広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    本通3丁目地区市街地再開発準備組合理事長に就任 / 田中 宣永 氏
    NEWSな人
    水道施設のDX化支援 広島発のモデルを国内外へ / 水みらい広島 坂谷 隆太 社長
    コロナ療養施設休館から再開 宴会場改装や新サービス導入 / オリエンタルホテル広島 引原 史博 総支配人
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
cafe1400 / 藤井 美里 店長

ファイナンシャルプランニングなどのCWALが運営するカフェ。同社事務所が入る会員制コワーキングスペース「レインボー倉庫」(西区商工センター)内に3月25日にオープンした。藤井正彦社長夫人の美里店長は、
「新卒で食品関連の会社に勤めるなど、以前から食に興味がありました。出産を機に『気兼ねなく子どもとゆっくり過ごせる場所がほしい』と考えるようになり、新事業で挑戦。絵本の読み聞かせやハンドマッサージなどの事業者を集めた定期イベントが好評で、子ども連れの女性客が9割を占めるなど手応えを感じています」
 開業時に始めたクラウドファンディングが目標額に達し、同施設2階に木製の小型滑り台を7月に設置。客を飽きさせないよう2カ月に一度、軽食の新メニュー開発にも取り組む。
「子連れの集う居酒屋があればと、8月には〝夜カフェ〟の試験営業を計画。今後も『ここに来たら何か楽しいことがある』と思われる店づくりにまい進します」

    INFORMATION
  • ◆住所:西区商工センター2-8-29 レインボー倉庫1階
  • ◆電話:070-9058-9527
  • ◆営業時間:午前11時〜午後4時
  • ◆不定休
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
クラウンクラウン / 東出 幸司 社長

2022年11月に中区袋町で当社を立ち上げ、人材派遣やコールセンター事業などを手掛けています。
 京都で生まれ育ったため、子どもの頃は父親とよく甲子園球場へ行っていました。高校卒業後に運送、大手通信会社など職を転々とする中、15年に大阪本社の派遣会社に入り、広島へ配属されたのが鯉党となるきっかけ。テレビ各局が情報番組でカープを取り上げるほか、公私問わず会話のネタになる県民性に感化され、年に10回はマツダスタジアムへ足を運ぶように。プレーの躍動感を味わえるため、テレビより現地観戦が断然好み。スクワット応援で各選手にエールを届けています。
 球場に行く前の楽しみは席選び。お気に入りはライトの外野で、パフォーマンス席やパーティーデッキも良かったですね。今では笑い話ですが、21年にレフト側テラスのチケットを手に入れた時のこと。部下を連れて胸を躍らせながらいざ座ってみると、視界の3分の1が黄色のファウルポールに覆われて一塁付近が全く見えないというハプニングが発生。座ってゆっくり観戦するはずが上半身をしょっちゅう動かす羽目になっていました。
 実は広島で創業した決め手の一つがカープとなるほど、人生を大きく左右した存在です。粘り強いプレーで前半戦は2位で折り返し、優勝も夢ではなくなりました。まずはCS進出が決まったら即、コンビニへチケットを買いに行きます。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
地域と共に歩む

いま、どのような人材が求められているのか。産業界で事業構造の変革が加速し、企業の採用活動にも大きな変化が起こっているという。北海道から沖縄まで235大学でつくる全国私立大学就職指導研究会(事務局=東京)は7月13日、北海道の札幌グランドホテルで「企業と大学との就職セミナー」を開いた。
 道内中心にコンビニエンスチェーン「セイコーマート」を1200店近く展開するセコマの丸谷智保会長が「地域と共に歩むサステナブルな経営」と題し、講演した。(公財)日本生産性本部の顧客満足度調査によると、コンビニ部門で7年連続し全国トップ。道内の店舗数も全国最大手のセブンーイレブンを上回る。丸谷会長は、
「地域密着が事業の本質にあると思う。地元に支えていただくため道内産品を数多く使用。原材料の生産・調達〜加工〜物流〜販売といった過程をグループ企業内で管理するサプライチェーン経営で効率化を図り、過疎化が進む地域であっても、どうすれば出店できるのか考えた」
 現在は道内179自治体のうち175市町村に出店し、離島も含めた人口カバー率は99.8%。2014年12月には人口わずか1200人の小さな村に新店をオープンした。コンビニ経営は最低3000人の商圏人口が必要とされる中、地域からの切実な嘆願が決断を促したという。
「村中心部にあった商店が閉じ、村長から直々、住民のためにどうしてもと頼まれた。土地は村が無償に近い価格で貸してくれた。物流は他店への配送ルートに組み込むが、店単体では赤字やむなし。グループ全体でカバーできればという想定だった。案の定、暫く赤字続きだったが、徐々に業績を伸ばし、いまは安定した経営を続けている。リピート客をつくったことが大きい。極論すると住民が朝昼晩と繰り返し来てくれると採算は取れる。地域興しのための出店だったが、道民の生活を支える地域残しの方が先だと知った。ニーズに沿い、少しでもいいから黒字を出し続けること。地域貢献といっても短命で終わってしまえば住民にとって大迷惑。継続できなければ意味がない」
 北海道は課題の先進地域と表現し、高齢化や食品ロスの問題についても語った。
「1カ月のうち最も売り上げる日は年金支給の15日。高齢者の生活はそれほど社会保障へ依存している。われわれは付加価値を高めるのではなく、売値と品質をそのままに原価を下げる削減価値の考え方が必要。例えば低脂肪乳の製造時に出る脂をバターや生クリームに、メロンの規格外品をソフトクリームに加工。本来なら捨てるものを売って得た利益をコスト低減につなげている」
 今後は海外展開やネット販売にも乗り出す。グローバル人材を重要視するが、基盤はローカル市場にあるという。逆転の発想というより、むしろビジネスの本質を突いた考え方が根本に流れる。
 ポプラ(安佐北区)は5月に就任した岡田礼信社長が指揮を執り、高齢者向け冷凍食品の製造販売分野に本格参入する。セコマと同様、社会課題と正面から向き合う事業に挑むほか、地場産品とのコラボ商品の拡販に力を入れており、地域と一体となった取り組みが進む。
 続いてWBCで世界一に導いた栗山英樹監督が「信じる力と伝える力」と題し、講演した。次号で。

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