広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    6月に東証2部上場 / 小出 克己 氏
    NEWSな人
    4月に社長就任 赤ちゃん筆を新たな文化へ / 光文堂吉村 和紘 社長
    江田島の魅力発信へ開業 食も雇用も地元で賄う / 江田島荘 阿部 直樹 総支配人
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
中華料理 三国苑 / 小林 芊 オーナー

2016年に開業し、21年3月に西区の天満屋広島アルパーク店から移転オープンした。経営全般と接客を担う小林芊オーナー(30)は、
20歳で中国から留学で来広し、いつかは自分の店を構えたいと考えるように。中国の大手ホテルで料理長を務めたシェフが、日本人の味覚に合わせた広東、四川料理を提供。辛いのが苦手な人も食べやすいと好評です」
 エビやニラ、豚肉を自家製の生地で包んだ三鮮水ギョーザや、中国産サンショウを利かせたマーボー豆腐は開店当初から人気があり、常連の大半が注文する。
「お客さまとの距離感を大切にし、誕生日にささやかなプレゼントを贈るなど、喜んでもらえる方法を常に考えています。ありがたいことに毎日利用してくださる方も。おいしい食事と、明るい接客でファンを増やしたい」
 近隣に水ギョーザのテークアウト専門店開設を視野に入れる。

    INFORMATION
  • ◆住所:佐伯区海老園2-6-13 木原ビル1階
  • ◆電話:082-208-5532
  • ◆席数:42席
  • ◆平均予算:3000円
  • ◆営業時間:午前11時〜午後2時半、午後5〜11時半
  • ◆定休日:月曜
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
サインティ / 廣森 政宣 社長

小学生の頃、カープのファンクラブに入るために一人で、自宅のある廿日市市から自転車で市民球場へ。しかし保護者同伴でないと入会できず、そのまま帰ったのは良い思い出です。両親が共働きで球場になかなか連れて行ってもらえず、いつもテレビやラジオ中継で観戦していました。中学生になってからはスコアブックを付けていました。試合中に友達が遊びに来て中断させられ、何度も嫌な思いをした記憶が残っています。
 美容師になってからは唯一休みの月曜に試合がなく、カープが疎遠に。現在は美容室を閉じ、ヘアゴム「アンニュ」の製造に特化しており、再び観戦できるようになりました。今季のカープは低迷していますが、若手が活躍。彼らが数年後に花を咲かせてくれると期待しています。
 2013年にアンニュが広島市のひろしまグッドデザイン賞を受けたのを機に、スペースエイジの吉岡社長から声を掛けてもらい、カープバージョンの2色を発売しました。吉岡社長とは学生時代にバンド活動でつながりがあり、縁を感じます。カープのロゴが入った自社商品は、まるで夢のようでした。球場で知らない人が付けている姿を見るのは感慨深いです。
 カープ選手の頑張りはファンに元気を与え、広島の経済に潤いをもたらします。コロナ禍で球場での観戦客数が制限されましたが、以前のようにファンが集い、真っ赤に染まった球場で選手を応援したいですね。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
凄いと言うほかない

大谷翔平は宇宙人なのか。テレビ中継でアナウンサーが「オオタニサーン!」と絶叫し、凄(すご)い勢いでまくし立てている。ポンポンと飛び出す大きなホームランに興奮しているのだろう。野球少年そのままの明るさがあり、どんな猛者もかなわない。カープの憂さも晴らしてくれる。
 厳しい金融界にあって、凄いと言うほかない。来年5月で創立70周年を迎える広島市信用組合は2021年3月期決算で、金融機関の収益力を示すコア業務純益が過去最高になり、101億円を計上。19期連続増益を達成し、今期も記録更新が確実という。
 10年前に比べて貸出金残高は倍の約6478億円。預金残高は倍以上の約7446億円。日本格付研究所(JCR)は5月11日時点で、同信用組合の信用格付を「A(ポジティブ)」へ格上げ。全国の信用金庫254、信用組合145にあって堂々の3位。JCRはこう評している。
「資金量約7000億円。経営トップの強力なリーダーシップのもと、経営資源を預貸業務へ効率的に集中させ、スピーディーに融資可否の判断を行えることが強みになっている。こういった当信組のビジネスモデルに対する評価や収益力の高さなどが格付を支えている。コロナ禍が長期化した場合には、ミドルリスク先を主要な貸出先とする当信組の与信費用にも相応の影響を与える可能性がある。もっとも、コア業務純益は堅調に推移しており、厳しい環境下でも与信費用はコア業務純益で十分に吸収可能な範囲内に収まるとみている。これまで格付を制約していたコア資本比率は着実に改善してきている。今後も持続的に改善していく公算が大きい」
 新店開設や店舗リニューアルを契機に顧客開拓を強化したこと。足元では新型コロナの感染拡大の影響を受けた事業者への資金繰り支援を積極化したことなどが寄与し、貸出金残高は比較的速いペースで増加。保有株式や債券にかかるリスク量は資本対比でみて限定的など、まさに「本業特化」を推し進めてきた経営方針を評価。同信組にとってこれから先の確信になったのではなかろうか。
 役職員の待遇改善も急ピッチで進めた。全国の金融機関に先駆け、5年前に定年を60歳から65歳に延長し、併せて役職も維持。初任給は段階的に引き上げ、例えば4年生大学卒で21万7000円。金融機関で群を抜く。応募者が増え、優秀な人材が増え、業績が伸び、待遇改善という好循環の軌跡を描く。
 派閥をつくるような人は役員に不適格です。即座に役員を辞めてもらいます。徹頭徹尾に取引先目線、職員目線のシンプル経営を貫く山本明弘理事長の持論だ。
 1968年に入組。35歳で三篠支店長に抜擢(ばってき)された後、中広、出島、可部、商工センターの支店長を経験し、本店の営業部長、審査部長から常務理事、専務理事、副理事長を経て、2005年に理事長に就く。出世街道を駆け上ったその履歴の裏側で挫折感を味わったことや、融資案件をめぐり上司と衝突したこともしばしばあったが、「取引先のため、市信用のため」と一歩も譲らなかった。「継続」を経営信条とする山本理事長の現場主義、本業特化の真の狙いなど、次号で。

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