広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    9月に開局60年迎える / 飯田 政之 氏
    NEWSな人
    明るい地域づくり注力 同志の力で広島変える / (公社)日本青年会議所中国地区広島ブロック協議会 山田 章夫 会長
    島根のスキー場を再開 通年楽しめるリゾート施設へ / アオイテクノサービス 塩本 崇公 社長
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
Bar EARTORY / 森 大輔 社長

南区大須賀で居酒屋3店を営むアトリが2021年10月に開いた会員制バー。既存客との接点強化や新たな客層開拓に向け、従業員の福利厚生用に保有する戸建ての1階を改装した。森大輔社長は、
「『完全プライベート空間の大人の遊び場』をコンセプトに、店内はレンガやタイル調の武骨な雰囲気のブルックリンスタイルに仕上げました。一軒家の外観をあえて残し、看板も設けていません。知る人ぞ知る隠れ家を目指します」
 10数種類のカクテルを出す2時間3600円の飲み放題制で、別途費用で日本酒やジャパニーズウイスキー、海外のクラフトビールなどを原価に近い価格で提供。SNSインスタグラムのダイレクトメールによる予約制とする。安芸長束駅までの送迎が付く。
「有り難いことに週末は満席になるなど、紹介で顧客の輪が広がっています。コロナ禍や昨年11月の『エキニシ火災』で減った客足が戻るきっかけとなるよう、さまざまな縁を大事に愛される店づくりに一層まい進します」

    INFORMATION
  • ◆住所:安佐南区長束西4-60-19
  • ◆席数:カウンター6、テーブル4席
  • ◆営業時間:午後7時〜午前0時
  • ◆不定休
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
MICコンサルティング / 森廣 通隆 戦略コンサルタント

漫画スラムダンクを見て育ち、子どもの頃からバスケットボールが好きです。中学から部活で本格的に始め、ポイントガード(PG)をやっていました。バスケは〝流れ〟のスポーツ。強豪チームでも流れをつかまれたら負け、その逆で劣勢チームが劇的な逆転勝ちを収めることも。そのために戦略も非常に重要です。5人の選手が強みを生かせるように毎年マネジメントを考え、さらには試合の一瞬一瞬で戦略を修正する必要があります。現在、戦略コンサルタントとして企業の業績改善や営業戦略立案などを支援し、マネジメントの重要性で共通点があると感じています。
 ドラゴンフライズはチームの立ち上げ初年度から応援。ミスターバスケットボールと言われる佐古賢一さんが初代ヘッドコーチとして3年間率いてくれたのはうれしかった。任期中のB1リーグ昇格はならなかったですが、チームを大いに成長させてくれました。
 今季は日本代表経験のある辻直人、リーグ得点王のニック・メイヨなど有力選手が入団し、期待は大きい。辻選手は開幕戦から大活躍で、家で中継を見ながら興奮して立ち上がっていました。今季はどの選手が出ても面白い。特にPGの寺嶋選手を応援しています。彼が入ってからチームのリズムは変わったように感じます。私もPG経験者として、彼がどのようにゲームをつくるのかに注目しています。
 私はたまに体を動かす程度ですが、社会人でもバスケを続ける人は多いです。そんな人たちが注目されるようなイベントを開き、バスケを通じて広島を盛り上げていきたいです。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
事業承継を学ぶ

広島修道大学は今年度後期から「広島の事業承継を学ぶ」と題し、全15回にわたる講義を行った。1月13日の最終回に登壇した広島銀行執行役員国際営業部長の坂井浩司さんは経営者の高齢化、事業承継を取り巻く環境、事業承継の種類や事例、投資ファンドなどを話した。
 同講義は、後継者不足が指摘される広島企業の事業承継に焦点を当て、経営者や専門家から直接話を聞くことにより、少しでも学生自身のキャリアや人生を考えるきっかけになればと初開講した。これまでに旭調温工業の粟屋充博社長、合同総研の篠原敦子社長、アイグランホールディングスの重道泰造会長兼社長らが登壇。全学部全学科の2、3、4年生が履修した。
 坂井さんは、中小企業の経営者年齢の分布や平均引退年齢の推移(中小企業庁「経営者のための事業承継マニュアル」)などを示し、今後10年間に70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は全体の約6割になり、そのうち約半数(日本全体の3分の1)の企業は後継者が未定などと解説。2021年の広島県の後継者不在率は64.4%(帝国データバンク調査)で前年の71.3%から改善したものの、全国11位。20年1〜12月に倒産した企業は全国で7773件と前年比7.2%減少した一方で、休廃業・解散した企業は4万9698件と過去最多を更新(東京商工リサーチ調査)した。
 同行が支援した第三者承継(M&A)で安佐南区のバロ電機工業の例を紹介した。
「社長は娘や従業員などに経営を引き継ぐ人がいないため廃業も検討。しかし取引先や従業員のことを考えると、会社を守らなければならないと決心し、70歳を目前に広島県事業引継ぎ支援センター(当時)を訪問。1年半で約30社の候補先リストを当たった結果、同じ安佐南区の東洋電装が引き受け、社員の雇用が守られて社名も残りました」
 他に「親族内承継」の事例として、社長が還暦を機に息子を後継者に考えたが、30歳と若く若社長誕生に不安の声もあってホールディングス組織とし、複数ある事業を分社化。社長がグループ全体をかじ取りし、常務と息子が事業会社の社長に就いた。後継者の負担を軽減して経営者の経験を積ませることができ、従業員も次期社長になれる可能性が生まれてモチベーションが高まったという。
 「従業員承継」では、後継者の息子が父の経営方針に同感できず家出。同行が運営する事業承継ファンドの担当者を通じて説得し、息子に移転していた株式を集約。役員4人で設立した会社に株式を承継した事例がある。
 坂井執行役員は1987年同行に入り、店舗、インターネットバンキングなどチャネル部門が長く、神戸支店長、個人ローン部長、営業統括部長、執行役員などを歴任。広島経済同友会事業承継委員会で委員長を務め、親族承継、役員・従業員承継、第三者承継の三つのスキームごとに専門家の知見や体験談などを情報収集し、課題を抽出した。
 さまざまな課題を論理的に解決していく、売買条件の交渉も大事だろうが、格別の志を持って創業した人ならなおさら、志ある人に受け継いでもらいたいとの思いが募るのではなかろうか。

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