平和公園すぐそばの純和風旅館。今まで会席料理を4000〜5000円で提供していたが、コロナ禍での利用減を受け、新しい客層を取り込みたいとランチ・テークアウトを1500円で始めた。4月末まで。
藤堂哲也板長は、
「3日間白みそに漬け込んでから調理する『銀タラの西京焼き』は家庭では再現できない軟らかさと口どけで自慢の一品。全て手作りし、出来たてを準備します」
軟らかく炊いた地穴子のほか、大ぶりの鮮魚などがのったちらしずしやカキフライ、豚の生姜焼きなどに加え、ランチには同価格で茶わん蒸し・みそ汁に、食後のコーヒーが付く。
広島の老舗旅館や料亭などで日本料理に携わり約18年。2018年から現職。常に試食を欠かさず、特に魚介類や野菜などは季節による味の違いを舌で確認しながら、おいしい味付けを心掛ける。
「旬野菜のユズみそ掛けはかぶやホタルイカなどの旬の素材を彩り豊かに詰めています。花見やお出かけにぜひ。法要などの個別注文も承ります」
中学、高校時代は柔道とラグビーをしており、カープとの接点は多くありませんでした。初めての観戦は高校生のときで、完成したばかりのマツダスタジアムでした。友達に連れられ、パフォーマンスシートへ。ラッパを鳴らす応援団や、立ったり座ったりを繰り返すファンの熱気はまるで祭りのようで、驚いたのを覚えています。
社会人になり、球場には取引先の方に頻繁に連れて行ってもらい、社員や家族ともよく出掛けます。ファンが一体となって応援する中で飲むビールは格別。仕事の関係で初めて出会った人でも、横に並び応援することで自然と仲良くなれます。
私が生まれた1991年はカープが長らく低迷する前、最後に優勝した年です。5年前の25年ぶりのリーグ優勝は、私にとっての初優勝。うれしかったですね。大瀬良投手とは同い年で、友達が知人のため、勝手に親しみを感じています。もちろん私のユニホームは大瀬良です。今季も開幕投手に決まり3年連続。開幕からスタートダッシュを切ってほしい。
家にいるときのテレビ中継は必ず画面に張り付き、熱中して観戦。勝って喜び、1人で祝杯を挙げて飲み過ぎ、妻に怒られています。大逆転もうれしいですが、ぎりぎりで競り勝つような試合を見たい。今季も勝利をつまみに、おいしいビールを飲めるのを楽しみにしています。
巨大プリンターでトラックの荷台にさまざまなデザインを施す事業を手掛けています。いつか球団やスポンサー企業のトラックに、カープの迫力のあるデザインを塗装してみたい。
車産業は100年に一度の変革期という。電動化や自動運転などの技術革新はどこまで進むだろうか。
「われわれは常にユーザーの心に視点を合わせている」
とは、軽自動車の販売と車検・修理で業績を伸ばすサコダ車輌(佐伯区)の迫田宏治社長。販売価格は商圏内最安値で値引きしない。独自の営業戦略を展開し、着々と階段を上ってきた。
「どんなに車の機能や性能が進化しようと、商いの原点は変わらない。わが社にとって一番大事なことはユーザーから『ありがとう』と言ってもらえるか、どうか。ここが勝負どころ」
と言い切る。今9月期決算は車販売6000台、車検1万6000台の目標を掲げ、1983年に創業以来、初の売上高100億円突破に挑戦する。
前期も売り上げ100億円達成の目標を立てたが、14期連続増収をもってマイナスに転じ、売上高約89億円にとどまった。消費増税前の駆け込み需要の反動に加え、コロナ禍が響いた。だが、臆するところはない。新車状態に近い高年式・低走行の未使用軽自動車販売を主力に、FC車検最大手コバック加盟店では中四国九州初となる車検年間1万台以上を4年連続でクリア。さらに顧客層を広げ、徹底してユーザーから支持されるサービスを見極めてきたという自負があるのだろう。大台を視野に入れ、決して手を緩めない。リーズナブルな価格で車を販売し、車検を提供する。その代わり納車引き取りを極力避け、過剰なサービスは一切なし。この大本を押し通してきた。
1月に安佐南区に4カ所目の指定車検工場「コバック広島祇園店」を開設。既存の石内、舟入、東広島と合わせて4工場体制を敷く。いかに規模が大きくなろうと慢心はかけらもない。社員教育には格別に力を入れる。接客を一つ間違うと、客は去る。普段から人間力を磨く努力が欠かせないと話す。
「営業にノルマはない。しかし頑張った社員を正当に評価する制度を設け、ふさわしい待遇を用意。縁あって入社した以上、みんな家族同然。人生はいつも順風満帆というわけにはいかない。行き詰まり苦しい時、どうやって乗り切るのか。難所を越えて初めて成長した自分を確認することができる。『仕事を通して自分の人生を幸せにする』という決意こそ何より大事。気持を新たに向学心、向上心、そして油断なく仕事、人生に向かってほしい」
熱血漢だが、人情家。一からたたき上げてきた特有の経営観がある。少子高齢化が進み、車を求める世代も減ってきた。こうして真価が試されるときに差し掛かり、中小企業の強みを発揮するチャンスと言う。企業規模が大きくなるにつれて、自分の仕事だけやっていればいいという感覚が忍び寄ってくる。
「当社のモットーは、1人1人が責任感を持って頑張る。その結果、会社がもうかる。社員が潤う。そのサイクルが循環して雇用を守ることができ、社会貢献もできる。三方よしで成り立つ構造をつくる使命がある」
社員の平均年齢は27歳。今春は新人16人が仲間に加わり、さらに若返る。2年後に40周年。ますます意気軒昂。