広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    広島経済同友会筆頭代表幹事に就任 / 武田 龍雄 氏
    NEWSな人
    全国大会広島で業界アピール 技術交流図り市場拡大目指す / 広島テント工業 井田 達成 社長
    4月に広島支店から改称 上場支援でスター企業発掘へ / 日本M&Aセンター 小川 洋輝 中四国支店長
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
鉄板焼き どんとこ / 井辻 龍介 社長

八丁堀店と合わせ鉄板料理2店を経営。三川町店では7月1日から、年間約100頭しか市場に出回らない「美みくまのぎゅう熊野牛」ステーキの提供を始めた。中四国地方で初。岡田牧場(三重県)で肥育された雌の黒毛和種で、直営の肉屋でしか購入できず希少性が高い。
「牛舎の裏山から湧く天然水を与えるなど愛情たっぷりに育てられた牛もきっと、ここに生まれて良かったと感じているはず。ストレスの少ない環境だったことが肉質に表れています」
適度に脂身が入った赤身「カイノミ」を中心に仕入れる。鉄板に乗せた網の上で約6時間じっくりと低温で焼いてうま味を閉じ込めることで、ヒレ肉の最上級シャトーブリアンを超える柔らかさに仕上がり、かむたびに口の中で澄んだ肉汁が広がる。1万2000円のコースで提供。
「コロナ禍の休業中に全国の生産者を訪問して食に対する考え方を見つめ直し、『生産者と一緒にお店をつくる』思いを新たにしました。皆さまに特別なひとときを過ごしてほしい」

    INFORMATION
  • ◆住所:中区三川町6-3 プリシアダイコウ1階
  • ◆電話:082-249-5981
  • ◆営業時間:午後5時半〜10時
  • ◆定休日:火曜
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
マエダハウジング / 前田 政登己 社長

長年、地域の子どもの各種スポーツ大会「マエダハウジングカップ」を開いています。2014年の第1回少年野球大会には元カープ選手の前田智徳さんが保護者として、お忍びで来場。私が始球式の用意をしていると、少年野球協議会の当時の会長が「前田さんバッターボックスに立ってよ」とキラーパス。前田さんは少し困りながらも応えてくださり、その優しさに感謝しています。ただ、こんなに偉い人に球を当ててはいけないと、気が気でない。とにかく慎重に投球。何とか捕手のミットへ真っすぐ届き、安心しました。自らに厳しく野球道を追求する彼は多くの人に尊敬されており、私もカープ観戦時にはレプリカユニホームの背番号1を背負います。今季のカープはリーグ優勝を狙える位置にいる。この勢いで頑張ってほしい。
 コロナ禍で中断もありますが、ソフトボール、サッカー、バスケットボール、けん玉の大会も開催。私は幼少の頃にぜんそくでしたが、体調が良くなって始めたソフトボールで毎日練習に励み、小学6年の大会で優勝。まばゆい光景や達成感は今も鮮明に覚えており、今の子どもにも機会を提供したいと考えています。こうした取り組みや社員育成などが評価され、6月に「日本創生のための将来世代応援知事同盟」から「優秀将来世代応援企業賞」を受賞。光栄です。
 今年10回目を迎える少年野球大会は、念願であるマツダスタジアムでの決勝戦を実現させたい。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
共に海を守る

G7広島サミット初日にグランドプリンスホテル広島で会議を終え、各国首脳は観光型高速クルーザーで宮島へ。船上のテレビカメラは夕日に染まる美しい瀬戸内海の風景を映し出し、世界を魅了したのではないだろうか。
 翌日の会議で、海洋汚染対策や生物多様性の保全などがテーマになり、具体的に取り組むための連携強化が確認された。中でも海洋プラスチックごみ問題は危機的な状況に陥り、解決が急がれている。2019年のG20大阪サミットは50年までにプラごみによる海の追加汚染をゼロにする「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を採択した。
 これを踏まえ、広島県の湯崎英彦知事は廃棄プラスチックの新規流出ゼロを目指す「グリーンSEA瀬戸内ひろしま宣言」(GSHIP(ジーシップ))を表明した。40年までにペットボトル、プラボトル、食品包装・レジ袋の主要3品目を、50年までに全てのプラスチックの流失をゼロとする方針を打ち出した。21年6月から県内企業や団体を巻き込み、プラスチックの使用量削減、プラごみの流出防止、情報発信などに取り組んでいる。これに賛同する会員は110社・団体(市町含む)に上る。
 G7サミットも意識を醸成する場になった。試飲食ブースで包装商社のシンギ(中区)が開発したバガスモールド(サトウキビ由来の生分解性素材)製のお好み焼き容器やエフピコのエコトレーなどを提供した。清掃団体を登録し会員に参加を呼び掛ける仕組みも加速する。サミットの会場となった元宇品の海岸と宮島の包ヶ浦では開催前の清掃活動に380人が参加した。事務局を務める県環境保全課の増田晶次主査は、
「カキ養殖事業者にプラ資材の流出防止を求めたこともあり、県内海岸の漂着物量は18年度の72.4トンから21年度には47.9トンにまで減った。実は海洋ごみの7〜8割が陸上から流れ込み、全漂着物のうち生活由来プラごみが27%を占める。普段から使っているプラ製品の回収・再利用や代替素材への移行が急務。リデュース(減量)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)、リニューアブル(再生可能)の施策を強化し、個別に取り組んでいた企業や団体を結び付け、連携を促すのがGSHIPの役目。相乗効果や新たな仕掛けを生みたい」
 22年度までの連携プロジェクトとして、全国清涼飲料連合会は飲料容器以外を入れづらい設計のリサイクルボックスを広島市内中心に設置し、異物率を42%から25%に減らした。イズミはリサイクル会社などと協力し、カキ養殖用パイプを一部再利用した買い物かごをゆめモール西条で導入。商業施設レクトはプラ気泡緩衝材の回収・再利用に取り組む。カルビーなどはごみ箱の利用データ分析を基に回収頻度を最適化する仕組みを運用し、周囲の散乱がほぼ無くなったという。秋山日登美課長は、
「広島の宝である瀬戸内海の環境保全を目指し、先頭に立って県民や事業者と連携しながら推進していく」
 外国人観光客も目立つようになった。JR西日本と瀬戸内海汽船はG7各国首脳が乗船した観光型高速クルーザーの特別シートをアピール。サイクリング人気も見越し、しまなみ海道周辺の定期航路時刻表の閲覧やEチケット購入のサイトもできた。観光と海洋汚染対策は切り離すことができない大命題。県民総出の力が求められている。

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