くことはコロナの影響だけでなく、いまから世界経済と自社のつながりを理解する上で極めて重要ではなかろうか」
急激な変化にどう対応すれば良いのか。飲食や旅行などが急回復したときに人手は大丈夫か、殺到する注文をこなせるのか、そのとき慌てふためくようでは後手に回る。予測困難だからこそ、備えに万全を期すという経営の力量が問われることにもなる。