府中焼きの有名店など、3店で合計10年近く修行した店主が独立、昨年12月1日にオープンした。牛100%のミンチ肉、乳酸発酵させた餌で育った鶏の卵など良質な食材を使うほか、接客にもこだわりを持つ。
「幸せな時間を過ごしてもらうことがコンセプト。例えば観光で訪れた方や子どもに焼く体験をしてもらうなど、枠にとらわれないよう心掛けています。味を褒めてもらえたら、今日が一番おいしいですよと冗談交じりに返すことも。そこで笑顔が生まれ、楽しそうな姿を見られるのが、私にとっても最高の幸せです」
基本の肉玉そばに加えてエビ・カキといった海鮮、牛スジやショウガなど豊富なトッピングをそろえ、ドリンクではワインも提供する。
「〝お好み焼きにしか合わないワイン〟と銘打っています。市販品ではなく、卸業者から特別に調達。牛肉の味がより引き立ちます」
月曜定休だが、団体利用などの要望があれば柔軟に対応するという。
島根県出雲市出身で、大学で広島に来てからカープに関心を持つように。卒業後、防犯機器の販売・設置や警備を行う当社に入社。幹部として見込まれ、すぐに専務を命じられたが人を集められず30数時間続けて勤務をしたりと必死で仕事に食らいついていた時期のこと、同郷の大野豊さんがクローザーを任され、マウンドに立つだけで球場が大盛り上がりする様子に勇気をもらったのを覚えている。
個人的に出した飲食店に栗原健太選手が来店され、その人柄の素晴らしさにほれ込んでからは一層カープを好きになった。後で分かったことだが、この日は手術で渡米する前日。そんなことはおくびにも出さず、気さくに話してくれた。また、15年ほど前に中小企業家同友会の知り合いの紹介で山内泰幸さん、澤﨑俊和さんと知り合った。2人とも応対がとても丁寧で自分をよく見せようとしない人格者。毎年ゴルフに行く仲で、ベンチの裏話を聞くのが楽しい。
若い頃ソフトボールの捕手をしていたこともあり、観戦時はサインの出し方などに注目。捕手がインコースに構えた理由や打者の考えなどいろいろな立場で想像しながら見ている。昨季の躍進は、新井監督の失敗を恐れない積極采配や、良い面にスポットを当てるマネジメントが大きいのでは。残念なのは西川さんをはじめ、好きな選手が流出してきたこと。仕方のないことだが、移籍しても黒田さんのように選手が帰ってくる球団になってほしい。
1月12〜14日、国内外の車メーカーやチューニングパーツを扱う378社が出展した世界最大規模のカスタムカーイベント「東京オートサロン2024」が千葉市の幕張メッセであった。車ファン23万人が来場し大盛況。初日の一般公開前には大手メーカーのトップらが報道陣向けプレゼンで、それぞれ個性的にPR合戦を繰り広げた。
トヨタの豊田章男会長は「普通のクルマ好きのおじさんモリゾウ」と名乗り登場。ブースを沸かせた。日産やホンダは最新コンセプトカー、ベンツは新型車を国内で初披露。中国のEVメーカーBYDは今春に日本で発売する車種を出展し、注目を浴びた。
マツダの毛籠勝弘社長は、
「昨年、静岡と岡山で開催したマツダファンフェスタではそれぞれ予想をはるかに上回る来場者でにぎわった。レース観戦やものづくり体験だけでなく、買い物やランチなど幅広いコンテンツを用意したこともあり、笑顔にあふれるイベントとなった。私たちはもっと車の運転や、遠くへ出かける楽しさを味わい尽くしたいと考えている」
昨年11月にブランド体験推進本部を新設したことに触れて「クルマを楽しみたい人のブランド」へ成長させていくビジョンを発表。カーボンニュートラルと「走る歓び」の実現に向け、独自技術のロータリーエンジン(RE)開発グループを2月に復活させると明言し、胸を張った。「昨秋のジャパンモビリティショーで発表したコンセプトEV『ICONIC SP』は発電用の2ローターエンジンが生み出す長い航続距離に加え、スポーツカーとしても一級品の性能を備えている。REに期待する多くの賛同・激励を受け、夢に近づく技術者の再結成を決めた。課題は甘くない。だが、飽くなき挑戦の新章へ一歩としたい」
後半は前田育男シニアフェローが登壇。近く市販する、レース車の要素を織り込んだロードスターとマツダ3を公開した。
「21年から活動するレースチーム『マツダ スピリット レーシング』がサーキットで得た知見を日常の運転につなげる狙い。チームと同名のブランドを立ち上げ、エンジンやサスペンション、内外装などに手を加えた特別仕様車を商品化する。レースは技術を鍛え、人を育てるための究極の実証実験の場だ。マツダらしい車造りを続けていくため、人材や技術を将来への財産とする」
自らチーム代表を務め、旺盛な開発意欲をにじます。
世界の車メーカーが自動運転や電動化に向かう中、エンジン技術を高め、レースの経験を生かしたいという。巨大な車業界にあって小さな存在に過ぎないマツダならではの隙間戦略に思えるが、トヨタの豊田会長も同日、昨年の自身の活動を踏まえ、
「レースやラリーを通じ、子どもたちに車の楽しさを伝えること。加えてエンジン技術を磨く社内プロジェクトを立ち上げる。最近はエンジン産業の行く先を案じた銀行が、開発製造に関わる人への融資を断ることもあると聞く。日本の産業を支えてきた彼ら、そしてその技術を失ってはいけない。未来へ、車好きの仲間をつくり守っていく」
トヨタとマツダ両社には車メーカーの志が相通じ合うのだろう。それぞれのトップは自らレース車のハンドルを握るほどの車好きだ。その端々に情熱がほとばしり、まさに「指揮官先頭」に立つ。