広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    8月に駅前大橋ルート開業 / 仮井 康裕 氏
    NEWSなひと
    製作拠点ファブラボ開設 ものづくりの楽しさ訴求 / 広島工業大学Fab Lab 村上 修二 副学長兼ラボ長
    野良犬・猫問題の解決へ マツダ社員と共に啓発 / 広島市 松井 一実 市長、ワンミャツダクラブ 人見 光夫 シニアサポーター
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
レセルバイベリカショップ / 岩崎 弥太郎 代表

西広島駅すぐそばのスペイン産生ハム専門店。バルセロナの市場にある店舗と同様に店頭には脚つき生ハムが並べられており、対面での生ハム販売は日本で唯一という。飼育方法やえさにこだわったイベリコ豚100%の高級生ハム「ベジョータ」は濃厚な味わいの一方、体温より低い温度で溶ける脂肪のため後味はすっきりしている。
「厳選した生ハムをスペインから直接仕入れ、全国に卸しています。切り立てならではのしっとりとした味わいは格別ですよ」
 テイクアウトのほか、スペインラジオが流れるイートインスペースでは人気の生ハム3種食べ比べ、ホットサンドや本場の味が再現されたパエリアやシャンピニオン(マッシュルーム料理)などを提供。店内でフルート演奏会や外国語講座を開くなど、地元の人が集まる場としても活用する。
「西広島駅は広電と鉄道、バスの乗り換え拠点で、まだまだポテンシャルがある。周辺の店とともに地域を盛り上げていきたい」

    INFORMATION
  • ◆住所:西区己斐本町1-13-11
  • ◆電話:082-961-3786
  • ◆平均予算:3000円
  • ◆座席数:10席
  • ◆営業時間:午前11〜午後9時
  • ◆定休日:不定休
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
おけいこドットコム  / 湊 容子 社長

カープを語るとき、愛してやまない尊敬する父の存在が欠かせません。試合中継のある日のテレビは、父の占有物に。ひざに座らせてもらい一緒に観戦していました。敗戦が色濃くなり機嫌も悪くなり出すと、怖くなってさっと2階に上がっていましたね。
 父の勤める会社が旧市民球場のバックネット裏に指定席を持っており、球場にも頻繁に連れて行ってもらいました。観戦に行くと、近くにお店のあったケンタッキーと、カープうどんを買ってもらえるので、すごく良い思い出。もちろん試合も楽しんでいました。忘れられないのは、西田さんの乱闘。貧乏・弱小のカープ選手が相手チームに果敢に挑む姿に球場が沸き立ち、私も子どもながらに「やれやれ」とあおっていたのを覚えています。ちなみに、いつも隣で激しくやじる父の姿を見ていたため、私は今でもついついやじっています(笑)。
 特定の選手ではなくチームが好きで応援しています。しかし子どもの頃、唯一好きだったのが巨人の王貞治さん。長嶋さんのようなスター性があったわけではなく、努力の姿勢に魅力を感じていました。この事実はカープ狂の父に、もちろん言えず。禁じられた関係でした(笑)。それから月日がたち、数年前に闘病中だった父に伝えると、笑って許してくれました。
 父は昨年末に他界。母は今も父の写真と一緒に中継を見ているようです。父とカープは、私たちにとって切っても切れない関係にあります。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
海外から選ばれる日本

たとえ黒字経営であっても求人難などの人手不足による倒産が急増。帝国データバンクによると2024年度の人手不足倒産は342件で前年度の260件に比べて1.3倍に増え、2年続けて過去最多を大幅に更新した。
 総務省が発表した日本の総人口は24年12月1日現在の確定値で1億2374万人。前年同月比で55万5000人減少し、うち15〜64歳の生産年齢人口は21万6000人減った。象徴的なデータがある。日本人は89万人減ったが、外国人は33万人超と10%以上増えた。
 24年4月から運送業も時間外労働の上限規制が適用された。海に囲まれた日本は単一民族で歴史を刻み、発展してきたが風向きが変わり、このままでは現場がまわらなくなる先も増えそうだ。
 02年に設立以来、累計8000人を超える技能実習生・特定技能外国人を受け入れてきた西海協(協)(安佐南区伴南)は全国の先陣を切り、外国人トラック運転手の受け入れに踏み切った。7〜9月で計15人のベトナム人男性が免許取得に挑み、特定技能運転手として公道デビューを目指す。池田純爾理事長は、
「これまで主力に受け入れてきた製造業向けの外国人材市場は飽和状態で、安定した成長に臨み職種や業種を広げる必要がある。先行する介護分野や、物流24年問題を機に運転手不足に拍車がかかる運送業に加え、今年12月に倉庫業を特定技能分野に追加する道筋も見えてきた。こうした業種の外国人材需要に応えていきたい。初めて受け入れる運送業分野では運転適性の見極め方・安全性を担保した上で免許証取得はむろん、どのように営業運行につなげていくかなど課題は多い。レベルの高い安定した教育を行って、受け入れ先から歓迎される体制を構築していきたい」
 国際的な人材獲得競争も激化する中、人手不足分野の人材育成・確保を目的に技能実習制度を発展的に解消し、いよいよ「育成就労制度」が27年度から始まる。海外から選ばれる日本になれるよう組合運営そのものを変革し、時代が求める体制確立が急務になってきたという。
 省人化や省力化、DX、AI活用などが進展。しかし物流業や建設業、介護現場などでは人の手でなければ困難な業務も多い。県外国人介護人材協会の坂本尚己会長は、
「いま介護施設の70%が人材不足に直面。EPA(経済連携協定)や技能実習など四つの在留資格で介護職に就く県内の外国人は約3700人。さらに外国人を起用する動きが加速してきそうだ。今年4月には訪問介護も解禁された。高齢者人口がピークを迎え、一方で現役世代が急減する40年代には日本人だけによる介護は一層困難になると予測される」
 在留資格を持った外国人は昨年末で376万人超と過去最多を更新した。うち技能実習と特定技能で74万人超。長く働きたいと望む外国人材を受け入れるインフラ整備や支援体制をどう整えていくのか。池田理事長は、
「言葉や生活習慣、文化に違いはあるが、人として成長を実感できる働き方をしたいと思う心に違いはない。安心して働き続けられる。やりがいのある人生設計を自由に描くことができる。そうした共生社会実現へ少しでも役立つことができるよう尽力したい」
 制度が変わろうが、相互に信頼できる人間関係こそ共生社会の土台と力を込める。

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